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【令和8年度改定】外来「12回再診」ペナルティ化の衝撃。大病院が急ぐべき減算回避と収益再構築の一手

    【令和8年度改定】外来「12回再診」ペナルティ化の衝撃。大病院が急ぐべき減算回避と収益再構築の一手

    更新日:

    2026/5/15

    【令和8年度改定】外来「12回再診」ペナルティ化の衝撃。大病院が急ぐべき減算回避と収益再構築の一手 |メソッド

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    ※今回の記事は厚生労働省が発表している令和8年度診療報酬改定7.外来医療の機能分化・強化等から一部を抜粋し編集した記事となっています。

    外来患者のコントロールが死活問題に

    大病院の経営において、外来患者のコントロールはこれまで以上に難易度を増しています。多くの病院経営者様や事務長様が日々頭を悩ませているのが、紹介率や逆紹介率の基準を満たせず、初診料や外来診療料の減算(ペナルティ)を受けるリスクではないでしょうか。

    地域医療支援病院や特定機能病院をはじめとする大病院では、本来、専門的な検査や急性期・重症患者の治療に特化することが求められています。しかし現実の医療現場では、「昔から通っているから」「大病院の方が安心だから」といった患者さんの心理もあり、軽症の患者さんや状態が安定した慢性疾患の患者さんが引き続き外来に通院するケースが多く見受けられます。

    こうした状況が改善されずに続けば、国が定める基準値を下回り、病院全体の収益に深刻なダメージを与えかねません。外来の適正化は、もはや病院経営における死活問題となっています。同時に、外来を手放した後の収益の穴をどう埋めるか、という戦略的な視点も欠かせません。制度改定を単なるペナルティ回避の問題として捉えるのではなく、病院の機能を再設計する機会として活用できるかどうかが、今後の経営を左右します。

    逆紹介割合の引き上げと「12回以上再診」のペナルティ化

    前提として、紹介・逆紹介の減算規定とは、大病院に軽症・慢性疾患患者が集中するのを防ぎ、地域医療の機能分化を促すためのペナルティ制度です。

    今回の令和8年度診療報酬改定では、外来医療の機能分化をさらに推し進めるため、この減算基準がより厳格化されました。経営企画や医事課の皆様が押さえておくべき重要なポイントは、以下の2点です。

    令和8年度診療報酬改定のスライド「7. 外来医療の機能分化・強化等に係る全体像」。特定機能病院等における「紹介・逆紹介割合に基づく減算規定の見直し」や、地域の診療所等における「かかりつけ医機能の強化」「特定機能病院等紹介患者受入加算の新設」など、外来医療の機能分化と連携に向けた施策の全体像が図解で示されています。
    令和8年度診療報酬改定のスライド「初診料及び外来診療料における紹介・逆紹介割合に基づく減算規定の見直し」。特定機能病院等の逆紹介割合の基準が現行から引き上げられる(例:30%未満から50%未満へ)ことを示す比較表と、外来診療料の減算対象に新たに「直近1年以内に12回以上再診を行った患者」を追加する要件の改定内容(連携強化診療情報提供料を算定している患者等の除外要件を含む)が記載されています。
    • 逆紹介割合の基準引き上げ:特定機能病院・地域医療支援病院・紹介受診重点医療機関(いずれも一般病床200床以上)は逆紹介割合が30‰未満から50‰未満へ、許可病床400床以上の病院は20‰未満から40‰未満へと、減算の基準値が大幅に引き上げられました。なお、紹介割合(%)の基準は今改定では据え置きです。これにより、これまでギリギリで基準を満たしていた病院も減算リスクが一段と高まっています。

    • 「過去1年間に12回以上、外来診療料を算定した患者」の減算対象追加:これまで減算対象外とされていたケースであっても、過去1年間に12回以上、外来診療料を算定した患者については、新たに外来診療料の減算対象として追加されます。ただし、紹介を行った医療機関との連携により遠隔連携診療料または連携強化診療情報提供料を算定している患者、緊急その他やむを得ない事情がある患者、専門性の高い医学管理を要するなどの理由により他院への紹介が困難で自院での継続通院が必要と医師が認めた患者は減算対象になりません。

      月に1回以上のペースで頻回に受診する慢性疾患患者の逆紹介を、これまで以上に強く促す国からのメッセージといえます。

    この2点を組み合わせると、「患者を抱え込んでいる」病院が受けるペナルティの累積効果は小さくありません。外来機能の見直しを先送りにすることのコストが、改定のたびに大きくなっていることを認識しておく必要があります。

    出典:令和8年度診療報酬改定 7.外来医療の機能分化・強化等(厚労省)p.4

    📌 編集部ピックアップ

    ある元厚労官僚の病院経営者は「今回の改定は医療機関の選別を加速する改定だ」と語っています。名目上の改定率はプラスに見えても、算定できない病院は実質的なマイナスを受ける構造になっており、「制度を戦略に落とし込めるかどうかで、病院の将来が変わる」という指摘は、外来機能の見直しにも同様に当てはまります。

