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なぜ看護師は救急を「断る理由」を探さなくなったのか? 救急応需率が約10%向上した、急性期病院の組織変革

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なぜ看護師は救急を「断る理由」を探さなくなったのか? 救急応需率が約10%向上した、急性期病院の組織変革

医療法人財団アドベンチスト会 東京衛生アドベンチスト病院

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https://www.tokyoeisei.com/

エリア:東京都

病床数:186床

病院種別:

2次救急

西野 俊宏 理事長

事務局長 藤本 秀幸 様

この記事でわかること

・【課題】 救急を断る医師の「選り好み」が招いた、看護師の心理的萎縮と「断る理由探し」
・【施策】「断らない医師」への入れ替えと、相互評価システムによる質的担保
・【成果】救急応需率が約10%向上(50%台へ)。現場主導の「受け入れる文化」が定着

地域の中核を担う急性期病院として、高度な医療を提供し続ける東京衛生アドベンチスト病院様。同院では長年、当直帯における救急車の受け入れ体制や、医師と看護師の連携における心理的な課題を抱えていました。 今回は、ドクターズプライムワーク導入の背景と、導入後に起きた「救急応需率の約10%向上」という劇的な変化、そして診療報酬改定を見据えた今後の経営戦略について、理事長の西野 俊宏 先生と、事務局長の藤本 秀幸 様にお話を伺いました。

導入前の課題:医師の「消極的な姿勢」が招いた、看護師の心理的萎縮と負の連鎖

—— ドクターズプライムワーク導入前、救急現場ではどのような課題を感じていらっしゃいましたか?

西野理事長: 以前は、当直帯の医師確保を大学医局からの派遣を頼りにしていました。医局には当然、優秀な先生方がいらっしゃいますが、どうしても「やらされている感」を持って当直に来られる先生も少なくありませんでした。

配属当初は「何でも診ますよ」と言ってくださるのですが、時間が経ち環境に慣れてくると、徐々に「これは専門外だから診ない」「この症状なら呼ばなくていい」といった選り好みや、消極的な姿勢が見え隠れするようになるのです。これが現場の看護師にとって非常に大きなストレスでした。

—— 具体的に、現場の看護師さんたちにはどのような影響が出ていたのでしょうか?

西野理事長: これが最も深刻な問題だったのですが、看護師たちが医師の顔色を伺うようになってしまったのです。 トリアージのルール上は看護師が判断して医師に要請することになっています。しかし、消極的な医師の場合、夜間にコールすると「なんでこんな患者で呼んだんだ」「もっと学べ」といったネガティブな反応をされることがあります。

特に20代、30代の若い看護師にとって、ベテラン医師からのこうした圧力は相当な心理的負担です。「後で文句を言われて嫌な思いをするくらいなら、最初から呼ばない方がいい」と萎縮してしまい、無意識のうちに「患者を受け入れる理由」ではなく「断る理由」を探すようになってしまっていたのです。

結果として、本来なら受け入れられたはずの患者さんをお断りしてしまうケースが増え、救急応需率は40%台で停滞していました。これは病院経営としても、地域の救急医療を担う立場としても、打破しなければならない大きな壁でした。

導入の決め手:「断らない医師」による心理的安全性の確保とフィードバック体制

—— 多くの医師採用サービスがある中で、ドクターズプライムワークを選ばれた理由をお聞かせください。

藤本様: 最大の理由は、ドクターズプライムワークに登録されている医師の質の高さと、明確なコンセプトです。「救急を断らない」というマインドセットを持った先生が来てくれるという安心感が決め手でした。

西野理事長: これまでの医局派遣のような「人間関係のしがらみ」がない点も大きいです。 従来の体制では、多少問題がある先生でも、医局との関係性を考えると「来ないでほしい」とは言いにくい空気がありました。しかし、ドクターズプライムワークのシステムでは、我々病院側が医師を評価し、フィードバックすることができます。

もし当院の方針に合わない先生であれば、次回からの採用を見送ることができますし、ドクターズプライム側からも教育的な指導や改善要求が入ります。この「評価と改善のサイクル」が回せることが、経営陣としても現場としても非常にやりやすいと感じました。

導入後の成果:救急応需率が50%台へ。現場主導で「受け入れる文化」が定着

—— 実際に導入されてから、現場にはどのような変化が生まれましたか?

