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夜間救急体制の作り方とは?2026年改定の処遇改善を活かす体制設計を解説

夜間救急体制の作り方とは?2026年改定の処遇改善を活かす体制設計を解説

更新日:

2026/6/25

夜間救急体制の作り方とは?2026年改定の処遇改善を活かす体制設計を解説|メソッド

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※今回の記事は厚生労働省が発表している令和8年度診療報酬改定 1. 賃上げ対応から一部を抜粋し編集した記事となっています。

夜間救急・当直体制における深刻な人材確保の課題

現在、多くの医療機関において、救急や夜間対応を担う現場スタッフ(看護師や当直医)を確保することがますます困難になっています。

少子高齢化に伴う医療ニーズの高まりの一方で、働き手は不足しており、一部のスタッフに夜勤の負担が偏ることで現場の疲弊が蓄積しています。最悪の場合は連鎖的な離職を招くという悪循環に陥っている病院も少なくありません。

持続可能な医療提供体制を維持し、地域の救急医療を守るためには、夜間帯の勤務環境を抜本的に見直し、スタッフが定着しやすい仕組みを構築することが急務となっています。

ベースアップ評価料等の夜勤手当への充当が明確化

このような現場の課題や経営環境の変化に対応する形で、令和8年度診療報酬改定において、医療従事者の処遇改善に関する重要な見直しが行われました。

簡潔に結論を申し上げますと、今回の改定により、処遇改善のための収入を「夜勤手当の増額」に充てることが明確に認められました。

令和8年度診療報酬改定における「賃上げ・物価対応に係る全体像」を示したスライド。令和8・9年度の対象職員の賃金総額引き上げ目標(全体+3.2%、看護補助者・事務職員は+5.7%)と、新水準のベースアップ評価料等による支援構造、および物価対応料新設などの全体像が図解されています。
ベースアップ評価料に関する主な変更点(内容)を「現行」と「改定後」で比較した表。賃上げ目標水準の引き上げ、対象職員の拡大(事務職員や40歳未満の医師・歯科医師・薬局薬剤師等の追加)、評価総額の算出方法の変更、およびベースアップに充てて良い給与の範囲(夜勤手当の追加)について記載されています。

今回の改定では、幅広い職員の人材確保と確実な賃上げを実施する観点から、ベースアップ評価料の対象が拡大されています。また、賃上げの目標として、令和8年度および令和9年度において、それぞれ+3.2%(看護補助者・事務職員はそれぞれ+5.7%)のベースアップ実現を支援する措置が講じられています。

その上で、夜勤に関する具体的な制度変更のポイントは以下の通りです。

賃上げに向けた評価の見直しの「概要」を4つのポイントでまとめたスライド。1. ベースアップ評価料の対象職種の拡大、2. 継続的な賃上げの有無による段階的な評価体系への変更、3. 賃上げ未実施の施設に対する入院基本料等への減算規定の新設、4. ベースアップ評価料等の収入を夜勤手当の増額に用いることの可能化、が示されています。
賃上げに係る評価の使途の見直しを説明したスライド。看護職員処遇改善評価料等の施設基準について「現行」と「改定後」の条文を比較し、恒常的な交代勤務制における「夜勤手当」を、毎月支払われる手当に準じて基本給等の引上げ(ベースアップ)に含めて差し支えない旨の追記文が強調されています。

- 夜勤職員の確保を行う観点から、看護職員処遇改善評価料及びベースアップ評価料による収入を、夜勤手当の増額に用いることが可能となりました。

令和8年度診療報酬改定「賃金に関する用語の定義」の解説スライド。ベースアップ評価料等の収入は基本給の引上げ等に充てること、また最大のポイントとして「恒常的な夜勤手当を『基本給等』に含めてよい」ことが、賃金構造の図解とともに示されています。

- 恒常的に夜間を含む交替勤務制をとっている職場の職員に支払われる夜勤手当について、毎月支払われる手当に準じて基本給等に含めて差し支えないと明記されました。

これまで「基本給等の引き上げ」に限定的に捉えられがちだった原資を、夜勤という過酷な業務を担うスタッフへダイレクトに還元できるようになったことは、病院の資金繰りや人事戦略において非常に大きな前進といえます。

出典:令和8年度診療報酬改定 1. 賃上げ対応

📌 編集部ピックアップ

ある地方の急性期病院では、診療報酬改定を単なる制度対応ではなく経営戦略の機会として捉え直すことで、半期で救急搬送台数を前年比約1.4倍へ伸ばし、上半期だけで約1億円の増収を実現した事例が報告されています。副理事長は「患者さんが求めていることをやる。それが政策誘導に乗ることになり経営改善につながる」と語る。今回の処遇改善策も、現場のニーズと制度設計を同期させることで最大の効果を発揮する。

制度変更が現場に与える影響と残された課題

ベースアップ評価料や看護職員処遇改善評価料の収入を夜勤手当の増額に使えるようになることは、夜間勤務スタッフのモチベーション向上や離職防止のための強力なカードとなります。給与面での正当な評価は、スタッフのやりがいを支える重要な要素です。

