更新日:
2026/5/14

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keyboard_arrow_right「夜間 応需率」で検索している経営者・事務長の皆様は、自院の応需率の「最弱の時間帯」を構造的に改善したい当事者でしょう。「夜間帯の応需率が6割程度に低下」「昼間の応需率が向上している一方で、夜間や土日の応需率が課題」「土曜日の当直を担当する後任医師の紹介」──経営層の皆様とのお打ち合わせにおいて繰り返し伺うお悩みは、応需率の全体平均ではなく時間帯別の最弱値が病院経営を縛っているという実態です。本稿では、時間帯別応需率は「最弱の時間帯」が経営を縛るという視点で、夜間・土日・GW・年末年始という4つの時間帯別の需給ギャップ、各時間帯の要員配置設計、実態に基づく改善事例を整理していきます。
論点 | 結論 |
|---|---|
時間帯ギャップの実態 | 昼間応需率90%超でも、夜間応需率は60%台に低下する病院が多数。夜間休日応需率74%(目標80%)の事例も |
ギャップが生まれる構造要因 | 常勤医の当直回数上限(働き方改革)/非常勤医の応需率の低さ/土日の常勤医不在 |
夜間の要員配置の現実解 | 1人当直の限界を解除する「ER型対応が可能な外部救急医+専門科オンコール」の組み合わせ |
土日・GW・年末年始の特殊対応 | 連休前の受入ルール再確認、連休中の要員配置の事前明示が経営判断 |
モニタリングの設計 | 時間帯別応需率を月次で集計し、「最弱の時間帯」を経営判断のテーブルに載せる |
応需率は「全体平均」ではなく、「時間帯別の最弱値」が病院経営を左右する指標として捉え直す必要があります。全体平均が80%であっても、夜間応需率が60%台に低下していれば、夜間に集中する救急搬送機会の3割超を構造的に失っていることになります。
消防庁の「令和6年中の救急出動件数等(速報値)」(2025年3月28日公表)によれば、令和6年の救急出動件数は771万7,123件と過去最多を更新しました。救急搬送の時間帯分布は夜間と休日に偏っており、応需率の最弱の時間帯がそのまま経営機会の最大の損失ポイントになります。
お打ち合わせの場で繰り返し伺うお声:「昼間の応需率が向上している一方で、夜間や土日の応需率が課題」「夜間帯の応需率が6割程度に低下」。
具体的な実例として:
ある地方都市の総合病院では、夜間休日応需率は目標の8割を下回る7割程度で停滞しており、これにより収益機会を損失していることが課題として確認されています
ある西日本の自治体病院では、応需率7割程度・1人当直体制が課題として共有され、同様の1人当直体制での改善事例の提示が進められています
関西圏の公的病院では、救急看護師と救急救命士の配置を含む体制改善で、応需率が65%から85%に向上したケースもあります
土日は常勤医の当直数が限られ、非常勤医頼みになる構造です。「夜間の非常勤医の応需率の低さ」が現場の実態としてよく伺う課題です。土曜日担当の当直医確保は、地方の2次救急の各院のお悩みとして繰り返し聞かれます。
連休中は救急ニーズがむしろ増加します。外来受診不可・かかりつけ医休診・帰省中の急性疾患という3つの要因が重なるためです。一方で当直医の確保はより困難になります。
常勤医の当直回数上限:医師の働き方改革(時間外労働の上限規制や宿日直許可の厳格化等)に伴い、常勤医の当直回数は構造的に縮減します
非常勤医の応需率の低さ:非常勤医(特にスポット派遣医)は専門科限定・受入範囲限定で来るため、応需率は常勤医より低くなります
土日の常勤医不在:平日勤務の常勤医は土日の輪番に入れず、土日は外部医師頼みの構造になります
「全体平均で見れば応需率は悪くない」という発想のままでは、最弱の時間帯から漏出する経営機会を取り戻すことは困難です。次節で、夜間のギャップと要員配置を整理します。
夜間の応需率を90%以上に安定させるには、1人当直体制の限界を構造的に解除する要員配置が鍵になります。
お打ち合わせで確認できる夜間応需率の典型値:
昼間応需率90%超vs夜間応需率60%台(多くの2次救急病院)
夜間休日応需率74%(目標80%、地方都市の総合病院の事例)
「夜間の非常勤医の応需率の低さ」が不応需理由の中核
体制 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
1人当直 | コスト低 | 応需率が個人の経験値とリスク感覚に依存/同時並行対応不可 |
2人当直(常勤+非常勤) | 常勤医のフォロー可能 | 非常勤医の応需率低下/コスト増 |
ER型対応が可能な外部救急医+専門科オンコール | 主体的な応需マインドセットの医師による初期対応/オンコールで専門科が補完 | 外部医師選定の質が成果を左右 |
夜間に専門医を全科常駐させるのは2次救急では非現実的です。「救急医ER型+オンコール体制」が現実解になります。各診療科の医学的プロトコル(消化器・循環器・脳卒中・小児)の詳細は、本ページ下部の関連リンク(個別記事)にて詳しく解説しています。
実例として、関西圏の公的病院では、救急看護師と救急救命士の配置を含む体制改善で、応需率が65%から85%に向上したケースがあります。医師だけでなくコメディカルを含めた要員配置の最適化が、夜間応需率の改善に直結することを示しています。救急看護師のトリアージ精度、救急救命士の初期対応の質が、当直医の負担を構造的に軽減します。
