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医師採用コストの削減方法|紹介手数料の正体と「4象限」採用ポートフォリオ再設計

医師採用コストの削減方法|紹介手数料の正体と「4象限」採用ポートフォリオ再設計

更新日:

2026/6/16

医師採用コストの削減方法|紹介手数料の正体と「4象限」採用ポートフォリオ再設計|メソッド

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本記事の解説テーマ:医師採用コストの中核を占める紹介手数料の相場と「隠れコスト」を厚生労働省の公表データで客観化し、常勤-非常勤×自院内部-外部依存の「4象限」で採用ポートフォリオを再設計する考え方を整理します。ドクターズプライムワークは100病院を超える救急改善の支援実績(2026年時点)をもとに、本稿を編集しています。相場・制度の数値は厚労省・全日本病院協会等の公的・業界標準データに基づきます。

事務長・人事担当として、医師紹介会社からの請求書を毎年見ている経営層は少なくないのではないでしょうか。常勤医1名の採用で数百万円、離職が重なれば年間で1,000万円規模の手数料が動きます。「医師採用 コスト」「紹介手数料 高い」と検索する事務長の関心は、「このコストは妥当なのか」「削減する現実的な手段はあるのか」という点に集約されます。

本稿が論じるのは、紹介会社の是非ではありません。紹介会社は職業安定法に基づく適法な事業であり、医師採用の有力な選択肢の一つとして機能してきました。論点は、医療機関がこの一つの選択肢に過度に依存し、採用ポートフォリオを描けていないことにあります。本稿では厚労省の実績データで手数料相場を提示し、表面手数料の外側にある「隠れコスト」を分解したうえで、採用チャネルの再設計を提案します。値下げ交渉ではなく、採用予算の構造そのものを組み替える視点を持ち帰っていただくことが狙いです。

値下げ交渉ではなく体制から手数料を減らす具体策は、高騰する紹介手数料に終止符を|医業利益を圧迫しない救急体制の築き方 で詳しく扱っています。本稿は「相場と構造を客観的に把握する」ための土台となる記事です。

本記事のポイント(30秒でわかるサマリー)

論点

結論

厚労省が公表した相場

令和4年度実績で医師の紹介手数料は1件あたり全国平均98.4万円(厚労省集計)。地域差は最大1.9倍

業界調査の常勤医相場

全日本病院協会等の調査(2020年)では医師の人材紹介平均手数料は351.7万円。常勤医1名では数百万円規模になり得る

表面手数料の外側の隠れコスト

①短期離職時の返金規定の限界 ②ミスマッチによる戦力化遅延 ③オンボーディング工数 ④採用力の内部蓄積機会の損失

手数料が下がりにくい構造要因

①働き方改革による非常勤需要の増加 ②医局派遣の縮小による依存集中 ③成果報酬型モデル特有のインセンティブ構造

採用ポートフォリオ再設計

常勤-非常勤×内部-外部の「4象限」で、紹介会社一本足からの脱却を設計する

医師の紹介手数料の相場はいくらか──厚労省データで見る客観値

「高い」という感覚の妥当性は、客観的なデータで判断する必要があります。参照すべきは、厚生労働省が地域ブロック別に公表している「職業紹介事業の平均手数料」データです。

厚労省が示す相場──医師1件あたり98.4万円

厚生労働省の集計によると、令和4年度(2022年度)実績で、医療機関などが職業紹介事業者に支払う医師採用の平均手数料は、1件あたり全国平均98.4万円でした。看護63万円、保育63.4万円、介護54.6万円と比べても、医療系職種のなかで医師の手数料が最も高い水準にあります。厚労省はこの平均手数料を毎年度公表しており、職業紹介事業者を選ぶ際の参考値として活用するよう医療機関に呼びかけています。

地域差も可視化されています。同実績で医師の手数料が最も高かったのは「四国」の119.5万円、次いで「南関東」115.2万円、「中国」107.2万円。最も低かったのは「近畿」の62.6万円で、最大と最小で約1.9倍の地域格差があります。南関東で医師採用を行う病院の負担が特に重いことが、国のデータで確認できます。

