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病院の赤字を黒字に変える3つのKPI連鎖|稼働率・応需率・DPC収益の経営設計

病院の赤字を黒字に変える3つのKPI連鎖|稼働率・応需率・DPC収益の経営設計

更新日:

2026/6/23

病院の赤字を黒字に変える3つのKPI連鎖|稼働率・応需率・DPC収益の経営設計|メソッド

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この記事の結論を3行で

  • 2024年度の医業赤字病院は74.6%、経常赤字病院は65.0%。「真面目にやれば何とかなる」時代は終わっている

  • 黒字化を実現している病院に共通するのは、病床稼働率・救急応需率・DPC収益の3つのKPIを「連鎖させて」動かす経営設計

  • 単一施策では動かない。3つの起点が相互に押し上げ合う構造を設計できるかが、これからの病院経営の分水嶺


はじめに|なぜいま「3つのKPI連鎖」で病院経営を捉え直すべきか

「医業利益が3期連続で赤字」「病床稼働率が80%を切ったまま戻らない」「診療報酬改定のたびに経営が苦しくなる」——こうした課題を抱える病院経営者・事務長は、決して少数派ではないのではないでしょうか。

2024年度の病院経営は、医業赤字病院が全体の約7割に達するという過去に類を見ない深刻な状況に陥っています。物価・人件費の上昇が続く一方、診療報酬の上昇は追いつかず、多くの病院が「構造的赤字」という壁に直面しています。

ただし、この環境下で黒字を維持している病院は確実に存在する。彼らに共通するのは、特定の施策で勝負しているのではなく、経営KPIの「連鎖関係」を設計して動かしているという点です。本記事ではこの連鎖構造を、厚労省・消防庁・四病協の公的統計と現場事例から整理します。

本記事の位置づけ(関連記事の役割分担)

本記事は 「病院経営の黒字化フレームワーク全体」 を扱います。各テーマの実務詳細は以下の関連記事に委ねていますので、合わせてご活用ください。


#1|病院経営が「構造的赤字」に陥る3つの理由

黒字化の起点を考える前に、なぜ病院経営がこれほど厳しくなっているのか、構造を整理します。

理由①|医業赤字が全病院の約7割に達する現実

四病院団体協議会(四病協)が実施した2024年度病院経営状況調査(最終報告・2025年11月26日公表)によると、病院経営の指標は以下のように悪化しています。

  • 医業利益:2023年度マイナス1億5,828万円 → 2024年度マイナス1億8,044万円(100床当たり、14.0%拡大)

  • 経常利益:2023年度マイナス2,862万円 → 2024年度マイナス8,102万円(100床当たり、183.1%拡大)

  • 医業赤字病院の割合:74.6%

  • 経常赤字病院の割合:65.0%

厚生労働省 第25回医療経済実態調査では、機能別の赤字病院割合も明らかになっています。

機能分類

赤字病院割合

平均医業利益率

回復期

40.0%

▲0.5%

慢性期

56.3%

▲1.0%

高度急性期

75.0%

▲6.7%

急性期A(看護配置7対1相当)

77.8%

▲9.9%

急性期B(看護配置10対1相当)

73.0%

▲12.0%

つまり、急性期病院ほど赤字割合が高く、赤字幅も大きいのが現実です。これは中央社会保険医療協議会(中医協)でも指摘されている「救急対応に積極的な病院ほど経営が厳しい」構造そのもの。この構造を反転させる仕組みを設計できるかが経営の核心です。

理由②|病床利用率がコロナ前に戻らない

もう一つの構造問題が、病床利用率の低迷です。厚生労働省「令和6(2024)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によれば、2024年の病床利用率は全国平均で77%、コロナ前の2019年(80.5%)の水準に戻っていません。

病床は病院経営における最大の固定資産です。稼働率が3〜5ポイント低下するだけで、年間収益は数千万円〜億円単位で減少します。急性期病院では稼働率85〜90%が黒字の分岐点とされており、80%を割ると赤字化の確率が急速に高まる構造があります。

