更新日:
2026/7/10

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本記事では、Dr.'s Prime Workがお送りする「他院から学ぶシリーズ」より、湘南鎌倉総合病院の副院長であり救命救急センター長を務める山上浩先生のお話をご紹介します。
テーマは「湘南鎌倉救急部門を支える組織づくり〜教育と業務オペレーションで実現する断らなくていい救急〜」です。
湘南鎌倉総合病院は、「断らない救急」を実践していることで全国的にも有名な病院です。救急搬送件数は年間約18,000件、ウォークインの患者さんを含めると年間約5万人にのぼり、そのほぼすべてを救急医が初療で対応しています。新生児から超高齢者まで、外傷も内因性疾患も、24時間365日体制で受け入れています。
山上先生は、単に気合いで「断らない」のではなく、医師が自信を持って無理なく受け入れられる「断らなくていい救急」を目指すことが重要だと語ります。
「断らなくていい」状態を作るための第一歩は、医師のスキルアップです。湘南鎌倉総合病院では、救急医が幅広い疾患に対応できるよう、充実した教育カリキュラムを用意しています。
他科ローテーションの導入: 救急のプログラムのうち、約半分を他科(眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、小児科、産婦人科など)のローテーションに充てています。例えば眼科であれば、目標を持って眼科医のもとで全眼部の観察などを学びます。
小児科研修の強化: 小児救急に苦手意識を持つ医師も少なくないため、2ヶ月間どっぷりと小児科専門医のもとで子どもを診る経験を積みます。
これらの教育により、医師が自信を持って多様な患者さんを診療できる体制を整えています。
現場が疲弊しない組織を作るため、業務オペレーションにも様々な工夫が凝らされています。
3交代制と柔軟なシフト: 2013年から完全3交代制(1シフト8〜9時間勤務)を導入し、長時間労働による疲労や集中力の低下を防いでいます。一方で、スタッフの数や個人の希望に合わせて、2交代制や24時間勤務も選択できる柔軟性も持たせています。
安全文化の醸成と情報共有: 医療安全を担保するため、エラーやインシデントに関する報告をメーリングリストで部署全体に共有しています。「誰が担当しても同じミスが起きないようにするにはどうすべきか」をM&M(Morbidity and Mortality)カンファレンスなどで定期的に話し合い、心理的ハードルを下げて報告しやすい文化を根付かせています。
湘南鎌倉総合病院の「断らなくていい救急」は、個人の努力や根性論ではなく、徹底した教育プログラムと、スタッフの働きやすさ・医療安全を守る業務オペレーションによって支えられています。救急部門の組織づくりにおいて、非常に参考になる取り組みです。
登壇者紹介
湘南鎌倉総合病院 副院長 救命救急センター長 山上浩先生
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ



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