更新日:
2026/4/28

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keyboard_arrow_rightこちらは2026年4月24日配信されたセミナーレポートをベースに内容を一部編集させて頂いた記事です。
急性期病院の現状と課題:医師の働き方改革により、救急応需率の低下と病院収益の悪化が全国的な課題となっている。
セミナー独自の解決アプローチ:中国労災病院・栗栖薫院長が実践する、各科が自発的に救急を受け入れる「3つの手」のエッセンスを紹介。
動画本編で得られる具体的な成果物:現場の反発を乗り越えた「泥臭い対話術」や、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を現場の行動レベルに落とし込む具体的な実践手順を公開。
「救急の受け入れ要請を断らざるを得ない」「一部の医師ばかりに当直や救急の負担が偏っている」「経営層の危機感が現場のスタッフに伝わらない」——このような組織マネジメントや救急医療体制の悩みを抱える急性期病院の院長・事務長は少なくありません。
本記事では、救急応需率90%超という数字を維持し、各診療科の医師が自発的に救急患者を受け入れる組織文化を構築した中国労災病院・栗栖薫院長のセミナー『応需率90%超の秘密 なぜ各科が自発的に救急を受け入れるのか?〜組織の価値観がズレた時に打つべき「3つの手」と、栗栖院長が実践するMVV浸透術〜』のレポートをお届けします。この記事を通じて、自院の課題解決に向けたヒントを見つけてください。
結論:医師の働き方改革が本格化する中、診療科間の「組織の壁」が救急応需率低下の最大のボトルネックとなっています。
解説: 2024年4月から施行された医師の時間外労働の上限規制(働き方改革)により、救急現場における労働環境の改善と負担軽減は、どの病院にとっても待ったなしの急務です。一方で、病床稼働率や病院収益を維持し、地域医療の要としての役割を果たすためには、救急車の受け入れ(応需率)を高く保たなければなりません。
一般的な病院マネジメントの課題として多く挙げられるのが、経営層と現場の温度差や、診療科ごとの縦割り構造(セクショナリズム)です。「自分たちの科の範囲だけを守る」という意識が強まると、結果的に救急科や特定の若手医師にばかり負担が集中してしまいます。チーム医療を阻むこの「組織の壁」を壊さない限り、スタッフの燃え尽き症候群(バーンアウト)による離職を招き、救急応需率の低下、ひいては経営悪化という負のスパイラルから抜け出すことはできません。
結論: 救急応需率の向上による「病院収益の最大化」だけでなく、他科バックアップ体制による「医師の心理的安全性と定着率の向上」に繋がります。
解説: 救急搬送件数の増加は、入院患者数の増加や病床稼働率の安定化に直結し、病院全体の収益向上をもたらします。しかし、それ以上に重要なのは、組織全体で救急を支える体制ができることの副次的効果です。
セミナーで語られた中国労災病院の事例では、麻酔科出身の元院長が構築したシステムを基盤に、他科の医師がバックアップに入る体制が整っています。例えば、夜間救急において放射線科の専門医が24時間体制で画像診断の補助・フィードバックを行うシステムが稼働しています。これにより、当直を担う若手医師が「一人で抱え込まずに済む」という心理的安全性が担保され、不安なく救急患者を受け入れることが可能になります。結果として、各科の垣根を越えた自発的な受け入れ文化が育ち、定着率の向上にも貢献するのです。
結論: 立派な理念(MVV)を掲げるだけで満足し、現場への落とし込みや「双方向の対話」を怠ってしまうことです。
解説: 多くの病院では、立派な基本理念や方針を掲げているものの、それがパンフレットや壁のポスターに書かれているだけの「形骸化」した状態になりがちです。栗栖院長も指摘するように、「経営層が一度説明しただけで、現場のスタッフが理解し動いてくれる」と錯覚するのは、組織マネジメントにおける大きな間違いです。
特に、パンデミックなどの危機的状況や、病院の大きな方針転換を迫られた際、トップダウンで一方的に「救急を受け入れろ」「業務を改善しろ」と指示を出すだけでは、現場の不満や不信感を増長させます。「なぜ今、自分たちがこれをやらなければならないのか」という背景や納得感がなければ、医師もスタッフも決して自発的には動きません。
結論: 原点回帰の「歴史の再認識」、行動に結びつく「MVVの再定義」、そして泥臭い「双方向のコミュニケーション」の3つです。
解説: 中国労災病院が長年にわたり応需率90%超を維持し、医師たちが自発的に動く組織を作れた根底には、組織の価値観を一つにするための明確な「3つの手」が存在します。
病院の歴史の再認識:自院がそもそもなぜこの地域に設立されたのか、誰のための病院なのかという社会的使命(原点)を問い直すこと。
ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の浸透:抽象的な理念で終わらせず、「日々の業務で具体的にどう行動すべきか」を示すバリュー(行動指針)を再定義すること。
経営判断の背景共有と相互コミュニケーション:経営層の決定事項の「背景」を包み隠さず伝え、現場の声を吸い上げる仕組みを作ること。
しかし、理念を再定義したからといって、すぐに組織が変わるわけではありません。 「では、具体的に反発する現場の医師たちをどうやって納得させたのか?」 「現場の不満を吸い上げるワーキンググループを、どのように機能させたのか?」 「新しい体制に移行する際、栗栖院長が実際に用いた泥臭い対話のテクニックとは何だったのか?」
これらの「具体的な実践ステップ」や「成功を左右したリアルなコミュニケーションの手法」については、本記事ではあえて書ききっていません。 組織の価値観を根本から変革するための重要な鍵は、トップ自らが現場に赴き、何度でも対話を繰り返す覚悟と、その「伝え方」に隠されています。
救急応需率の改善や働き方改革への対応は、システムの導入だけで解決するものではありません。ドクターズプライムワークでは、救急領域の改善や医師確保の支援を行っておりますが、何よりもまず「自院の組織マネジメントを見直し、スタッフが同じ方向を向く文化を作る」ことが根本的な解決への第一歩となります。
中国労災病院がどのようにして組織の危機を乗り越え、驚異的な救急応需率を誇る「断らない病院」へと進化したのか。その具体的な実践プロセスや、他院でも再現可能な成功事例の詳細は、以下のセミナー見逃し配信ページで余すところなく公開しています。
自院の組織改革に本気で取り組みたい経営層・事務長の方は、ぜひ動画本編にて「具体的なノウハウ」をご確認ください。
登壇者紹介
独立行政法人労働者健康安全機構 中国労災病院 院長 栗栖 薫 先生
1981年広島大学医学部卒業。脳神経外科に入局し助手、講師、助教授を経て1995年より25年間教授職を務める。 文部科学省在外研究員として1999年にドイツ・カナダ・アメリカに留学。広島大学病院副病院長、広島大学副理事を歴任。 2020年3月広島大学を退職後、同年4月には中国労災病院長、広島大学名誉教授に就任。
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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