理由③|物価・人件費の上昇に診療報酬が追いつかない

一般病院の医業・介護費用は年々上昇しており、直近では全体で3.2%上昇(厚生労働省 医療経済実態調査)と報告されています。特に医薬品費・水道光熱費・紹介手数料(医師人材確保コスト)の伸びが顕著です。

この環境で黒字化するには、「診療報酬の伸び」を待つのではなく、能動的に収益構造を組み替えるしかない。その出発点となるのが、次に示す3つの起点です。


#2|起点1|病床稼働率85〜90%を「連鎖で」維持する経営設計

病院黒字化の最初の起点は、病床稼働率を85〜90%で安定的に維持する仕組みをつくることです。

ただし本記事では病床稼働率の計算式や定義の細部には踏み込みません。病床稼働率の計算方法・適正値・改善方法の基本解説は病床稼働率とは?計算方法・適正値・病床利用率との違い・改善法を参照ください。本記事では「3つの起点の連鎖の中で、稼働率をどう経営設計に組み込むか」に絞ります。

稼働率は単発施策では動かない──3つの仕組みの連鎖

稼働率を上げるための施策はよく語られますが、単発の施策では稼働率は安定しません。経営として設計すべきは、入院の入口→病棟マネジメント→退院調整の3フェーズが連鎖する仕組みです。

フェーズ

担当領域

経営判断のポイント

入口の設計

救急・紹介・予定入院の3経路

救急応需率を高めて緊急入院を安定化(→起点2へ)。紹介率も並行管理し、複数の流入経路を持つ

病棟マネジメント

ベッドコントロール

病床管理を専任(ベッドコントローラー)化し、空床を日次で可視化。平均在院日数の短縮とのバランスを管理

退院調整の早期化

MSW・地域連携

MSW(メディカルソーシャルワーカー)が入院時点から退院先を調整。転院・退院のボトルネックを早期に解消

「上限ルール」が稼働率を持続可能にする──関東262床の事例

関東の中規模病院(262床・2次救急)では、輪番日の救急応需率を60%台から90%超に改善し、病床稼働率を約9割で安定化させました。同院の取り組みで特徴的なのは、「無制限に受ける」のではなく受入上限ルールを設計した点です。

  • 「ベッドが8割充足したら近隣・かかりつけ患者に限定」というルール

  • 救急需要を病棟マネジメントと整合させる運用設計

  • 結果として救急からの入院を稼働率の主ドライバーに位置づけ

稼働率を上げる施策と、稼働率を持続させる仕組みは別です。経営として設計すべきは後者です。

→ 自院の病床稼働率の現在値と改善余地の試算は病床規模別ROI試算 で確認できます。


#3|起点2|救急応需率の改善で「入院症例の継続流入源」を確保する

2つ目の起点は、救急応需率を改善し、入院症例の継続的な流入源を確保することです。

令和6年の救急出動件数は771万件超と過去最多を記録、高齢者の割合は約63%に達しています(出典:消防庁「令和6年中の救急出動件数等(速報値)」)。この膨大な需要を受けきれる体制を整えれば、救急は病院経営における最大の入院症例獲得チャネルになります。

応需率は5つの経営指標を同時に押し上げる

救急応需率の改善は単独の効果にとどまりません。連鎖的に5つの経営指標を押し上げます:

応需率の改善(60%台 → 90%超)
    ↓
救急医療入院症例の増加(DPC分子の拡大)
    ↓
病床稼働率の上昇(病床の空きが埋まる)
    ↓
DPC収益の拡大(救急医療入院の単価は相対的に高い)
    ↓
救急補正係数の評価向上

→ この連鎖関係のうち、応需率1ポイントが経営にいくらの価値を生むかの定量分析は別記事で詳述しています。救急応需率1ポイントの経営価値はいくらか では、病床規模別の試算(200床超の2次救急で年間300〜600万円/ポイント等)と、40ポイント改善時の累積インパクト(年間数億円規模)まで整理しています。

北陸200床の事例|上半期で1億円増収

北陸地方の民間病院(200床前後・2次救急)では、外部の救急専門医を活用した体制強化により以下を達成しています:

