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救急医療管理加算は2026改定でどう変わる?算定要件と経営インパクト

救急医療管理加算は2026改定でどう変わる?算定要件と経営インパクト

更新日:

2026/5/29

救急医療管理加算は2026改定でどう変わる?算定要件と経営インパクト   |メソッド

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※本記事は、当社が提供する救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を通じて、2025年12月末時点までに100病院超・累計救急受入患者数16万人超の救急体制改善を支援してきた現場知見と、厚生労働省の一次情報(医科点数表 A205「救急医療管理加算」/別表第七の三、令和8年厚生労働省告示および令和8年3月公示の令和8年度診療報酬改定関連資料)をもとに作成しています。

【3行でわかる結論】

  • 検索される「救急医療管理"料"」は正式名称ではなく、救急医療管理"加算"(A205)。加算1=1,050点/加算2=420点(入院日から7日)。状態13が直近6か月で5割以上だと加算2は210点に半減します。

  • 2026年度改定の主役は、外来側の「救急外来医学管理料」新設と、看護必要度の「救急搬送応需係数」導入。救急の受入実績が病院経営に直結する設計へと変わりました。

  • 本体(点数・施設基準)の施行は令和8年6月1日。4月施行は薬価のみです。

「救急車を断らない体制をつくりたいが、当直の人手も収益も限界がある」。多くの病院経営層が抱えるこの悩みは、2026年度(令和8年度)診療報酬改定でさらに切実になります。
本記事の主張はシンプルです。救急医療管理加算は「受ければ取れる」ものではなく、受入実績と算定設計のある病院だけが収益を伸ばす仕組みへと変わりました。この記事を読めば、何がどう変わり、自院の経営に何が起きるかが整理できます。

救急医療管理加算(A205)とは

救急医療管理加算(A205)とは、入院可能な診療応需態勢を確保する医療機関が、緊急に入院が必要な重症患者を受け入れた場合に、入院日から起算して7日を限度に加算される評価です([出典:厚生労働省 医科点数表 A205 救急医療管理加算(令和8年告示第69号)])。まず混同しやすい3つの評価を整理します。

区分

対象

場面

評価の性格・点数

救急医療管理加算(A205)

緊急入院した重症患者

入院

入院日から7日加算(加算1=1,050点/加算2=420点)

救急外来医学管理料(新設)

救急外来の受診患者

外来

搬送=800/600/200点、ウォークイン=600/400/50点

救急搬送応需係数(通称:救急患者応需係数)

看護必要度の該当割合

指数

該当割合に加算(病床当たり年間搬送件数×0.005、上限1割)

2026年度改定で救急医療管理加算は何が変わったのか?

結論として、入院側の救急医療管理加算そのものは2024年度に導入された厳格化が維持され、変化の主役は外来評価と看護必要度に移りました。

項目

〜2024年度

2026年度〜

外来の救急評価

夜間休日救急搬送医学管理料 600点(夜間・休日の搬送のみ)

救急外来医学管理料に再編。平日日中の搬送も時間外ウォークインも評価

院内トリアージ

院内トリアージ実施料 300点(患者ごと)

廃止し、院内トリアージ実施体制加算 50点(体制を評価)

看護必要度

該当患者割合

該当患者割合+救急搬送応需係数=割合指数

急性期入院料

急性期一般入院料1(1,874点)等

病院全体の機能に着目した急性期病院一般入院基本料A・Bを新設

救急医療管理加算2

状態13が5割以上で半減(2024導入)

継続運用(厳格化を維持)

救急医療管理加算は、別表第七の三に定める状態(1〜12の具体的な重症状態と、13「その他の重症な状態」)に該当する患者が対象です。注意すべきは半減ルールです。直近6か月で状態13の割合が5割以上の医療機関は、加算2が420点から210点へ半減します([出典:厚生労働省 医科点数表・基本診療料施設基準 令和8年告示])。なお、看護必要度の係数は厚生労働省の表記では「救急搬送応需係数」で、解説等では「救急患者応需係数」とも呼ばれます。

なぜ「救急を受けても算定が伸びない」のか?

ここが多くの病院で見落とされる構造です。救急医療管理加算は受入"件数"ではなく、入院した患者の"状態区分"で決まります。現場では次の3つが算定を伸び悩ませます。

  • 救急車を受け入れても、入院患者の重症度が要件を満たさず、加算の算定件数が伸びない

  • 状態13に依存した算定構造になっていると、半減ペナルティの直撃を受ける(年間で大きな減収リスク)

  • 救急要請の母数が小さいままだと、応需率を引き上げても差し引きで採算が合わないことがある

つまり「断らない救急」を掲げるだけでは不十分で、受け入れた患者を算定要件に乗せる運用設計が伴って初めて収益化します。

救急の受入実績は病院経営にどう跳ねるのか?

