更新日:
2026/7/10

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藤田医科大学 岡崎医療センター 救急科助教の瀬川悠史先生をお招きし、「事務がERを救う!〜動線改善・3者通話から病床管理までの徹底効率化〜」をテーマにお話を伺いました。
医療現場のひっ迫が叫ばれる中、同院がどのようにして事務部門の働き方を見直し、ERの効率化を成し遂げたのか、その具体的な施策をご紹介します。
岡崎医療センターは2020年に開院した約400床の病院です。 地域の救急需要の増加に伴い、ERへの搬送やウォークインの患者数は年々急増していました。
特に2024年度には、開院当初の想定を大きく超える患者を受け入れており、現場の医師や看護師からは「もう限界」「これ以上の受け入れは無理」という声が上がるほどひっ迫した状況に陥っていました。
また、物理的な制約としてERの初療室が3つしかなく、限られたスペースで膨大な患者を診察し、各種検査や処置へ効率よく回していかなければならないという構造上の課題も抱えていました。
医師や看護師がそれぞれの専門業務に集中できるよう、瀬川先生は「事務部門」の働き方と動線に注目し、以下の改善を実行しました。
1. 自動精算機の導入による会計業務の削減 ウォークイン患者の増加により会計待ちが発生していました。 ER専用の自動精算機を導入することで、事務スタッフの手作業による負担を大幅に削減しました。
2. セキュリティ解除による「ムダな移動」の廃止 以前は救急車が到着するたび、事務スタッフが遠くの扉まで解錠に向かっていました。 人手が多い日中などはセキュリティを解放し、事務の無駄な往復移動(お出迎え)をなくしました。
3. 「救急外来一覧モニター」の設置で情報共有をスムーズに 患者の氏名や年齢、現在のステータスを一覧できる大型モニターを設置しました。 これにより、「〇〇さんのご家族ですか?」といった案内を事務スタッフが自律的に行えるようになり、医師や看護師へ確認する手間と電話の回数が激減しました。
4. 固定電話への電話回数削減(伝言ゲームの廃止) 事務が電話を受けてから医師や看護師を探して取り次ぐという「伝言ゲーム」は、タイムロスや情報伝達ミスの原因になります。 急ぎの用件は医師の携帯電話へ直接かけるルールを徹底し、事務の電話対応の負担を減らしました。
5. 事務の「専任化」とタスクシフト ER専任の事務スタッフを配置しました。 さまざまな業務改善によって事務スタッフに時間的な余裕が生まれた結果、ベッドメイキングや物品補充、入院案内といった「看護師の補助業務」まで事務が引き受ける体制が構築されました。
一連の改善により、事務スタッフの負担が減っただけでなく、医師や看護師の業務効率も劇的に向上しました。
データにも明確な変化が表れており、入院件数などの受け入れ数が増加しているにもかかわらず、ERでの「平均滞在時間」は短縮傾向に転じています。 患者の数が増えてもスタック(停滞)しないERへと生まれ変わりました。
医療職と事務職が「ワンチーム」となり、お互いの業務を理解し合うことが重要です。 岡崎医療センターの事例は、ちょっとした動線の見直しや情報共有の工夫(モニター設置など)といった「事務的なアプローチ」が、医療現場全体を救う大きな力になることを示しています。
登壇者紹介
藤田医科大学 岡崎医療センター 助教 瀬川悠史 先生
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ



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