  • 救急車受入数:昨対比+36.7%

  • 救急搬送からの入院率:45% → 57%(+12ポイント)

  • 上半期で昨対比 約1億円の増収

  • 経常収支:2%赤字 → 2%黒字への転換

同院の元厚労官僚出身の副理事長はこう述べています。「救急車受け入れを病床稼働率に結びつけなければ、経営改善にはつながらない」。

九州180床の事例|年間3,600万円増収

九州地方の民間病院(180床規模・2次救急)でも、日勤帯の救急応需率がほぼ100%となり、月平均12.8人の入院獲得(入院率75.8%)、年間3,600万円相当の売上増を初年度で達成しました。

この2つの事例に共通するのは、「救急応需率の改善=病院経営全体の改善」という因果構造です。救急を現場のKPIではなく、経営戦略のレバレッジポイントとして位置づけ直すことが、黒字化への最短経路になります。

応需率改善は「組織戦略」で進める

応需率は医師個人のマインドセットだけでは動きません。経営層の方針明示・受入ルール設計・救急隊との信頼構築など、組織として設計すべき要素が5つあります。詳細は救急応需率を改善する5つの組織戦略 を参照ください。

→ 救急体制構築のための医師ポートフォリオ(常勤・非常勤・外部委託)の設計は「医師紹介会社の手数料は高い」の正体 を参照ください。


#4|起点3|診療報酬改定の政策誘導を「中期の方向指示器」として読む

3つ目の起点は、診療報酬改定の「政策誘導の方向」を先読みし、中期経営戦略の方向指示器として読むことです。

ここで重要なのは、改定の制度詳細を逐一追うことではなく、「国が何を評価しようとしているか」を読み解く経営哲学です。2026年診療報酬改定の制度詳細は【2026年診療報酬改定】DPC収益を最大化する「断らない救急」の作り方 で詳述していますので、本記事では経営層が押さえるべき「政策誘導の方向性」のみを整理します。

救急医療の評価強化という方向性は明確

2024年度改定で機能評価係数Ⅱから救急医療係数が独立して「救急補正係数」となり、2026年度改定では急性期医療の評価が「看護師配置数(体制)」から「救急・手術の具体的な実績(機能)」へと大きく転換する方向が示されました(出典:中央社会保険医療協議会 令和8年度診療報酬改定 答申、2026年2月13日)。

→ 救急補正係数の経営インパクトの詳細は救急補正係数とは?計算方法・上げ方・経営インパクトを厚労省資料から解説、係数を上げる具体ステップは救急補正係数を上げるには?DPC収益を最大化する5つの実践ステップ を参照ください。

経営層が読むべき「政策誘導の方向性」は3つ

制度の細部に踏み込む前に、経営層として押さえるべき方向性は次の3つです:

  1. 救急実績が施設基準の判定要件に組み込まれた:救急体制を整備できない病院は急性期から外れていく流れが制度的に明示

  2. 入院初期の医療資源投入が評価される:救急医療入院症例への初期2日間のリソース投入がDPC包括点数の差額として補正される構造

  3. 「機能(実績)」の重みが増している:体制基準(看護配置)から実績基準(救急搬送数・手術数)へのシフト

→ 救急医療管理加算の算定要件・経営インパクトの詳細は救急医療管理加算とは?算定要件・加算1と加算2の違い・経営インパクトを徹底解説 を参照ください。

「データで動かす」経営──中国地方の労災病院系の事例

中国地方の労災病院系2次救急病院は、応需率90%以上を維持しながら、院長が「データで動かす」経営スタイルでDPCデータと応需率を可視化し、診療科・個人の自発的な行動変容を引き出しています。同院長はこう述べています。

「国が求めていることをやれば、国は評価してくれる。患者さんが求めていることをしっかりとやる。それが結果として国の政策誘導に乗ることになり、経営改善につながる」

この発言の本質は、「診療報酬改定を短期的な取引ルールではなく、中期的な経営戦略の方向指示器として読む」ことです。改定が来るたびに対症療法的に動くのではなく、改定が来る前から方向性を先読みして体制を整えておく。これが起点3の核心です。


