更新日:
2026/7/15

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現在、高齢者の救急搬送人員が急増しており、中でも誤嚥性肺炎、尿路感染症、心不全といった軽症および中等症の患者様が急性期一般病床を占拠してしまうケースが増加しています。これにより、本来救命すべき重症患者様の受け入れが困難になるなど、急性期病院の病床圧迫が深刻な課題となっています。
衣笠病院グループでは、地域の16の介護施設と協定を結び、日常的な訪問や情報共有を密に行っています。状態が悪化する前の予防的入院を実施することで救急搬送そのものを減らし、同時に地域連携クリニカルパスを活用して、急性期を脱した患者様を後方病院へスムーズに転院させる「下り搬送」の仕組みを構築しています。
この記事を読むことで、高齢者救急における「出口戦略」の重要性と、後方病院(ケアミックス型病院や回復期・地域包括ケア病棟)が抱えるリアルな事情や本音が理解できます。また、転院のミスマッチを防ぎ、病床の回転率を向上させるための具体的なアプローチ手法を学ぶことができます。
セミナー動画本編では、武藤正樹先生による実際のデータに基づいた詳細な解説や、地域連携パスの具体的な運用事例をスライド付きでご覧いただけます。また、ドクターズプライムワークが提供する救急からの収益改善サポートの具体的な手法についてもご紹介しています。
高齢化が進行する中、急性期病院が生き残り、質の高い医療を提供し続けるためには、受け入れた高齢者救急患者様の「出口」をいかに確保するかが大きな鍵を握ります。
本記事では、急性期病院と後方病院それぞれの視点から、スムーズな転院連携を実現するためのノウハウを分かりやすく解説していきます。自院の病床稼働や救急受け入れ体制に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
軽症および中等症の高齢者救急患者様が急増しており、再発を繰り返しやすい疾患特性によって急性期病床が長期間占拠されてしまうのが現状です。
現在、介護福祉施設から急性期一般病床へは年間約66万人もの患者様が流れ込んでいます。その多くが誤嚥性肺炎、尿路感染症、心不全といった疾患です。特に誤嚥性肺炎や心不全は、治療して症状が改善しても退院後に再発を繰り返しやすく、何度も入退院を繰り返すうちに患者様のADL(日常生活動作)が低下してしまいます。結果として退院困難となり、急性期病院の病床が長期間埋まってしまうため、3次救急が機能不全に陥るリスクが高まっています。
病床の回転率を保ち、患者様のADL低下を防ぐためには、急性期を過ぎた段階で早期に後方病院へ転院させる「下り搬送」と、地域連携クリニカルパスの活用が不可欠です。
高齢者は入院してベッドで安静にしていると、わずか1週間で10〜15%もの筋力低下を引き起こし、長引けば寝たきりになるリスクがあります。そのため、急性期病院での治療が一段落したら、リハビリ専門のスタッフが充実している後方病院(地域包括ケア病棟など)へ、リハビリの「治療ウィンドウ(効果が出やすい時期)」を逃さずに転院させることが重要です。 あらかじめ急性期病院と後方病院の間で役割分担や転院の条件を取り決めた「地域連携クリニカルパス」を活用することで、転院調整がスムーズになり、結果的に在院日数を大幅に短縮することが可能になります。
急性期病院での漫然とした長期入院によるADL低下や、家族への説明不足、そして「急変時の再受け入れ保証」がないことが、後方病院が転院受け入れを敬遠する大きな原因です。
後方病院(ケアミックス型病院など)の地域包括ケア病棟には、「在宅復帰率」などの厳しい施設基準が設けられています。そのため、すでに寝たきり状態になってしまい出口(在宅復帰)が見えない患者様の受け入れには、どうしても慎重にならざるを得ません。 また、転院後に容体が急変した際、紹介元の急性期病院が「再受け入れ」をしてくれないのではないかという不安も、受け入れを躊躇させる要因です。さらに、患者様のご家族に対して「なぜ早期転院が必要なのか」という説明が不十分であったり、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の最新情報が共有されていないなどのコミュニケーション不足も、現場での大きなミスマッチを生んでいます。
転院先が最も安心する「リターンルール(急変時の再受け入れ確約)」を徹底し、日頃から後方病院や介護施設と密な情報共有を行うことが成功の鍵です。
急性期病院がスムーズな出口戦略を実現するためには、以下のポイントを実践することが求められます。
リターンルールの確約:転院後に患者様が急変した場合は、必ず紹介元の急性期病院が再受け入れを行うという約束を交わし、後方病院に安心感を与えます。
早期の家族説明:入院の早い段階から地域連携パスを提示し、「最終的にご自宅へ帰るためのステップとして、リハビリ専門病院への早期転院が必要である」ことをご家族に丁寧に説明し、納得していただきます。
日頃からの関係構築:連携室のスタッフが地域の介護施設や後方病院を定期的に訪問し、相手先の受け入れ事情(夜間の対応可否など)を事前に把握しておくことで、適切なタイミングでのスムーズな受け渡しが可能になります。
高齢者救急への対応は、急性期病院単独で完結するものではなく、地域全体を巻き込んだ「出口戦略」と「事前のネットワーク構築」が不可欠です。後方病院の本音を理解し、お互いが協力しやすい仕組みを整えることが、結果として自院の病床稼働の最適化と経営改善に直結します。
急増する高齢者救急のデータと地域医療構想の実態
地域連携クリニカルパスを用いた在院日数短縮の成功事例
後方病院が本当に求めている「急性期病院からのアプローチ方法」
より具体的な実践ステップや現場のリアルな工夫の詳細は、以下のセミナー見逃し配信ページで公開しています。自院の改革を加速させたいマネジメント層の方は、ぜひこの機会にご視聴ください。
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登壇者紹介
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 武藤正樹先生
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ



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