土日・祝日の応需率は、「常勤医の当直シフト」と「外部医師の連続配置」の組み合わせで設計します。
土曜日担当の医師確保は典型的な経営課題で、地方都市の総合病院では特に顕著です。土曜日は平日と日曜の中間的な需要があり、常勤医の輪番だけでは埋めきれない時間帯になります。
日曜日・祝日は、常勤医の輪番+外部救急医のスポット配置で応需率を均す設計が現実解です。3連休・4連休になると常勤医の輪番だけでは埋まらず、外部医師の連続配置を月単位で事前確定する必要があります。
時間帯別応需率を曜日別×時間帯別の2軸で集計し、「最弱のセル」を月次で振り返ることが、応需率改善の前提です。例えば「金曜日の22時〜翌6時」「日曜日の14時〜22時」のような特定セルの応需率が低いことが見えれば、そのセルに対する要員配置を優先的に見直す経営判断ができます。
GW・年末年始は、「需要増×供給減」の二重構造で応需率が崩れやすい時期です。事前の要員配置設計と受入ルールの再確認が経営判断になります。
受入ルールの再確認:ベッド充足率に応じた受入上限の再設定、連休中の入院・退院動線の事前合意
要員確保:常勤医の輪番調整+外部救急医のスポット配置の早期確定(連休直前は確保困難)
救急隊との情報共有:連休中の受入可能範囲を事前に救急隊に伝え、搬送先選定をスムーズにする
連休中は救急隊・近隣病院との情報共有を密にし、受入集中を回避します。1施設に搬送が集中すると、その施設のベッドが先に埋まり、後半の搬送が他施設にも波及して断られるという連鎖が発生します。地域全体の需給バランスを情報共有で平準化することが、連休対応の基本です。
「GWや年末年始の救急体制」が示す通り、連休対応は事前計画の有無が応需率を決めます。連休直前の慌てた要員確保では、応需率は構造的に下がります。
時間帯別の応需率ギャップを埋める視点は、次の3点に集約できます。
応需率は「全体平均」ではなく「時間帯別の最弱値」で見ます:夜間応需率6割や夜間休日応需率74%が、病院経営を左右する指標です。最弱の時間帯を月次で集計し、経営判断のテーブルに載せることが構造的改善の出発点になります
夜間の現実解は「ER型対応が可能な外部救急医+専門科オンコール」の組み合わせです:1人当直の限界を構造的に解除する要員配置が鍵になります。医師だけでなく救急看護師・救急救命士を含むコメディカル配置の最適化も応需率改善に直結します
GW・年末年始は「需要増×供給減」の二重構造です:事前計画の有無が応需率を決めます。連休前の受入ルール再確認と要員配置の早期確定が経営判断のポイントです
時間帯別応需率について、5問で自院の現在地を点検します。
確認事項 | チェック |
|---|---|
時間帯別(昼/夜/土日/祝日)の応需率を月次で集計しているか | ◻︎ |
「最弱の時間帯」(応需率が最も低い時間帯)を特定し、経営判断のテーブルに載せているか | ◻︎ |
夜間の1人当直体制の限界を解除する設計(救急医ER型+オンコール)を検討しているか | ◻︎ |
土曜日担当の当直医を構造的に確保する仕組み(外部医師活用含む)を整備しているか | ◻︎ |
GW・年末年始の要員配置を、連休の1ヶ月前までに確定するルールがあるか | ◻︎ |
5問中3問以上「いいえ」の場合、時間帯別応需率の再設計が経営判断のテーブルに載る段階と考えられます。
自院の時間帯別応需率の改善、および夜間・土日・連休の要員配置設計を検討される経営者・事務長の皆様には、救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」のご活用も一案です。「救急を断らない医師」の継続供給により最弱の時間帯の応需率を構造的に改善する選択肢と、時間帯別応需率の可視化による経営判断の支援の両面から、要員配置の再設計を支援しております。他院で繰り返し伺う「夜間休日応需率74%(目標80%)」「応需率65%→85%への改善」のような時間帯別ギャップへの対応事例をもとに、貴院の状況に即した客観的な検証や知見をご提供しております。
救急応需率の改善や病院運営の強化について、さらに理解を深めていただける関連記事をご用意しております。ご関心のあるテーマに合わせて、ぜひあわせてご覧ください。
■ 経営・組織戦略・要員確保について 応需率改善の組織論総論 ▶︎ 関連記事:『救急応需率を改善する5つの組織戦略』
応需率1ポイント向上の経営価値 ▶︎ 関連記事:『応需率1ポイントの経営価値』
当直医確保の戦略総論 ▶︎ 関連記事:『救急当直医の確保』
外部医師サービスの3類型と選定観点 ▶︎ 関連記事:『当直の外部委託の3類型と選定5観点』
時間帯別応需率の改善が病院経営全体に与える影響 ▶︎ 関連記事:『病院経営黒字化の設計図』
■ 診療科別の対応事例 消化器系救急の受入設計 ▶︎ 関連記事:『消化器系救急の「断れない」受入設計』
循環器内科の夜間救急 ▶︎ 関連記事:『循環器内科の夜間救急をどう回すか』
脳卒中救急の受入体制 ▶︎ 関連記事:『脳神経外科・脳卒中救急の受入体制』
小児救急の受入設計 ▶︎ 関連記事:『小児救急を「できる範囲で受ける」設計』
参照
消防庁「令和6年中の救急出動件数等(速報値)」2025年3月28日公表
厚生労働省「医師の働き方改革」
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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