
一戸 和成 副理事長
・課題: 入院料の区分転落等により、経常収支2%超の赤字が見込まれる経営危機に直面
・施策: 政策誘導に合わせ「高齢者救急」を強化すべく、DPWを導入し救急体制を刷新
・成果: 救急件数が40%増、半年で1億円の増収を達成し、経常収支2%の黒字へ回復
石川県能美市に位置する芳珠記念病院。副理事長を務める一戸和成先生は、消化器外科医を経て厚生労働省に入省し、診療報酬改定や医療政策に携わった経歴を持ち、医療政策の構造や制度の仕組みを熟知されています。
本記事では、その一戸先生の指揮のもと、2024年、経営危機に直面していた同院が、いかにして多角的な改革を行い、劇的なV字回復を遂げたのか。その改革の一翼を担う施策として、ドクターズプライムワークがいかに活用され、成果に貢献したのか。全体戦略の背景と合わせ、その具体的な役割についてお話を伺いました。
2024年9月に一戸先生が着任した当時、芳珠記念病院は深刻な経営課題に直面していました。当時の試算では、経常収支で2%以上の赤字が見込まれる状況でした。
背景にあったのは、日本全国の地方病院が直面している構造的な問題です。
人口動態の変化: 出生数が70万人を切り、年間90万人以上の人口が自然減していく中、患者数そのものが減少傾向にある。
診療単価と稼働率の低下: 患者の重症度が低下したことで「急性期一般入院料1」から「2」へ転落。さらに看護師確保の難航による病床削減も重なり、病床稼働率が低下。
固定費の圧迫: 病院経営は人件費等の固定費が高い「ハイリスク・ハイリターン」な構造。物価高と人件費高騰により損益分岐点が上がり、稼働率を上げても利益が出にくい体質になっていた。
「単に病床を埋めるだけでは利益が出ない」という厳しい現実の中、抜本的な改革が求められていました。
元厚労官僚である一戸先生が打ち出した再建策は、国の政策意図(政策誘導)に合致した経営を行うことでした。国が求めているのは「高齢者救急の受け入れ」と「在宅医療の推進」です。この2つの柱を確立するために、以下の施策を実行しました。
高齢者救急の強化: 地域で求められている救急車の受け入れを断らず、応需率を向上させる。
訪問診療の立ち上げ: 2024年4月より新規事業として開始。昼間の診療と夜間の看取りを分業体制化し、医師の負担を軽減しつつ体制を整備。
診療報酬の適正化: 「届出漏れ(最適な人員配置による加算取得)」と「算定漏れ(実施した医療行為の請求漏れ)」を徹底的に見直し、単価を向上させる。
この中で、特に「救急応需率の向上」を実現するために導入されたのが、ドクターズプライムワークでした。
「高齢者救急を断らない」ためには、現場の医師リソースの確保が不可欠です。しかし、地域の医師の高齢化も進む中、常勤医だけで救急対応を強化するのは困難でした。
そこで芳珠記念病院では、ドクターズプライムワークを活用し、意欲ある非常勤医師(特に若い医師)を採用することで救急体制を強化しました。
【具体的な導入成果】
救急車応需数の劇的増加:
ドクターズプライムワークを利用し始めたことで、昨対比で救急車の応需数が40%近く増加しました。2023年11月から1年間で、受け入れ台数は年間1,000台を突破しています。
入院率の向上による病床稼働への寄与:
救急車からの入院割合も10%程度上昇。これが病床稼働率の底上げに大きく貢献しました。
財務インパクト:
上半期だけで昨対比約1億円の増収効果を生み出しました。
結果として、当初見込まれていた2%以上の赤字から、「2%程度の黒字」を見込める水準まで回復しました。
一戸先生は、ドクターズプライムワークによる医師確保が、単なる人手不足解消にとどまらず、入院収益の増加という経営の根幹を支えるエンジンになったと語ります。

2025年度 上半期決算の成果まとめ
救急車受入件数: 昨対比141件増(36.7%増)を達成
救急搬送からの入院率: 前々期45%から当期57%へと大幅に向上
財務指標: 当初予想の2%赤字から、2%の黒字を見込める水準まで回復
補正予算や診療報酬改定による収益増は、あくまで「止血」に過ぎないと一戸先生は警鐘を鳴らします。重要なのは、黒字化したタイミングで将来への投資を行うこと、そして筋肉質な経営体質を作ることです。
人件費コントロールの徹底: 病床稼働率に見合った適正な人員配置を行い、固定費の無駄をなくす。
政策誘導への継続的な対応: 国が評価の基軸としている「年間救急受け入れ1,000台以上(200床未満の病院等の場合)」などの基準をクリアし続け、診療報酬上の評価を確実に獲得していく。
「患者さんが求めていることをしっかりとやる。それが結果として国の政策誘導に乗ることになり、経営改善につながる」
ドクターズプライムワークという強力なパートナーを得て、芳珠記念病院は地域医療を支え続けるための持続可能な経営モデルを構築しています。
一戸 和成 副理事長
所属病院:医療法人社団和楽仁 芳珠記念病院
住所: 石川県能美市緑が丘11丁目71番地
TEL: 0761-51-5551
病床数: 183床
診療科: 33科
職員数: 156人
ドクターズプライムワーク運営会社
会社名:株式会社ドクターズプライム
住所:東京都江東区青海1丁目1−20 ダイバーシティ東京 オフィスタワー 13F
TEL:070-3234-7096
運営事務局メールアドレス:support@drsprime.com
サービスURL:https://drsprime.com/service/work/hospital
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