更新日:
2026/5/26

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こちらは2026年4月28日配信されたセミナーレポートをベースに内容を一部編集させて頂いた記事です。
2024年の「医師の働き方改革」以降、救急搬送の「受け入れ困難事案」や救急部門の縮小が全国的な課題となっている。
都市部と地方では救急医療の課題構造が異なり、特に「専門性への過度な固執」がたらい回しや不採算化の温床になり得る。
セミナー独自の解決アプローチとして、専門外でもカバーし合える「チーム医療体制」や、柔軟なシフトによる「多様な人材の活用」を提示。
動画本編では、救急を病院の強みに変えるための具体的な院内連携のステップや実践事例を公開。
患者のたらい回し、少数の医師への過重な負担、そして救急部門の赤字化…。急性期病院の院長や事務長にとって、救急医療体制の維持・改善は最も頭を悩ませる経営課題の一つです。さらに、働き方改革が本格化する中で、これまでのような「現場の使命感」だけに頼る属人的なマネジメントでは、いずれ医療崩壊を招きかねません。
本記事では、東海大学医学部救命救急医学教授の守田誠司先生をお招きしたセミナー「歴史から紐解く、都市/地方 救急のあるべき姿 〜不採算部門にしない救急組織の作り方〜」の内容を元に、持続可能な救急組織づくりのヒントを解説します。
結論:医師の時間外労働規制に伴い、救急受け入れ体制の縮小や「たらい回し」のリスクが顕在化していることです。
2024年4月より適用された「医師の働き方改革(時間外労働の上限規制)」により、医療現場の労働環境は大きな転換期を迎えました。勤務医の健康を守る上で不可欠な施策である一方、公益社団法人全日本病院協会などの調査によれば、地域の医療提供体制への影響として「救急医療体制の縮小・撤退」を懸念する声が約7割に上るというデータも示されています。
さらに、総務省消防庁のデータ等でも見られるように、救急搬送における「受け入れ困難事案」は増加傾向にあります。人員不足や当直体制の限界により、これまで通りの救急応需率を維持することが難しくなっている中、病院経営の観点からも、救急部門の生産性向上と組織の再構築が急務となっています。
結論:「断らない救急」を実践することで、その後の外来・入院収益への波及効果が生まれ、地域における圧倒的なブランディングに直結するからです。
救急部門は、24時間365日の人員配置や設備投資による固定費がかかるため、単体で見れば「不採算部門」と見なされがちです。しかし、セミナー内で守田先生も言及しているように、救急を地域のインフラとして機能させることは、病院全体の経営において極めて重要です。
救急患者を適切に受け入れることは、その後の入院治療へのスムーズな移行(病床稼働率の向上)や、外来への定着をもたらします。日本の救急医療の歴史を振り返ると、昭和30年代以前は「具合が悪い人がいれば診る」のが医師として当たり前の姿でした。現代においても、「あの病院に行けば必ず診てもらえる」という地域住民や救急隊からの信頼感(ブランド力)を獲得することは、長期的に病院経営を安定させる最大の投資となります。
結論:医師の「専門性」への過度な固執を放置し、経営層のリーダーシップが不在のまま組織が縦割り化してしまうことです。
多くの病院が陥る失敗の典型例が、「自分の専門外だから診られない」「満床だから受け入れられない」という理由での過度な受け入れ拒否です。守田先生の指摘によれば、実は都市部ほど医師や病院の数が多いにもかかわらず、専門が細分化されているがゆえに「たらい回し」が起きやすい傾向にあります。
一方で地方の病院は、「自分が診ないと地域医療が終わる」という強い使命感で成り立っていることが多いものの、特定の医師の自己犠牲に依存する体制はすぐに限界(バーンアウト)を迎えます。経営トップが「当院は救急を断らない」という明確な方針(旗振り)を示さず、現場の各診療科に受け入れ判断を丸投げしていると、救急部門はあっという間に機能不全に陥ります。
結論:専門外の初期対応をカバーし合える「チーム医療の土壌づくり」と、柔軟な働き方を許容する「マネジメントの変革」です。
属人的な使命感に依存するのではなく、組織的なバックアップ体制を作ることが成功の鍵です。たとえば、若手医師や専門外の当直医が対応に迷った際、すぐに専門医に相談・フォローを仰げる仕組み(院内メディカルコントロール体制)を構築すれば、受け入れの精神的ハードルは劇的に下がります。
また、女性医師や短時間勤務を希望する医師を排除するのではなく、シフト制などを活用して「チームの戦力」としてうまく巻き込むマネジメントも不可欠です。ドクターズプライムワークでもこうした組織構築の支援を行っていますが、まずは「専門外を診ることを恐れない」ための院内文化の醸成が必要です。
では、実際にどのようにして専門外の受け入れに対する医師の抵抗感をなくし、具体的なバックアップ体制を構築すればよいのでしょうか?
救急部門を「不採算の重荷」から「病院経営の柱」へと変革するためには、歴史的な背景を理解した上で、これまでの当たり前を疑い、トップダウンで組織全体を巻き込む必要があります。
より具体的な実践ステップや、他院がどのようにして救急応需率を向上させ、働き方改革と両立させたのか(Before/After)の詳細は、以下のセミナー見逃し配信ページで全編公開しています。自院の救急体制に課題を感じている院長・事務長様は、ぜひ今後の病院経営にお役立てください。
登壇者紹介
守田 誠司先生
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ



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