業界調査では「常勤医1名で数百万円」の実態も

ただし、厚労省の平均値は短期アルバイト・スポット紹介も含む「全件の単純平均」です。年収1,500〜1,700万円クラスの常勤医1名の採用に絞ると、相場は大きく変わります。全日本病院協会等が2020年に公表した調査では、医師の人材紹介平均手数料は351.7万円(最高600万円〜最低100万円)とされています。厚労省の98.4万円との差は、「全件平均」と「常勤医平均」の違い、および調査母集団の違いによるものと考えられます。経営層の肌感覚としては、後者のほうが近いのではないでしょうか。

人材紹介業界全体では、手数料率は職種や希少性によって幅があり、医師紹介では年収の20〜30%程度が用いられることが一般的とされています。医師の年収水準が高いため、同じパーセンテージでも1件あたりの絶対額が他職種より突出して大きくなる点が、経営上の負担感の正体です。

手数料を「率」ではなく「応需率・入院実績への寄与」で評価し直す視点は、救急応需率1ポイントの経営価値はいくらか で定量的に整理しています。


紹介手数料が下がりにくい3つの構造要因

では、この相場は今後下がるのでしょうか。結論として、構造的に下がりにくいと考えられます。2024年以降の医療提供体制の変化を踏まえ、3つの要因に整理します。

要因1|働き方改革による非常勤需要の増加

2024年4月から始まった医師の時間外労働上限規制(原則A水準:年960時間)により、常勤医が自院で当直・時間外に入れる回数には物理的な上限が設定されました。四病院団体協議会の調査では、「日当直回数に上限が設けられたことで、医師数の少ない診療科では日当直体制をとれない日が生じている」という現場の声が報告されています。

この上限を超える部分は外部医師で埋めるしかなく、結果として非常勤・スポット医師の需要が増加します。需要が増える局面では、供給側の価格交渉力はむしろ強まります。

要因2|医局派遣の縮小と紹介会社への依存集中

同じ四病協の調査が示すもう一つの現場の声は、「大学病院派遣の中止・縮小」です。大学病院自体が働き方改革対応で派遣日数を削る方向に動いており、医局派遣が細るほど、病院は紹介会社への依存度を上げざるを得ません。残された選択肢が紹介会社に集中する構造は、需給の観点から手数料を下支えします。

医局の引き揚げに備える共存の設計は、医局の引き揚げにどう備えるか|「負担を切り分ける」共存戦略、外部医師の確保判断の全体像は救急当直医の確保が難しい病院がやるべき3つの経営判断 を参照ください。

要因3|成果報酬型ビジネスモデルのインセンティブ構造

紹介会社のモデルは、成約時に手数料が発生する成果報酬型です。この構造は、高年収の医師を推すほど売上が大きくなる一方、採用後の定着には売上インセンティブが働きにくい性質を持ちます。加えて、登録医師の獲得競争のための広告費・人件費が固定費として積み上がるため、手数料率は「下げる」より「維持する」方向に働きやすいと考えられます。

2025年4月の制度変化──透明性は向上、上限規制は未導入

2025年4月1日施行の職業安定法施行規則改正により、有料職業紹介事業者は人材サービス総合サイトでの平均手数料率の公表が義務化されました。違約金規約の明示も義務となり、職業紹介市場の透明性は向上しています。一方、日本医師会・四病院団体協議会からは手数料の上限設定を求める要望が継続的に提出されているものの、法改正レベルでは「情報公開」にとどまっています。

つまり、経営層は「相場を知れるようになったが、相場自体は変わりにくい」という状況に置かれています。だからこそ、次に必要なのは値下げ交渉ではなく、採用ポートフォリオそのものの組み替えです。


表面手数料の外側にある「隠れコスト」4種

紹介手数料の経営インパクトを正しく評価するには、請求書に記載される手数料だけでなく、その外側で発生するコストも含めたTCO(総所有コスト)で見る必要があります。事務方が見落としがちな隠れコストは4種類です。

①短期離職時の返金規定の限界 多くの紹介会社は採用後3〜6ヶ月以内の退職に対し「一部返金」や「無料再紹介」の規定を設けていますが、返金対象は概ね3〜6ヶ月、割合は月数に応じて逓減するのが一般的です。再紹介は別の医師の紹介であり、追加の採用プロセスが再発生します。採用から一定期間を過ぎた離職は損失として病院が負担することになり、医師の転職サイクルが短期化する現状では、十分なリスクヘッジになりにくい設計です。

