更新日:
2026/7/10

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Dr.'s Prime Workが主催する病院経営者向けセミナー。今回は、帝京大学医学部附属病院 内科主任教授・循環器内科科長であり、日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)理事長を務める上妻謙先生をお招きし、「急性期内科の現在地」についてお話しいただきました。
全2回のシリーズとなる本セミナー。第1回目の今回は、「現状の構造課題の診断」をテーマに、循環器内科が直面している危機的状況について解説していただきます。
データを見ると、内科全体の医師数は増加しているにもかかわらず、循環器内科を専攻する若手医師は明らかに減少しています。
外科や心臓血管外科などの減少に続き、内科の中でも特に過酷とされる分野が敬遠される傾向が顕著になっています。さらに、働き方改革によって医師の労働時間が可視化されたことで、24時間365日の対応が求められる循環器内科の過酷さが浮き彫りとなり、若手医師の参入減少に拍車をかけているのが現状です。
高齢化社会の進展に伴い、心筋梗塞だけでなく「急性心不全」で救急搬送される患者数が激増しています。すでに心筋梗塞の患者数を上回っており、これらの対応も循環器内科医が担っています。
緊急カテーテル治療などを要する患者に対応するため、現場の医師はオンコール待機や夜間・休日の緊急呼び出しに応じなければなりません。人手不足の病院では、わずか3〜4人の医師で地域の救急を回しているケースも多く、休日も遠出ができないなど、ワークライフバランスの維持が極めて困難な状態に陥っています。
医師の高齢化と若手不足により、地方では緊急カテーテル治療を行える施設の維持が難しくなっています。
過酷な環境を避けるため、または専門的な症例を求めて、医師が都市部の大型病院に集中する「偏在」が起きています。その結果、地方では心筋梗塞発症時の搬送時間が長くなり、都市部と比較して死亡率が数倍高くなるという深刻な医療格差(地域差)がすでに生じています。
現行の専門医制度が、結果として医師の地域偏在や、専門外の救急対応を避ける傾向を助長してしまっている側面があると上妻先生は指摘します。
この危機的状況を打開するため、以下のような多角的な対策が急務とされています。
循環器内科医の待遇改善(急性期医療に対する診療報酬の加算など)
外科や小児科など、他の領域の医師による循環器医療への参画促進
タスクシフト・タスクシェアの推進による医師の負担軽減
地域における医療機関の集約化
次回の第2回セミナーでは、これらの課題を踏まえ「2026年度診療報酬改定下での経営判断」に向けた具体的なお話しを伺います。
登壇者紹介
帝京大学医学部附属病院 循環器センター長 上妻 謙先生
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ



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