しかし、経営層や人事担当者の皆様にぜひご留意いただきたい点があります。それは、手当を増額して金銭面で報いたとしても、「夜勤そのものの過酷さ」が変わらなければ、根本的な人材の定着や当直体制の安定化には至らないということです。

夜間の絶え間ない救急搬送、急変対応時のプレッシャー、そして翌日の日勤帯への体力的な影響など、現場スタッフが抱える身体的・精神的な負担感は、手当の増額だけで完全に払拭できるものではありません。

📌 編集部ピックアップ

ある中小規模の急性期病院では、退職代行を使った離職が相次ぎ、現場が崩壊寸前の危機に直面した。しかしこの危機が経営層の意識を変える契機となり、「人を増やす前にそもそも効率的に動いているか考え直す」というアプローチで部門横断の業務改善に着手。10〜20秒単位の効率化を積み重ねた結果、入院数10%増とスタッフ満足度向上を同時に達成した。処遇改善と業務改善の両輪が、現場の定着を生む。

経営層が取るべき具体的なアクション:ドクターズプライムの活用

真に持続可能な救急・当直体制を構築するためには、評価料を活用した「手当増額(金銭的アプローチ)」と並行して、夜間の業務負担を根本から減らす「環境的アプローチ」を組み合わせることが不可欠です。

そこで有効な解決策となるのが、外部の優秀な救急医を活用して現場の負担を分散させる方法です。ドクターズプライムワークのソリューションを導入することで、以下の実現をサポートします。

質の高い外部医師の採用:独自の厳しい審査基準をクリアした優秀な救急医を、スポットまたは定期で採用することが可能です。

既存スタッフの夜間負担軽減:経験豊富な外部の医師が夜間救急対応をしっかりと担うことで、既存の常勤医の呼び出し負担や、夜勤看護師の対応ストレスが大幅に軽減されます。

働きやすい当直体制の構築:現場の心身の負担が減ることで、既存スタッフの離職率低下や、新たな人材採用における強力なアピールポイントとなります。

なぜ看護師は救急を「断る理由」を探さなくなったのか? 救急応需率が約10%向上した、急性期病院の組織変革じ事例はこちらから

評価料を活用した「スタッフへの適正な還元」に合わせて、ドクターズプライムワークを通じた「業務負担の軽減」を実行することで、現場の不満を解消し、より強固な医療体制を築くことができます。

まとめ:持続可能な病院経営を目指して

令和8年度の改定により、看護職員処遇改善評価料やベースアップ評価料を夜勤手当の増額に充てることが可能となりました。これは夜勤スタッフへの正当な評価を後押しする素晴らしい制度変更です。

しかし、資金面での処遇改善はあくまで第一歩に過ぎません。明日から経営層の皆様が取り組むべきは、金銭的報酬の最適化と、業務負担軽減の「両輪」を回すことです。

既存の優秀なスタッフを守り、地域医療を安定して支え続けるために、ぜひドクターズプライムを活用した「真に働きやすい当直体制」の構築をご検討ください。まずは現場の夜間負担の洗い出しから始め、最適な改善策を共に模索していきましょう。

よくある質問

Q. 処遇改善の収入を夜勤手当に充てられますか?
A. できるようになりました。令和8年度改定で、看護職員処遇改善評価料およびベースアップ評価料による収入を、夜勤手当の増額に用いることが明確に認められました。これまで基本給等の引き上げに限定的に捉えられがちだった原資を、夜勤を担うスタッフへ直接還元できます。

Q. 夜勤手当は基本給のベースアップに含められますか?
A. 含められます。恒常的に夜間を含む交替勤務制をとっている職場の職員に支払われる夜勤手当について、毎月支払われる手当に準じて基本給等に含めて差し支えないと明記されました。賃上げ実績の算定上、夜勤手当の増額を反映しやすくなります。

Q. 令和8年度の賃上げ目標はどのくらいですか?
A. 令和8年度および令和9年度において、それぞれ+3.2%(看護補助者・事務職員はそれぞれ+5.7%)のベースアップ実現を支援する措置が講じられています。夜勤を担うスタッフの処遇改善も、この枠組みの中で進められます。

Q. 手当を増額すれば夜間救急体制は安定しますか?
A. 手当増額だけでは不十分です。「夜勤そのものの過酷さ」が変わらなければ根本的な人材定着や当直体制の安定化には至りません。夜間の絶え間ない救急搬送・急変対応のプレッシャー・翌日への体力的影響といった負担感は、手当だけで払拭できません。

Q. なぜ「処遇改善×業務軽減」の両輪が必要なのですか?
A. 金銭的アプローチ(手当増額)と環境的アプローチ(夜間業務負担の軽減)を組み合わせないと、定着につながらないためです。手当で報いても過酷さが残れば離職は止まりません。処遇改善と業務改善の両輪を回すことが、現場の定着を生みます。

Q. 夜間の業務負担を根本から減らすには?
A. 外部の優秀な救急医を活用して現場の負担を分散させる方法が有効です。質の高い外部医師をスポットまたは定期で確保し、既存スタッフの夜間負担を軽減することで、手当増額(金銭面)と業務負担軽減(環境面)の両輪を実現できます。

執筆・編集・監修

執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

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