#5|黒字化病院の共通パターン──3つの起点が「連鎖する」構造

ここからが本記事の本題です。3つの起点は独立ではなく、相互に連鎖して経営改善を生む点が最重要です。

黒字化の連鎖構造(6フェーズ)

フェーズ

主要施策

経営KPI

フェーズ1

救急応需率の改善(医師確保+組織文化)

救急車受入台数・応需率

フェーズ2

救急医療入院症例の増加

入院転換率・救急医療入院症例数

フェーズ3

病床稼働率の上昇

病床稼働率(目標85〜90%)

フェーズ4

DPC収益・診療報酬加算の拡大

救急補正係数・加算算定率・DPC総収益

フェーズ5

常勤医・看護師の負担軽減

離職率低下・採用コスト低減

フェーズ6

地域からの信頼蓄積

紹介率・救急隊からの要請数

応需率→入院率→稼働率→収益という連鎖を1本の経営方程式として定式化し、経営会議で判断する手法KPI連鎖の経営学|「応需率→入院率→稼働率→収益」を1本の式で経営判断するで詳述しています。

1つの起点(例:救急応需率の改善)が、連鎖的に病床稼働率・DPC収益・人材定着・地域信頼を押し上げる構造になっています。だからこそ、単発の施策ではなく連鎖設計が経営黒字化のカギになります。

黒字化病院が「やっていないこと」も重要

逆に、黒字化に苦しむ病院がしばしば陥るパターンは以下です:

  • 単一施策の効果に過度な期待をかける(例:紹介患者を増やせば稼働率が上がるはず)

  • KPIを部署別に最適化する(救急部門は応需率、医事課は加算算定率、地域連携室は紹介率を独立に追う)

  • 連鎖の前提となる「医師ポートフォリオ」の設計を後回しにする

3つの起点を経営層が一体のものとして設計し、連鎖を意識した経営会議で月次レビューする——これが黒字化病院の共通パターンです。


#6|自院の黒字化余地を診断する──経営者向けチェックリスト

自院の経営改善余地を検証するために、以下の観点で現状を確認してみてはいかがでしょうか。

確認項目

改善余地のシグナル

直近3期の医業利益率

3期連続赤字なら構造改革が急務

病床稼働率(直近12ヶ月平均)

80%未満なら入口・病棟・出口の全フェーズ見直しを

救急応需率(輪番日/平時)

70%未満なら最大の経営改善レバレッジ

救急医療入院症例数の推移

減少傾向ならDPC収益にも連動して低下している可能性

救急補正係数の値

同規模病院平均を下回るなら算定精度・救急体制の両面で改善余地

平均在院日数

効率性係数との両立を意識しているか

紹介率・逆紹介率

地域連携が機能しているかの指標

MSW(医療ソーシャルワーカー)の配置

退院調整の早期化を担う専任職員がいるか

経営会議でのKPI連鎖の議論頻度

月次で3つの起点を一体で議論しているか

これらのシグナルに複数該当する場合、病院経営の黒字化は部分最適の積み重ねではなく、3つの起点を統合した経営再設計として取り組む必要があります。

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#7|まとめ──黒字化は「救急を経営の入口と捉え直す」ことから始まる

病院経営を黒字化するために必要な視点は、次の3点に集約できます。

  • 黒字化は「稼働率・応需率・DPC収益」の連鎖設計:単一施策では動かない。3つの起点を相互に連動させる経営再設計が本質的な解決策

  • 救急応需率の改善は最大のレバレッジ:救急からの入院が、病床稼働率・DPC収益・加算評価のすべてを押し上げる起点になる

  • 診療報酬改定は短期ルールではなく中期の方向指示器:政策誘導を先読みした経営が、中期の勝ち残りを決める

2024年度の医業赤字病院74.6%という数字は、「真面目にやっていれば何とかなる」時代の終焉を告げています。構造的赤字の時代に黒字を維持できる病院と、できない病院を分けるのは、経営層が救急を「現場の問題」ではなく「経営の起点」として捉え直せるかどうかにかかっているのではないでしょうか。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 病院の赤字を黒字に変えるために、最初に動かすべきKPIは何ですか?