    軽症患者の「抱え込み」がもたらすジレンマと現場への影響

    今回の制度変更により、現場にはどのような影響があるのでしょうか。最も大きなインパクトは、外来での軽症患者や状態の安定した患者さんの「抱え込み」が、直接的な減収(ペナルティ)に直結するという点です。減算を回避し、適正な診療報酬を維持するためには、地域のかかりつけ医への逆紹介を急ぐ必要があります。

    しかし、ここで多くの病院が直面するのが「収益と稼働率のジレンマ」です。単純に外来患者さんを手放してしまえば、目の前の外来収益が減少するだけではありません。外来から入院へとつながる導線も細くなり、結果として病院全体の病床稼働率や総収益の低下を招いてしまいます。

    また、現場の医師にとっても「自分が長く診てきた患者を手放したくない」という思いがあり、患者側も転院に難色を示すことが多いため、トップダウンで逆紹介を推奨するだけでは根本的な解決には至りません。「減算は避けたいが、患者数が減って経営が傾くのも避けたい」という非常に難しい舵取りが求められています。

    📌 編集部ピックアップ

    ある関東圏の中規模病院では、「医師を増やす前に、そもそも効率的に動いているかを考え直す」という方針で部門横断の業務改善を推進したところ、入院数が10%以上増加したといいます。外来を手放すことへの不安よりも、空いたリソースをどこに振り向けるかという視点の転換が、経営改善の鍵になっていました。

    減収を補い収益の柱を再構築する「救急医療強化」という一手

    この厳しい状況下で、病院経営層が「明日から取るべき具体的なアクション」は何でしょうか。それは、外来の軽症患者さんを減らして空いたリソース(医師の労力や時間、検査設備など)を、本来大病院が担うべき重症・救急患者の受け入れにシフトすることです。

    救急車の受け入れ件数を増やすことで、救急医療管理加算の算定はもちろん、それに伴う入院・手術による高い単価の診療報酬を獲得し、新たな収益の柱を再構築する必要があります。さらに、2026年度改定では急性期病院Bの要件として「救急搬送年間500件以上かつ全身麻酔手術500件以上」、「人口20万人未満の二次医療圏で救急搬送件数が最大かつ年間1,000件以上」、「離島からなる二次医療圏で救急搬送件数が最大」のいずれかを満たすことが求められ、救急応需の強化は単なる収益回復策にとどまらず、急性期病院としての機能認定を維持するための要件でもあります。

    しかし、「救急を強化する」といっても、すでに日々の業務で疲弊している常勤医にこれ以上の負担を強いることは現実的ではありません。医師の働き方改革が推進される中で、当直や救急対応の負担増は、医師の離職という経営にとって最悪の事態を引き起こすリスクがあります。

    📌 編集部ピックアップ

    ある2次救急病院では、常勤医の高齢化により応需率が60%台に停滞していたところ、外部の若手救急専門医を輪番日の当直に導入したことで、応需率が90%以上・病床稼働率が約9割まで改善したといいます。「救急を受ける日」として院内全体の意識が変わり、看護師の士気向上にもつながったとの声が聞かれました。

    そこで有効な解決策となるのが、ドクターズプライムワークの活用です。ドクターズプライムワークでは、以下のようなアプローチで病院の救急・人事課題を解決に導きます。

    • 質の高い救急対応医師の確保:「救急車を断らない」「アクティブに救急対応ができる」といった、モチベーションとスキルの高い非常勤医師を安定的に確保・配置します。

    • 常勤医の負担軽減と離職防止:夜間や休日の初期救急対応をドクターズプライムの医師がしっかりと担うことで、常勤医を疲弊させずに適切な労働環境を守ります。

    • 救急車応需率の最大化による収益向上:人的リソースの不足による断り事例を減らし、救急車応需率を最大化します。これにより、確実な入院・手術件数の増加につなげ、減算リスクを跳ね返す強固な経営基盤を構築します。

    まとめ:制度変化を「地域医療の役割再定義」の好機に

    令和8年度の診療報酬改定は、大病院に対して「かかりつけ医との連携強化」と「高度・救急医療への特化」をこれまで以上に強く迫るものです。逆紹介割合の厳格化や「直近1年以内に12回以上再診を行った患者」のペナルティ化は、短期的には経営上の脅威に見えるかもしれません。

    しかし、見方を変えれば、自院の役割を再定義し、重症・救急患者の受け入れ体制をアップデートする絶好の機会でもあります。外来の適正化によって空いたリソースを救急・入院機能の強化に振り向けることができれば、ペナルティを回避しながら同時に収益の底上げも実現できます。大切なのは、制度変化に受け身で対応するのではなく、自院の強みを活かせる機能に集中する戦略を、今から描いておくことではないでしょうか。

    常勤医の働き方を守りながら救急収益を伸ばす具体的な仕組みづくりについて、ぜひ一度、ドクターズプライムの資料でご確認ください。明日からの病院経営と人事戦略の新たな一手として、必ずお役立ていただけるはずです。

    執筆・編集・監修

    執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
    「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

    監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
    聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

    参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

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