ホーム
keyboard_arrow_rightメソッドkeyboard_arrow_right

【2026年度改定】救急搬送医学管理料・夜間休日救急医学管理料の点数・算定要件を実務解説

【2026年度改定】救急搬送医学管理料・夜間休日救急医学管理料の点数・算定要件を実務解説

更新日:

2026/9/15

【2026年度改定】救急搬送医学管理料・夜間休日救急医学管理料の点数・算定要件を実務解説   |メソッド

※本記事は、当社が提供する救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を通じて、2025年12月末時点までに100病院超・累計救急受入患者数16万人超の救急体制改善を支援してきた現場知見と、厚生労働省の一次情報(医科点数表 A205「救急医療管理加算」/別表第七の三、令和8年厚生労働省告示および令和8年3月公示の令和8年度診療報酬改定関連資料)をもとに作成しています。

【30秒サマリー】

2026年度(令和8年度)改定で救急外来を評価するのは、「救急搬送医学管理料」と「夜間休日救急医学管理料」です。救急搬送医学管理料は搬送された患者を評価し1/2/3=800/600/200点、夜間休日救急医学管理料は時間外・休日・深夜に救急外来を受診した患者(搬送を除く)を評価し1/2/3=600/400/50点。これまで夜間・休日の搬送だけを評価していた旧「夜間休日救急搬送医学管理料」から再編され、評価の対象が広がりました。あわせて院内トリアージは「実施料300点(患者ごと)」から「実施体制加算50点(体制評価)」へ、看護必要度には「救急搬送応需係数」が導入され、救急の受入実績が入院料に直結する設計です。本体(点数・施設基準)の施行は令和8年6月、4月施行は薬価のみ。なお、検索でよく使われる「救急外来医学管理料」はこれらを指す通称で、正式な項目名は上記の2つです。入院側の「救急医療管理加算(A205)」の詳細は別記事で解説します。

「救急を断らない体制をつくりたいが、当直の人手も収益も限界がある」。多くの病院が抱えるこの悩みは、2026年度改定でさらに切実になります。本記事は、救急外来の請求・算定を担う事務長・医事課の視点で、救急搬送医学管理料・夜間休日救急医学管理料の点数と算定要件、施設基準を実務レベルで整理します。

「救急外来医学管理料」とは?まず正式名称と3つの評価を整理する

「救急外来医学管理料」「救急医療管理"料"」という名称で検索されることが多いのですが、令和8年度改定で救急外来を評価する正式な項目名は「救急搬送医学管理料」と「夜間休日救急医学管理料」の2つです。混同しやすい評価を先に整理します。

正式名称

対象場面

点数

救急搬送医学管理料 1/2/3

救急搬送された患者

800点/600点/200点

夜間休日救急医学管理料 1/2/3

時間外・休日・深夜に救急外来を受診した患者(搬送を除く)

600点/400点/50点

救急搬送応需係数(通称:救急患者応需係数)

看護必要度の該当割合

病床当たり年間搬送件数×0.005(上限あり)を該当割合に上乗せ

救急医療管理加算(A205)

緊急入院した重症患者

入院日から7日加算(加算1=1,050点/加算2=420点)※詳細は入院側の別記事へ

外来(救急搬送医学管理料・夜間休日救急医学管理料)・看護必要度(応需係数)・入院(加算)は別々の評価です。本記事では外来側の2つを中心に扱います。

救急搬送医学管理料・夜間休日救急医学管理料の点数・算定要件

外来側の評価は、患者が「救急搬送されたか」「時間外・休日・深夜に自院を受診したか」で分かれます。

  • 救急搬送医学管理料 1/2/3:800点/600点/200点(救急用の自動車等により緊急に搬送された患者)

  • 夜間休日救急医学管理料 1/2/3:600点/400点/50点(時間外・休日・深夜において救急外来を受診した患者。搬送患者を除く)

従来、夜間・休日の救急搬送だけが旧「夜間休日救急搬送医学管理料(600点)」で評価されていましたが、再編により搬送・非搬送を問わず、時間外・休日・深夜の救急外来受診まで評価対象が広がりました。これまで点数化されていなかった救急外来の負荷が収益として捉えられるようになった点が実務上の要点です。施設基準としては、救急外来の診療経験を持つ医師(経験5年以上の医師2名等)の配置などが求められます。