②ミスマッチによる戦力化遅延 成果報酬型では採用後のパフォーマンスにインセンティブが働きにくく、ミスマッチが起きると、戦力化の遅延、既存医師への負荷転嫁、離職・再募集の悪循環、院内士気の低下が連鎖します。これらは請求書には載りませんが、実質的な機会損失として経営を圧迫します。

③オンボーディング工数の内部コスト 電子カルテ、院内プロトコル、他科連携、救急対応のルールなどを既存スタッフが伝える工数は、事務長の予算書には現れません。入職後数ヶ月の伴走に要する院内工数は、紹介手数料に上乗せされる「見えない採用コスト」です。

④紹介会社依存による採用力の内部蓄積機会の損失 最も見えにくく、中長期で最も大きいのがこれです。候補者の発掘、転職市場の相場観、面接・オファー設計、定着設計といった機能を外注し続けると、自院に採用ノウハウが蓄積されません。この状態が固定化すると価格交渉力も失われ、手数料の改定を受け入れるしかなくなります。

TCO(総所有コスト)の構造

コスト項目

請求書計上

性質

紹介手数料

表面コスト。厚労省・業界調査で相場が可視化

返金対象外離職の損失

×

短期離職サイクルでリスクが残存

戦力化遅延の機会損失

×

既存医師の負荷・士気に波及

オンボーディング工数

×

院内人件費として潜在化

採用力の内部蓄積機会の損失

×

中長期で最大。価格交渉力の喪失に直結

請求書に計上される手数料の外側に、同等以上のコストが潜在していると考えられます。これが事務長の「なぜか採用予算が足りない」という感覚の構造的な背景です。

規模別に投資回収を試算する考え方は救急応需率1ポイントの経営価値、外部委託サービスの費用構造の比較軸は夜間当直の救急対応に強い非常勤医師の採用支援サービスとは|3類型と選定5観点 で詳述しています。


採用ポートフォリオの再設計──「紹介会社一本足」からの脱却

採用予算を減らす現実解は、採用ポートフォリオを組み替えることです。紹介会社を全廃する必要はありません。紹介会社に頼るべき枠と、他チャネルで代替可能な枠を切り分けることで、経営インパクトのある見直しが可能になります。

ポートフォリオの4象限

医師採用の枠は「常勤-非常勤」×「自院内部-外部依存」の2軸で4象限に整理できます。

自院内部で確保

外部依存

常勤

①直接採用(自院HP・リファラル・医師会ネットワーク)

②紹介会社経由の常勤採用

非常勤・スポット

③院内非常勤プール(退職OB・元当直医のリスト化)

④外部プラットフォーム(救急改善プラットフォーム等)

従来、多くの病院は②(紹介会社経由の常勤採用)に採用予算の大部分を集中させてきました。これを4象限に分散させるのが再設計の基本となります。

①常勤の直接採用を強化する 直接採用の成否を分けるのは、応募動機を生む病院ブランディングです。自院採用サイトの整備、既存医師からのリファラル制度化、地域医師会ネットワークや専門医会での接点づくりが具体策となります。短期的には紹介会社より効率が劣って見えても、1件成功すれば手数料の代わりに内部インセンティブで済むため、1件あたりの採用単価(CPA)は大きく下がります

救急受入実績を採用力に転換するブランディング設計は、救急応需率を改善する5つの組織戦略 も参考になります。

②紹介会社経由は残すが、依存度を下げる 全廃する必要はありません。「今すぐ、ピンポイントのスペックで」という急な採用や、急性期の専門科、母集団が未形成の診療科、部長・副院長クラスのエグゼクティブ採用では依然有効です。これらに枠を限定し、それ以外は①③④へシフトします。

急性期の専門科やエグゼクティブ採用で紹介会社を使う場合の、サービスごとの特徴・対応領域の比較は救急に強い医師紹介・医師派遣サービス9選を参照ください。

③院内非常勤プールという見落とされた資産 過去に円満退職した医師・元当直医は、非常勤・スポットでの勤務に前向きなケースが多い潜在資産です。退職医師リストの整備、年1〜2回の接点維持、既存関係を活かした柔軟な稼働依頼により、紹介会社を経由しない(=手数料ゼロの)採用枠を確保できます。

