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医局の本音と、派遣が続く病院の条件〜高度救命救急センター長が語る二次救急との共存戦略〜

医局の本音と、派遣が続く病院の条件〜高度救命救急センター長が語る二次救急との共存戦略〜

更新日:

2026/6/22

医局の本音と、派遣が続く病院の条件〜高度救命救急センター長が語る二次救急との共存戦略〜|メソッド

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エグゼクティブサマリー

  • 救急需要の構造的変化:救急搬送件数は過去最多を更新し、全体の約6割を高齢者が占める一方、医師の働き方改革により「大学からの派遣引き上げ」リスクが急増しています。

  • セミナーの独自アプローチ:日本医科大学の横堀將司教授が語る、三次救急(大学医局)と二次救急病院の中長期的な「共存」を目指すための必須条件(労務管理・待遇・教育的価値)を解説します。

  • 見逃し配信で得られるノウハウ:医局長や教授と構築すべき「具体的なコミュニケーションの頻度と内容」、派遣医師のモチベーションを引き出す受け入れ体制の詳細が動画で確認できます。

「医師の働き方改革が本格化し、大学医局から派遣医師を引き上げられてしまったら、当院の救急はどうなってしまうのか……」 このような不安を抱える急性期病院の院長や事務長の方も多いのではないでしょうか。地域の救急医療の要である二次救急病院にとって、医師の安定的な確保は経営と地域貢献の両面で死活問題です。

本記事では、ドクターズプライムワークが開催したセミナーから、日本医科大学 大学院医学研究科 救急医学分野 教授であり、同付属病院 高度救命救急センター長を務める横堀 將司先生のお話をもとに、医局と二次救急が中長期的に良好な関係を築くためのヒントを解説します。

深刻化する「医師の引き上げ」と「高齢者の救急搬送増」とは?

結論:医師の働き方改革に伴う労務管理の厳格化により、大学病院からの医師派遣の維持が難しくなる一方で、軽症・中等症の高齢患者を中心とした救急需要は過去最高を更新し続けています。

総務省消防庁のデータによると、全国の救急自動車による出動件数および搬送人員数は年々増加傾向にあり、2024年には過去最高を記録しました。そのうち約6割以上を65歳以上の高齢者が占めており、特に日常生活における転倒などの軽症〜中等症の急病・ケガによる搬送が増加しています。これにより、地域の二次救急病院の負担と重要性はかつてないほど高まっています。

一方で、医療現場を悩ませているのが2024年4月から施行された「医師の働き方改革」です。すべての勤務医に対して時間外労働の上限規制(原則としてA水準で年間960時間以下、B・C水準で年間1,860時間以下)が適用されました。 この法改正により、派遣元である大学病院は、自院だけでなく「派遣先の二次救急病院」での労働時間も合算して管理する義務を負いました。厚生労働省の調査などでも、働き方改革に伴う医師の引き揚げにより診療体制の縮小を見込む医療機関が多数報告されています。「患者は増え続けるが、医師の確保は難しくなる」という板挟みの状況が、現在の二次救急病院の直面する最大の課題です。

医局との「共存関係」に取り組むメリットは?

結論:三次救急(大学医局)と二次救急がシームレスに連携することで、地域の救急患者を適切に受け入れつつ、若手医師にとって魅力的な臨床・教育の場を創出できます。

横堀先生が率いる日本医科大学の高度救命救急センターでは、初療から手術、集中治療、リハビリテーションまでを一貫して担う「自己完結型救急」を実践しています。その上で、三次救急だけではカバーしきれない地域医療の課題を解決するため、二次救急との連携(共存)を非常に重要視しています。

一般的に、三次救急の現場は重症患者の対応に特化するため、そこへ搬送されてきた「重症ではないが、かかりつけ医がない高齢者」などを二次救急へ転院搬送(下り搬送)できるルートの確保が必要です。 逆に、二次救急病院は大学病院に比べて、プライマリケアや多彩な基礎疾患を持つ高齢者対応など、幅広い臨床経験を積むことができます。医局側にとっても、二次救急へ若手医師を派遣することは「大学では経験しにくい地域医療の実践」という大きな教育的メリットがあるのです。双方がこのメリットを理解し合うことが、強固なリレーションシップの基盤となります。

院長・事務長が陥りやすい「派遣先」としての失敗例とは?

結論:「昔からの付き合いだから」と不透明な労務管理のまま医師を受け入れたり、大学側とのコミュニケーションを怠ったりすることです。

働き方改革以降、派遣元の医局が最も懸念しているのは「派遣先での勤務実態(労務・過重労働の有無)」が正確に把握できないことです。 二次救急病院側が、宿日直許可の取得状況をあやふやにしていたり、労働時間管理の仕組みが整っていなかったりすると、医局としてはコンプライアンスの観点から「医師を引き上げざるを得ない」状況に陥ります。

また、派遣される医師に対する適切な待遇(給与などの対価)が市場感とズレているケースや、病院側が「派遣してもらって当たり前」というスタンスで、医局の教授や事務局との定期的な情報共有を行わないケースも、関係悪化の典型的な失敗例と言えます。

医局に選ばれ、共存を成功させるためのポイントは?

結論:透明性の高い労務管理・待遇を大前提とし、医師にとって「三次救急では得られない独自の価値(教育や経験)」を提供できる環境を整えることです。

大学医局から選ばれ続ける二次救急病院になるためには、単に「給料を支払っているから」という関係性を超えなければなりません。 横堀先生も指摘するように、派遣された医師が「素晴らしい経験をさせてもらった」「チーム医療のマネジメントを学べた」と感じられる環境づくりが不可欠です。派遣先での充実した経験が医局内にフィードバックされることで、「あそこの病院なら安心して若手を派遣できる」という信頼に繋がります。

では、具体的に「医局長や教授に対して、どのような頻度で、どのような数値を報告すれば信頼を獲得できるのか?」「派遣された医師のモチベーションを高め、定着に繋げるための受け入れ体制(オンボーディング)とは何か?」

その詳細なアプローチや、横堀先生が実際に派遣先の二次救急病院と行っている「四半期に一度のコミュニケーション術」については、セミナー本編の動画で詳しく解説しています。

まとめ・見逃し配信への誘導

救急患者の高齢化と働き方改革という大きな荒波を乗り越えるためには、大学医局と二次救急病院が互いの強みを活かした「共存戦略」を描くことが不可欠です。自院の労務管理を見直し、医師にとって価値のある臨床現場を提供することが、地域医療を守る第一歩となります。

「自院の救急応需率を改善したい」「医局との関係性を再構築し、安定的な医師採用を目指したい」とお考えの院長・事務長様へ。 より具体的な実践ステップや、大学医局の本音、他院の成功事例の詳細は、以下のセミナー見逃し配信ページで全編公開しています。ぜひご覧いただき、貴院の組織マネジメントにお役立てください。

登壇者紹介

横堀 將司先生

執筆・編集・監修

執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

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