A. 救急応需率です。応需率は病床稼働率・DPC収益・加算算定の3つを同時に押し上げる構造的なレバレッジポイントだからです。応需率1ポイントの経済価値の定量分析は救急応需率1ポイントの経営価値はいくらか を参照ください。

Q2. 2024年度の病院経営はなぜこれほど厳しいのですか?

A. 主な要因は3つです。①物価・人件費の上昇に診療報酬が追いつかない構造、②病床利用率がコロナ前(80.5%)の水準に戻らない(2024年は77%)、③医業赤字病院が74.6%に達する深刻さ。詳細は#1を参照ください(出典:厚生労働省 医療経済実態調査、四病協 2024年度病院経営状況調査)。

Q3. 病床稼働率は何%を目標にすべきですか?

A. 急性期病院では85〜90%が黒字の分岐点とされています。80%を割ると赤字化の確率が急速に高まる構造があります。病床稼働率の計算方法・改善方法の詳細は病床稼働率とは?計算方法・適正値・病床利用率との違い・改善法を参照ください。

Q4. 救急応需率を1ポイント改善すると、いくら増収しますか?

A. 病床規模・入院率により差がありますが、200床超の2次救急病院では年間300〜600万円/ポイントが目安です。40〜50ポイント改善すれば年間1.5〜3億円規模のインパクト。詳細試算は救急応需率1ポイントの経営価値はいくらか を参照ください。

Q5. 2026年診療報酬改定で病院経営はどう変わりますか?

A. 急性期医療の評価が「看護師配置数(体制)」から「救急・手術の具体的な実績(機能)」へ転換します。救急実績が施設基準の判定要件に組み込まれ、救急体制を整備できない病院は急性期から外れていく流れが制度的に明示されました。詳細は【2026年診療報酬改定】DPC収益を最大化する「断らない救急」の作り方 を参照ください。

Q6. 救急補正係数とは何ですか?

A. DPC対象病院における救急医療入院患者の入院初期(2日間)の医療資源投入量とDPC包括点数の差額を補填する係数です。2024年度改定で機能評価係数Ⅱから独立しました。詳細は救急補正係数とは?計算方法・上げ方・経営インパクトを厚労省資料から解説 を参照ください。

Q7. 200床規模の中小病院でも黒字化は可能ですか?

A. 可能です。本記事で紹介した北陸200床の病院は上半期で1億円増収・経常収支2%赤字→2%黒字への転換を達成、九州180床の病院も年間3,600万円増収を実現しています。規模ではなく「3つの起点の連鎖設計」が成否を分けます

Q8. 救急医療管理加算の算定漏れをどう防げばよいですか?

A. 救急部門・医事課・コーディング担当の3者連携と、加算1の判定根拠記録の徹底が中心です。算定漏れだけで年間数千万円規模の機会損失が発生し得ます。詳細は救急医療管理加算とは?算定要件・加算1と加算2の違い・経営インパクト を参照ください。

Q9. 経営層が毎月確認すべき救急KPIは何ですか?

A. ①救急応需率、②救急車受入から入院への転換率、③救急医療管理加算1の算定比率、④病床稼働率、⑤平均在院日数の5つが最低限のKPIセットです。これら5指標を月次レビューで一体的に議論することが、3つの起点の連鎖設計の前提条件になります。

Q10. 黒字化のために最初にやるべきアクションは何ですか?

A. 過去6か月の不応需ログ分析から始めるのが最も効果的です。「専門外/キャパシティ/患者対応中」の3区分で再分類し、専門外を理由とした不応需のうち「実際には他科対応可能だったケース」を抽出します。この一歩で応需率の改善余地が定量的に見えます。組織戦略の詳細は救急応需率を改善する5つの組織戦略 を参照ください。


参考文献

すべて厚生労働省・消防庁・四病協・健保連・中医協の公的統計および自社既存記事への内部リンクで構成しています。

自社関連記事(内部リンク)

執筆・編集・監修

執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

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