2026年度改定の核心は、救急の受入実績が看護必要度を通じて入院料そのものに連動する点にあります。重症度、医療・看護必要度は、従来の該当患者割合に救急搬送応需係数を加えた「割合指数」で評価される仕組みに見直されました([出典:厚生労働省『令和8年度診療報酬改定について(全体概要版)』])。

応需係数は「病床当たり年間救急搬送受入件数×0.005(上限1割)」で算出されます。例えば100床で年間1,000件の搬送を受け入れる病棟では、10件/床/年×0.005=5%が該当割合に上乗せされる計算です。救急を断らない病院ほど看護必要度をクリアしやすく、新設の急性期病院一般入院基本料A(1,930点・救急搬送年2,000件以上かつ全身麻酔手術年1,200件以上)やB(1,643点)といった上位料を維持しやすくなります。救急実績は、機能評価や地域医療体制確保加算2など複数の評価にも波及します。誰に追い風で、誰に逆風かを整理すると次のとおりです。

病院タイプ

影響

理由

救急搬送が多い急性期病院

応需係数で看護必要度をクリアしやすく、上位入院料を維持

夜間・時間外外来体制が強い病院

救急外来医学管理料で従来未評価だった負荷が点数化

当直1名依存・体制が薄い病院

施設基準(救急外来経験5年以上の医師2名等)を満たせない

応需率が低い病院

件数要件・応需係数で不利になり、入院料引下げ(減収)の懸念

病院経営者は何から手をつけるべきか?

抽象論ではなく、自院で次の4点を確認することから始まります。

  • 不応需の理由を「施設要因(専門外・設備)」と「運用要因(基準なし・属人化)」に切り分けているか

  • 受け入れた患者が算定要件(重症度・状態区分・入院)に乗る設計になっているか

  • 応需率・入院率・救急要請数を月次でモニタリングしているか

  • 救急実績がどの加算・係数・施設基準に効くかを経営側で把握しているか

特に年間1,000台規模・医師少数の中小病院では、常勤医だけで件数を積み増すのは現実的ではありません。受入基準の可視化と、救急に前向きな外部医師の活用を組み合わせ、無理なく応需率と入院の質を高める設計が有効です。ドクターズプライムワークのような救急特化の体制構築支援は、その選択肢の一つになります。

まとめ:受入実績と算定設計が経営を分ける

2026年度改定が突きつけたメッセージは明確です。第一に、救急医療管理加算は「受ければ取れる」ものではなく、受け入れた患者の重症度・状態区分で算定が決まります。第二に、救急の受入実績は救急搬送応需係数を通じて看護必要度・急性期一般A/Bに連動し、経営に直結します。第三に、施行は令和8年6月1日であり、準備に残された時間は長くありません。受入実績と算定設計を両輪で整える病院だけが、この改定を収益機会に変えられます。

まずは自院の応需率と不応需理由、そして算定状況を可視化するところから着手してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

Q. 「救急医療管理料」と「救急医療管理加算」の違いは? A. 「救急医療管理料」という診療報酬項目は存在しません。正式名称は救急医療管理加算(A205)で、緊急入院した重症患者に入院日から7日を限度に加算されます(加算1=1,050点、加算2=420点)。

Q. 救急医療管理加算2が半減される要件は? A. 直近6か月で「状態13(その他の重症な状態)」の割合が5割以上の医療機関は、加算2が420点から210点に半減されます。2024年度改定で導入され、2026年度も継続運用されています。

Q. 2026年度改定はいつ施行ですか? A. 本体(点数・施設基準)の施行は令和8年6月1日です。4月施行は薬価のみで、本体改定は4月ではありません。

Q. 救急搬送応需係数とは何ですか? A. 重症度、医療・看護必要度の該当患者割合に加算される指数です。病床当たり年間救急搬送受入件数×0.005(上限1割)で算出され、救急を断らない病院ほど看護必要度をクリアしやすくなります。

Q. 救急を増やせば必ず経営は良くなりますか? A. 必ずではありません。受入件数を増やしても、入院時の重症度や算定設計が伴わなければ加算に乗らず、要請の母数が小さいと差し引きで採算が合わない場合もあります。


関連記事(内部リンク)

外来側で新設された評価の詳細は、「救急外来医学管理料」の衝撃!救急救命士の活用と教育が病院経営の命運を分けるで解説しています。看護必要度に加算される「救急搬送応需係数」の仕組みは、急性期病院の生き残り戦略!新「急性期病院一般入院基本料」と救急搬送実績への対応で掘り下げています。夜間・休日の受入評価は、「時間外救急搬送加算」の徹底解説もあわせてご覧ください。救急搬送からの入院がDPC収益に与える影響は、「断らない救急」がDPC収益を最大化するで整理しています。

執筆・編集・監修

執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

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