西野理事長: 数字として明確に表れたのは、救急応需率の向上です。導入前は40%台だった応需率が、現在では50%台まで上昇しました。約10%の改善です。これは非常に大きなインパクトです。

何より嬉しいのは、看護師たちの意識が変わったことです。ドクターズプライムワークから来る先生方は、基本的に「何でも診ます、どんどん呼んでください」というスタンスです。夜間にコールしても嫌な顔ひとつせず対応してくれる。 これにより、看護師たちは「怒られるかもしれない」という恐怖心から解放されました。「医師の顔色を伺う」必要がなくなり、「患者さんのために必要かどうか」という本来の判断基準でトリアージができるようになったのです。

—— 医師が変わることで、看護師のマインドセットまで変わったのですね。

西野理事長: その通りです。これまでは、医師の消極的な姿勢に引きずられて応需率が下がっていましたが、今は「積極的な医師」がベースにあるため、看護師も安心して受け入れ要請を出せます。 一部、まだ消極的な対応をする外部の先生がいらした際に数値が下がることはありますが、それは「個人の問題」として切り分けられるようになりました。組織全体としては「受け入れる」という文化が根付き始めています。

また、宿日直許可の問題や働き方改革が進む中で、常勤医を当直業務から解放し、日中の診療に集中させることができるようになった点も、病院全体のパフォーマンス向上に寄与しています。

経営戦略への貢献:診療報酬改定への対応と今後の展望

—— 2026年の診療報酬改定を見据えた今後の戦略についてもお聞かせください。

藤本様: 現在、当院では診療報酬上の観点からも「年間1,500件」の救急車受け入れを安定させることを目指しています。

ドクターズプライムワークの導入により、月間の救急車受け入れ台数が安定して目標値(月120件ペース)に近づいています。これを年間換算すれば1,500件ラインは十分に射程圏内です。

西野理事長: また、将来的な診療報酬上の区分についても、現実的な戦略を立てています。 現在は「地域包括ケア病棟」を23床運用しており、稼働率も非常に高い状態です。最上位の区分(A)を目指すには、この病棟を廃止し、さらに救急車を年間2,000台以上受け入れる必要がありますが、当院の規模や地域性を考えると、それは経営的にリスクが高すぎると判断しています。

近隣には大規模病院も多い中、無理に最上位へ背伸びをして疲弊するよりも、現在の地域包括ケア病棟を維持しながら、その次点の区分(B)の中でもトップクラスの質を目指す、いわば「Aに限りなく近いB」のポジションを確立することが、当院にとっての最適解だと考えています。

そのためには、年間1,500件程度の救急車を安定して受け入れる体制が不可欠です。ドクターズプライムワークは、この「背伸びしすぎないが、高水準な医療・経営」を実現するための、重要なエンジン役になってくれていると感じます。

同様の課題を持つ病院様へのメッセージ

—— 最後に、医師の採用や救急体制の構築に悩む他の病院様へメッセージをお願いします。

西野理事長: 「医師が集まらない」「救急を断ってしまう」という悩みは、多くの病院が抱えていると思います。しかし、その原因を深掘りすると、単に「人がいない」だけでなく、「現場の空気」や「人間関係の硬直化」にあることも多いのではないでしょうか。

当院では、ドクターズプライムワークを導入したことで、外部からの新しい風を入れることができました。熱意ある医師に来ていただくことで、既存のスタッフへの刺激にもなりますし、何より看護師たちが生き生きと働ける環境を取り戻すことができました。

コスト面を懸念される経営者の方もいるかもしれませんが、応需率の向上による増収効果や、採用にかかる見えないコスト、そして現場の疲弊を防ぐ効果を考えれば、投資する価値は十分にあると実感しています。 従来の医局頼みや縁故採用だけでは解決できない課題に対して、こうした新しい仕組みを柔軟に取り入れていくことが、これからの病院経営には必要不可欠ではないでしょうか。

取材協力

西野 俊宏 理事長

事務局長 藤本 秀幸 様

所属病院:医療法人財団アドベンチスト会 東京衛生アドベンチスト病院
住所: 東京都杉並区天沼3丁目17−3
TEL:03-3392-6151
病床数: 186床
診療科: 12科
職員数: 490人

ドクターズプライムワーク運営会社

会社名:株式会社ドクターズプライム
住所:東京都江東区青海1丁目1−20 ダイバーシティ東京 オフィスタワー 13F
TEL:070-3234-7096
運営事務局メールアドレス:support@drsprime.com
サービスURL:https://drsprime.com/service/work/hospital

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