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入院中の「面会制限」撤廃が現場に与える影響とは?令和8年改定に向けた医師の負担軽減と救急・病棟業務の切り分け戦略

    入院中の「面会制限」撤廃が現場に与える影響とは?令和8年改定に向けた医師の負担軽減と救急・病棟業務の切り分け戦略

    更新日:

    2026/4/17

    入院中の「面会制限」撤廃が現場に与える影響とは?令和8年改定に向けた医師の負担軽減と救急・病棟業務の切り分け戦略|メソッド

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    ※今回の記事は厚生労働省が発表している令和8年度診療報酬改定 6.入院(共通事項)から一部を抜粋し編集した記事となっています。

    面会制限を取り巻く現状の課題

    新型コロナウイルス対応などを契機に強化された感染症対策の名残や、現場スタッフの業務ひっぱくを背景として、現在も救急・急性期入院におけるご家族の面会を制限、あるいは面会時間を極端に短く設定している病院は少なくありません。院内感染リスクを低減し、限られた人的リソースで医療の質を維持するためには、やむを得ない措置として継続されてきた側面があります。

    しかし、長引く制限によって患者さんとご家族の不安が増大し、円滑なコミュニケーションや退院後の生活に向けた支援(退院支援)に支障をきたすケースも報告されるようになっています。

    令和8年度改定の要点:「面会制限」に関する新規定

    こうした現場の状況を受け、国の制度にも大きな動きがありました。結論から申し上げますと、令和8年度診療報酬改定の入院基本料等の通則において、「正当な理由なく入院中の患者に対する家族等による面会を妨げないよう」求める規定が新たに設けられました。

    厚生労働省の資料によると、具体的な施設基準等の通則として以下のように示されています。

    「入院中の患者への家族等による面会については、感染対策等の正当な理由なく面会を妨げないよう、面会に係る規定を策定する等の配慮をすることが望ましい」

    令和8年度診療報酬改定の資料。「入院基本料等の通則の見直し」として3点を記載。  入院期間が2日以内と見込まれる場合、入院診療計画の文書交付や署名を不要とし、診療録への記載で可とする緩和策。  身体的拘束最小化の基準を「体制に係る基準(R6改定分)」と、新設の「実績等に係る基準(R8新設)」に分類。両方満たせば減算なし、実績のみ満たさない場合は20点減算、体制を満たさない場合は40点減算となる表を掲載。  正当な理由なく家族等の面会を妨げないよう、面会に関する規定を策定することを求める施設基準の新設。

    出典:令和8年度診療報酬改定 6.入院(共通事項)

    この規定は、入退院支援加算や特定入院料の施設基準等においても同様に適用されます。

    つまり、感染症の流行期など明確な理由がない限り、病院側の一方的な都合による面会制限は認められなくなります。今後は、安全を確保しつつ面会機会を提供するための院内ルールの再構築が必要となります。

    📌 編集部ピックアップ

    ある首都圏の2次救急病院では、副院長着任を機に救急専門医によるファーストタッチ担当医制度を導入し、救急車受け入れ台数が2年で約1.9倍に増加しました。院長は「1人専任のファーストタッチ担当を置くのがかなり再現性が高い」と語ります。救急と病棟業務の明確な役割分担が、受け入れ拡大の鍵となった事例です。

    面会緩和が現場に与える影響と新たな課題

    患者さんやご家族にとって望ましい面会緩和ですが、医療現場のオペレーションには少なからず影響を与えます。面会制限が緩和され、ご家族が病棟を訪れる時間が増加すると、次のような事象が発生しやすくなります。

    • ご家族からの急な病状説明(IC:インフォームド・コンセント)の要求

    • ナースステーションへの各種問い合わせや、面会時の付き添い業務の増加

    平時より多忙を極める救急・病棟担当医にとって、予期せぬタイミングでのご家族対応はスケジュールを乱す要因となり得ます。結果として、病棟業務や救急対応の合間を縫って説明を行うことになり、担当医の業務がさらに圧迫されます。本格化している「医師の働き方改革」に逆行する形での時間外労働の増加を招く懸念があり、現場スタッフの疲弊を加速させかねません。

    📌 編集部ピックアップ

    ある中部地方の救急病院では、受け入れ台数が増加した際に退職代行が多発し、組織崩壊の危機に直面しました。その経験から「人を増やす前にそもそも効率的に動いているか考え直す」という視点で部門横断的な業務改善に着手。10〜20秒単位の改善を積み重ねた結果、入院数が10%増加しながらもスタッフの満足度が向上したといいます。

    病院経営層が取るべき具体的なアクション:救急と病棟の「分業化」

    ご家族との面会やコミュニケーションの時間を十分に確保しつつ、医師の労働環境を守るためには、どのような対策が有効でしょうか。経営層や救急責任者の皆様に明日からの具体的なアクションとしてご検討いただきたいのが、「救急外来(ER)」と「病棟」の業務分業化です。

    常勤医が救急車の受け入れと病棟管理(ご家族対応を含む)を兼務している状態では、負担の軽減は困難です。そこで、救急外来の初期対応を外部の信頼できる医師に任せ、常勤医を病棟業務に専念させる体制づくりが急務となります。

    📌 編集部ピックアップ

    ある関東の2次救急病院では、常勤医の高齢化で応需率が60%台に停滞していましたが、外部の若手救急専門医を輪番日に導入することで応需率が90%以上に改善し、病床稼働率も約9割に安定しました。看護部長は「救急車が7、8台並ぶ状況もありますが、1人でスムーズに対応していただけるため、安心して業務をお任せできています」と評価しています。

    この体制構築において有効な選択肢となるのが、「ドクターズプライムワーク」の活用です。

    • 独自の評価システムをクリアした、スキルと対応力に優れた優秀な医師を救急外来に配置できます。

    • 救急車の初期対応や当直帯のER業務を確実にお任せいただくことで、常勤医は急な呼び出しに悩まされることなく、病棟の患者さんやご家族への対応に十分な時間を割くことが可能になります。

    このように業務を明確に切り分けることで、面会時の丁寧なコミュニケーションによる「患者・家族の満足度向上」と、常勤医の負担軽減による「労働環境改善」を同時に実現する仕組みを整えることができます。

    おわりに:持続可能な医療提供体制の構築に向けて

    令和8年度改定に向けた面会制限の緩和は、患者さんを中心とした医療を再構築する大切な契機です。制度改正に適切に対応しながら現場の混乱を防ぐためには、医師の働き方を根本から見直し、適材適所の業務分担を進めることが不可欠です。病院経営者、事務長の皆様におかれましては、ぜひドクターズプライムのソリューションを活用した救急・病棟の切り分け戦略を視野に入れ、持続可能な医療提供体制の構築を進めてみてはいかがでしょうか。

    執筆・編集・監修

    執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
    「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

    監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
    聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

    参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

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