④外部プラットフォーム=継続契約型の活用 当直・輪番日の救急応需など、継続的に外部医師が必要な枠は、単発マッチングよりも継続契約型のプラットフォームが適しています。月額固定費用を基礎に、常勤採用に至った場合の採用手数料や、救急経由の入院実績に連動する手数料などを組み合わせる複合型が一般的です。「成約時に年収の20〜30%が一括発生」する単発紹介とは異なり、コストを平準化しながら、支払いを「応需体制の改善」や「採用力の内製化」に波及させられる点で、コストパフォーマンスの質が変わります。

紹介会社と継続契約型プラットフォームの構造的な違い(課金モデル・成果の波及範囲など)は医師人材紹介会社と救急改善プラットフォーム──病院経営における5つの構造的違いで整理しています。

外部プラットフォームの費用構造・選定軸の比較は3類型と選定5観点の解説、紹介手数料を体制側から下げる具体策は医業利益を圧迫しない救急体制の築き方 を参照ください。

4象限再設計マトリクス

採用枠

従来(依存)

再設計後

急性期専門科の常勤採用

②紹介会社

②+①(直接採用の強化)

一般診療科の常勤採用

②紹介会社

①直接採用をメインに

単発の当直・日直

②紹介会社の非常勤

③OBプール+④プラットフォーム

輪番日の継続的な救急当直

②紹介会社の非常勤

④救急改善プラットフォーム

この4象限への分散により、多くの病院が紹介手数料の圧縮余地を持つと考えられます。圧縮の幅は病院規模・診療科構成・地域の医師需給によって異なるため、まずは自院の採用コストを棚卸しすることが出発点になります。


実行チェックリスト──今期の採用予算から組み直す

ポートフォリオ再設計を「来期から」で終わらせないために、今期から動かせる4ステップを示します。

ステップ1|過去3年の採用コストの棚卸し 紹介会社別の採用実績と手数料総額、採用後6ヶ月/12ヶ月時点の定着率、返金規定の適用有無と金額、オンボーディングに要した院内工数(概算)を整理します。この棚卸しなしに削減目標は立てられません。

ステップ2|採用チャネル別CPAの算出 チャネル(紹介会社/直接採用/リファラル/外部プラットフォーム)ごとに1件あたりの採用単価を算出し、どこへの投資が経営効率的に有利かを可視化します。

ステップ3|外部委託で代替可能な常勤枠の特定 働き方改革の制約で負荷がかかっている当直・輪番日の枠のうち、外部医師の継続活用で代替可能なものを特定します。この枠を置き換えれば、その分の常勤採用の圧迫要因が減ります。

ステップ4|次年度予算の再配分 棚卸しとCPA算出をもとに、次年度の採用予算を4象限へ再配分します。配分比は自院の状況に応じて設計し、②紹介会社経由への一極集中を解くことを基本方針とします。

ステップ

確認事項

1. 棚卸し

過去3年の紹介会社別手数料総額・定着率・返金実績を整理したか

2. CPA算出

採用チャネル別の1件あたり採用単価を算出したか

3. 代替枠特定

外部委託で代替可能な常勤枠を特定したか

4. 予算再配分

次年度採用予算を4象限へ再配分したか

残業増加と人材確保の現場データから外部活用を設計する視点はWAM調査が示す現場の限界と外部人材活用術、補助金と外部医師を組み合わせる手は重点医師偏在対策支援区域の補助金と質の高い外部医師の確保策 を参照ください。


まとめ──「手数料が高い」の本質は、採用ポートフォリオの未設計

「医師紹介会社の手数料は高い」という感覚は、厚労省・全日本病院協会等のデータで裏付けられる客観的事実です。そのうえで本稿の主張を3点に要約します。

  1. 表面手数料の外側に、同等以上の隠れコストが存在する。短期離職損失・戦力化遅延・オンボーディング工数・採用力の蓄積機会損失を合算したTCOで評価すべきです。

  2. 手数料相場は構造的に下がりにくい。働き方改革による非常勤需要、医局派遣の縮小、成果報酬型モデルが下げ圧力を打ち消しています。

  3. 削減の現実解は採用ポートフォリオの再設計にある。常勤-非常勤×内部-外部の4象限で枠を切り分け、②紹介会社経由への一極集中を解くことが、医師採用コストを構造的に下げる鍵となります。

