更新日:
2026/5/14

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keyboard_arrow_right※今回の記事は厚労省が発表している医師偏在対策についてから一部を抜粋し編集した記事となっています。
2024年4月から本格適用が開始された「医師の働き方改革」。時間外労働の上限規制(原則として年960時間、特例で年1,860時間以内)への対応に追われる中、病院経営者や人事担当者の皆様は、労務管理の徹底と地域医療の維持という重い課題に直面されていることと存じます。
さらに近年、国が強力に推し進めているのが「医師偏在対策」による人員配置の適正化です。大都市圏や特定の診療科への医師集中を是正し、医療資源を全国へ均伝させる目的がありますが、採用難にあえぐ地域の医療機関にとってはさらなる逆風となりかねません。現場のマネジメント層は、労働時間規制への対応とマンパワー不足の板挟みとなり、疲弊感が高まっているのが実情です。
厚生労働省の資料(「医師偏在対策について」等)によれば、今後の医療提供体制の構築において非常に重要な方針が示されています。特に留意すべきは以下のポイントです。

医師偏在対策は、新たな地域医療構想、働き方改革、美容医療への対応、オンライン診療の推進等と一体的に取り組むことが明記されています
医師偏在対策の効果を施行後5年目途に検証し、十分な効果が生じていない場合にはさらなる医師偏在対策を検討することとされています
医師確保計画により、3年間のPDCAサイクルに沿った取り組みが推進されます
現在の医療政策は、決して単独で機能するものではありません。限られた医師資源を「労働時間規制(働き方改革)」の範囲内に収めながら、いかに効率よく「地域(偏在対策・新たな地域医療構想)」に配分するかが最大の焦点となっています。これらは不可分なものであり、病院経営においても包括的な対応が求められています。
参照:医師偏在対策について
📌 編集部ピックアップ
過去に配信されたセミナーで、ある医療経営の専門家はPost 2040を見据えて「2050年は2040年よりさらに悪くなるであろう」と指摘しています。国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(令和6年推計)」によると、男性の独居高齢者の比率は2020年の16.4%から2050年には26.1%に上昇する見通しで、特に未婚の高齢男性単独世帯は86万世帯から269万世帯へ約3倍に拡大します。同専門家は「なんとしてもPost 2040を乗り切る体力を今のうちにつけて、そして2050年への準備をしなくてはいけない」とも語っており、働き方改革と偏在対策の板挟みに向き合う今の判断が、20年スパンの病院経営力を左右するという視点を提示しています。
これらの制度変更が現場に与える影響は非常に大きなものとなっています。多くの医療機関ではこれまで、常勤医の献身的な長時間労働によって当直や救急受け入れを維持してきました。しかし時間外労働の上限規制が厳格化された現在、自院の常勤医だけで救急・当直を回そうとすれば、たちまち労働時間の上限に抵触してしまいます。
かといって、「人手が足りないなら採用しよう」と新たな常勤医の確保に動いても、強力に推進される医師偏在対策の観点から採用のハードルはこれまで以上に高くなっています。
常勤医の新規確保が難しく、既存の医師の労働時間も増やせない。この八方塞がりの状態が続けば、救急の応需率低下や当直体制の破綻、いわゆる「救急崩壊」を招くリスクが懸念されます。
📌 編集部ピックアップ
ドクターズプライム編集部の取材に応じたある2次救急病院の院長は、常勤医高齢化と院内整備の限界で応需率が60%台に停滞していた状況について、外部の若手救急専門医を輪番日に導入することで応需率9割以上・病床稼働率も約9割へと立て直した経緯を語っています。同院長は「救急車が7、8台並んでしまう状況もございますが、1人でスムーズに対応していただけるため、安心して業務をお任せできています」とコメントしており、"自前主義"では行き詰まった状況でも、外部専門医1人の配置で全体の体制が一気に安定しうることを示す実例です。
実は、厚生労働省の「医師偏在対策」のガイドライン(資料35ページ)においても、地域で不足する医療機能の具体例として「夜間や休日等における地域の初期救急医療の提供(2次救急医療機関の救急外来への出務等)」や「土日の代替医師としての診療等」が明確に挙げられています。
つまり、自院の常勤医だけで無理にカバーするのではなく、外部の医師に夜間・休日の救急外来や土日の当直を代替してもらうことは、国が示す医療提供体制の方向性とも完全に合致しているのです。
このような状況下で経営層の皆様が明日から取り組むべき具体的なアクションは何でしょうか。それは「常勤医による自己完結」という固定観念を手放すことです。すべての業務を自院の常勤医だけでカバーする「自前主義」から脱却し、外部のプロフェッショナル人材を効果的に活用する視点を持つことが重要です。
その強力な解決策となるのが、ドクターズプライムが提供する「質の高い外部医師(当直・救急専従など)の活用」です。
救急・当直専従医の活用:ドクターズプライムの審査を通過した、救急対応スキルの高い外部医師に夜間・休日の業務を委託することで、常勤医の負担を大きく軽減できます
働き方改革と地域医療への貢献の同時達成:常勤医の労働時間を大幅に短縮し時間外労働の上限規制をクリアしつつ、救急車の受け入れ制限を減らし、救急応需率の維持・向上を実現することが可能です
マネジメントコストの削減:採用や労務管理にかかる人事部門の負担を軽減し、経営層は本来注力すべき「新たな地域医療構想」を見据えた中長期的な戦略立案に集中できます
📌 編集部ピックアップ
ある2次救急病院では、外部救急専門医の導入により日勤帯の応需率がほぼ100%に達し、月平均の救急入院も2桁台まで積み上がり、初年度で数千万円規模の増収を実現しました。同院の事務部長はドクターズプライム編集部の取材に対して「導入費用はもはやコストではなく確実な投資だった」と振り返っています。外部医師の活用は"人手不足の穴埋め"という消極的な打ち手ではなく、応需率向上を通じて収益を生み出す積極的な経営戦略として機能している実例だといえます。
外部医師を活用したER(救急外来)のマネジメントは、もはや一時的な「人手不足の穴埋め」ではなく、持続可能な病院経営のための「積極的な経営戦略」と言えるでしょう。
「医師の働き方改革」と「医師偏在対策」、そして「新たな地域医療構想」は、今後の病院経営を左右する極めて重要なキーワードです。これらが一体的に推進される中、従来のマネジメント手法の延長線上に解決策を見出すことは困難になっています。
今こそ、外部リソースを戦略的に活用する体制へとシフトする絶好のタイミングです。常勤医が日中の専門的な診療に専念できる環境を整えつつ、ドクターズプライムの外部医師の力で地域の救急医療をしっかりと守り抜く。そうした新しいERマネジメントの形が、今後の医療機関にとって大きな強みとなるはずです。
まずは自院の救急・当直体制の現状と、常勤医の労働時間を改めて可視化し、外部医師の導入による改善の余地がないか、経営会議などで検討を始めてみてはいかがでしょうか。
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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