夜間休日救急搬送医学管理料から何がどう変わったか

外来評価の再編を、旧制度との対比で整理します。

項目

〜2024年度

2026年度〜

外来の救急評価

夜間休日救急搬送医学管理料 600点(夜間・休日の搬送のみ)

救急搬送医学管理料(搬送)と夜間休日救急医学管理料(時間外・休日・深夜の受診)に再編し、評価対象を拡大

院内トリアージ

院内トリアージ実施料 300点(患者ごと)

廃止し、院内トリアージ実施体制加算 50点(体制を評価)

看護必要度

該当患者割合

該当患者割合+救急搬送応需係数=割合指数

急性期入院料

急性期一般入院料1(1,874点)等

病院全体の機能に着目した急性期病院一般入院基本料A・Bを新設

「患者ごとに算定する」方式から「体制・実績を評価する」方式へ重心が移ったことが、外来評価の再編の本質です。

「救急医療管理加算」との違い(入院側は別評価)

外来の医学管理料としばしば混同されるのが、入院側の「救急医療管理加算(A205)」です。これは緊急に入院が必要な重症患者を受け入れた場合に、入院日から7日を限度に加算される入院側の評価で、2024年度に導入された水準(加算1=1,050点/加算2=420点)が継続運用されます。直近6か月で「状態13(その他の重症な状態)」の割合が5割以上の医療機関は加算2が210点へ半減します。

医学管理料(外来)と救急医療管理加算(入院)は評価の場面も算定要件も異なります。救急医療管理加算の算定要件・加算1と加算2の違い・半減ルールの詳細は、救急医療管理加算とは?算定要件・加算1と加算2の違い・経営インパクトを徹底解説【2026年度改定対応】 で解説しています。本記事では外来側の医学管理料に絞って整理します。

なぜ「救急を受けても算定が伸びない」のか

救急外来の医学管理料も入院側の加算も、受入"件数"だけでは算定が伸びません。現場では次の3つが算定を伸び悩ませます。

  • 救急を受け入れても、施設基準や算定要件(重症度・状態区分・入院)を満たせず算定件数が伸びない

  • 状態13に依存した算定構造だと、入院側で半減ペナルティの直撃を受ける(年間で大きな減収リスク)

  • 救急要請の母数が小さいままだと、応需率を引き上げても差し引きで採算が合わないことがある

「断らない救急」を掲げるだけでは不十分で、受け入れた患者を算定要件に乗せる運用設計が伴って初めて収益化します。

救急の受入実績は病院経営にどう跳ねるのか

2026年度改定の核心は、救急の受入実績が看護必要度を通じて入院料そのものに連動する点にあります。重症度、医療・看護必要度は、従来の該当患者割合に救急搬送応需係数を加えた「割合指数」で評価される仕組みに見直されました。

応需係数は「病床当たり年間救急搬送受入件数×0.005(上限あり)」で算出されます。例えば100床で年間1,000件の搬送を受け入れる病棟では、10件/床/年×0.005=5%が該当割合に上乗せされる計算です。救急を断らない病院ほど看護必要度をクリアしやすく、新設の急性期病院A一般入院料(1,930点・救急搬送年2,000件以上〈うち夜間時間帯の受入1割以上〉かつ全身麻酔手術年1,200件以上)やB一般入院料(1,643点)といった上位料を維持しやすくなります。

病院タイプ

影響

理由

救急搬送が多い急性期病院

応需係数で看護必要度をクリアしやすく、上位入院料を維持

夜間・時間外外来体制が強い病院

救急搬送医学管理料・夜間休日救急医学管理料で従来未評価だった負荷が点数化

当直1名依存・体制が薄い病院

施設基準(救急外来経験5年以上の医師2名等)を満たせない

応需率が低い病院

件数要件・応需係数で不利になり、入院料引下げ(減収)の懸念

病院経営者・事務部門は何から手をつけるべきか

抽象論ではなく、自院で次の4点を確認することから始まります。

  • 不応需の理由を「施設要因(専門外・設備)」と「運用要因(基準なし・属人化)」に切り分けているか

  • 受け入れた患者が算定要件(重症度・状態区分・入院、外来の医学管理料要件)に乗る設計になっているか

  • 応需率・入院率・救急要請数を月次でモニタリングしているか

  • 救急実績がどの医学管理料・加算・係数・施設基準に効くかを経営側で把握しているか

特に年間1,000台規模・医師少数の中小病院では、常勤医だけで件数を積み増すのは現実的ではありません。受入基準の可視化と、救急に前向きな外部医師の活用を組み合わせ、無理なく応需率と入院の質を高める設計が有効です。