さらに、2026年度診療報酬改定で議論される急性期入院料の実績要件(救急搬送実績など)を視野に入れると、採用ポートフォリオの再設計は単なるコスト削減ではなく、地域で急性期機能を維持するための経営インフラ整備という意味を持ちます。採用に使う予算が減れば、そのぶん救急体制の強化や医療DX投資に回せます。

救急搬送実績と入院料要件の関係は急性期病院一般入院基本料と救急搬送実績への対応、応需率→入院率→稼働率→収益の連鎖設計は病院経営を黒字化する3つの起点 で扱っています。

ドクターズプライムワークは、「救急車のたらい回しを解決し、病院経営を黒字化する」ことを掲げる「断らない医師」と「データ分析」の救急改善プラットフォームです。本稿の4象限のうち、特に④(外部プラットフォームによる継続的な当直・救急応需体制)に位置づき、複数の2次救急病院で紹介会社依存を縮小しながら応需率・収益の改善を両立させてきました。

📄 理事会・経営会議の配布資料として、編集なしで使える形に整理した他院の成功事例集をご用意しています。 紹介手数料の削減と当直体制の再設計を同時に検討する際の素材として、他院の成功事例集をダウンロード いただけます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 医師の紹介手数料の相場はいくらですか? 厚労省の令和4年度実績では、医師採用の平均手数料は1件あたり全国平均98.4万円です。ただしこれは短期紹介を含む全件平均で、年収1,500万円超の常勤医に絞ると、全日本病院協会等の調査で平均351.7万円という水準も示されています。詳細は本文「相場」の章をご覧ください。

Q2. 医師採用コストを下げるために最初にやるべきことは何ですか? 過去3年の採用コストの棚卸しです。紹介会社別の手数料総額・定着率・返金実績を整理し、チャネル別の採用単価(CPA)を算出することから始めます。これなしに削減目標は立てられません。具体的な体制側の削減策は医業利益を圧迫しない救急体制の築き方 を参照ください。

Q3. 紹介手数料は今後下がりますか? 構造的に下がりにくいと考えられます。働き方改革による非常勤需要の増加、医局派遣の縮小、成果報酬型モデルのインセンティブ構造が下げ圧力を打ち消しているためです。2025年4月の制度改正でも導入されたのは手数料率の「公表義務」であり、上限規制ではありません。

Q4. 返金規定があれば短期離職のリスクはカバーできますか? 完全にはカバーできません。返金対象は概ね3〜6ヶ月、割合も逓減するのが一般的で、再紹介は別の医師の紹介となり追加の採用プロセスが発生します。医師の転職サイクルが短期化する現状では、返金規定だけでリスクを吸収するのは難しいと考えられます。

Q5. 「採用ポートフォリオの4象限」とは何ですか? 医師採用の枠を「常勤-非常勤」×「自院内部-外部依存」の2軸で整理する考え方です。①直接採用、②紹介会社経由の常勤採用、③院内非常勤プール、④外部プラットフォームの4つに分散させ、②への一極集中を解くことで採用コストを構造的に下げます。

Q6. 紹介会社は使うべきではないのですか? 全廃する必要はありません。急な採用、急性期の専門科、母集団が未形成の診療科、部長・副院長クラスのエグゼクティブ採用では有効です。使う枠を限定し、代替可能な枠を他チャネルに移すのが現実的です。外部医師確保の全体像は救急当直医確保の3つの経営判断 を参照ください。

Q7. 紹介会社と救急改善プラットフォームはどう違いますか? 単発紹介が「成約時に年収の20〜30%が一括発生」する成果報酬型であるのに対し、継続契約型のプラットフォームは月額固定を基礎にコストを平準化し、応需体制の改善や採用力の内製化に費用が波及します。費用構造の比較軸は外部委託サービスの3類型と選定5観点 で整理しています。

Q8. 当直の負担が常勤採用を圧迫しています。何から手をつければよいですか? 働き方改革の制約で負荷がかかっている当直・輪番日の枠のうち、外部医師の継続活用で代替可能なものを特定することです。この枠を置き換えれば常勤採用の圧迫要因が減ります。宿日直許可の論点は「宿日直許可が取れない」でも病院を守る、応需率の経営価値は救急応需率1ポイントの経営価値 を参照ください。


参照情報

執筆・編集・監修

執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

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