まとめ:外来評価の再編を、算定設計で収益に変える

2026年度改定が突きつけたメッセージは明確です。第一に、救急外来の負荷は「救急搬送医学管理料」「夜間休日救急医学管理料」として点数化され、時間外・休日・深夜の救急外来受診まで評価対象になりました。第二に、救急の受入実績は救急搬送応需係数を通じて看護必要度・急性期一般A/Bに連動し、経営に直結します。第三に、本体の施行は令和8年6月であり、準備に残された時間は長くありません。受入実績と算定設計を両輪で整える病院だけが、この改定を収益機会に変えられます。

まずは自院の応需率と不応需理由、そして外来・入院の算定状況を可視化するところから着手してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

Q. 「救急医療管理料」「救急外来医学管理料」という項目はありますか? A. これらの正式な項目名は存在しません。令和8年度改定で救急外来を評価する正式名称は「救急搬送医学管理料」(搬送患者、1/2/3=800/600/200点)と「夜間休日救急医学管理料」(時間外・休日・深夜の受診、1/2/3=600/400/50点)です。検索で使われる「救急外来医学管理料」はこれらを指す通称です。入院側の「救急医療管理加算(A205)」は名称も評価場面も異なります。

Q. 旧・夜間休日救急搬送医学管理料と何が違いますか? A. 旧制度は夜間・休日の搬送のみ(600点)を評価していましたが、救急搬送医学管理料・夜間休日救急医学管理料への再編により、時間外・休日・深夜の救急外来受診(搬送・非搬送)まで評価対象が広がりました。

Q. 救急搬送応需係数とは何ですか? A. 重症度、医療・看護必要度の該当患者割合に加算される指数です。病床当たり年間救急搬送受入件数×0.005(上限あり)で算出され、救急を断らない病院ほど看護必要度をクリアしやすくなります。

Q. 2026年度改定はいつ施行ですか? A. 本体(点数・施設基準)の施行は令和8年6月です。4月施行は薬価のみで、本体改定は4月ではありません。

Q. 救急医療管理加算(入院側)の詳細はどこで確認できますか? A. 加算1=1,050点/加算2=420点、状態13が5割以上での半減ルールなどの詳細は、入院側の解説記事「救急医療管理加算とは?算定要件・加算1と加算2の違い・経営インパクトを徹底解説」で整理しています。

関連記事

参照元

この記事を

X(エックス)ロゴ

でシェアする

医療機関向け支援実績・事例集のPDFダウンロード。業界・支援内容別の成功事例まとめ。

これまでの支援実績・事例を
業界・支援内容別にご覧いただけます。

導入事例集ダウンロードfile_download

執筆・編集・監修

執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

おすすめメソッド記事

新・地域医療構想と医師確保|外科・麻酔の集約と医師派遣の再配分が「機能選択」を左右する|メソッド
    • 病院経営収益化
    • 救急応需率向上
    • 医師採用定着
    • 医師働き方改革
    • 当直夜間救急

    2026/7/29

    新・地域医療構想と医師確保|外科・麻酔の集約と医師派遣の再配分が「機能選択」を左右する

    看護必要度の経過措置は9月30日まで──10月からの新基準を「救急患者応需係数」で越える実務|メソッド
      • 当直夜間救急
      • 診療報酬
      • 救急応需率向上

      2026/7/29

      看護必要度の経過措置は9月30日まで──10月からの新基準を「救急患者応需係数」で越える実務

      「骨太方針2026」病院経営への影響を救急視点で解説─病床適正化・再編・診療報酬”加減算”の3論点【2026年7月版】|メソッド
        • 病院経営収益化
        • 診療報酬
        • 救急応需率向上
        • オペレーション改善

        2026/7/13

        「骨太方針2026」病院経営への影響を救急視点で解説─病床適正化・再編・診療報酬”加減算”の3論点【2026年7月版】

        メソッド記事をもっと見る