更新日:
2026/4/17

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keyboard_arrow_rightこちらは2025年12月9日配信されたセミナーレポートをベースに内容を一部編集させて頂いた記事です。
市場背景: 2024年問題や高齢化により救急搬送件数は増加の一途をたどる一方、搬送困難事案も深刻化しており、病院には「選別」ではなく「受け入れの循環」が求められています。
独自のアプローチ: 春山記念病院は、病床数99床(急性期39床)という限られたリソースの中で、日勤帯の改善から着手し、2年で受入件数を約4倍にまで伸ばしました。
本記事の成果: 救急隊との信頼構築術、診断を起点とした「転送」の活用、そしてスタッフを自発的に動かす「リーダーシップのあり方」のヒントを提示します。
動画特典: セミナー本編では、具体的なベッドコントロールの数値管理表や、実際に現場で使われている他院への転送ルールなど、明日から使える「改革の実行手順」を解説しています。
「昔はもっと受けていたのに、いつの間にか断るのが当たり前になってしまった……」 コロナ禍を経て、多くの急性期病院がこうした「救急の停滞」に悩まされています。医師の働き方改革が本格化する中、無理な受け入れは現場の疲弊を招き、経営を圧迫するという懸念も少なくありません。
しかし、新宿区にある春山記念病院は、わずか2年で救急受入件数を2,000件から7,500件へと劇的にV字回復させました。本記事では、同院の副院長・藤川翼先生が登壇したセミナーの内容を元に、医療機関のマネジメント層が知るべき「持続可能な救急改善」の本質を探ります。
結論: 高齢化による救急需要の増加と、2024年4月から施行された「医師の働き方改革」による労働時間制限が、受け入れのミスマッチを加速させています。
解説: 厚生労働省や消防庁の統計によれば、救急車の出動件数は過去最多を更新し続けています。一方で、医療現場では医師の長時間労働を是正するための上限規制が始まり、当直体制の縮小や「確実に見られる症例のみを受ける」という選別傾向が強まっています。
特に中小規模の急性期病院においては、内科当直医の不在や病床逼迫を理由に、救急隊からの要請を断らざるを得ないケースが目立ちます。しかし、この「断る慣習」は地域の救急隊との信頼関係を損なうだけでなく、結果として病院の活気と経営体力を削ぐ悪循環を生んでいるのが現状です。
結論:収益改善といった経営面だけでなく、地域の信頼獲得と、病院全体の「活気(モメンタム)」の回復に直結します。
解説:セミナーにおいて藤川先生は、「救急車を撮っている病院には活気がある」と強調します。受入件数の増加は、入院患者数の増加に繋がり、病床稼働率と収益をダイレクトに押し上げます。春山記念病院の事例でも、コロナ禍の赤字状態から救急の復活に伴い、経営数値は大幅な改善を見せました。
また、副次的なメリットとして、地域のクリニックや救急隊からの「あそこなら受けてくれる」という信頼が醸成されます。これにより、単なる紹介件数の増加だけでなく、医師会などの地域コミュニティ内でのプレゼンス向上にも寄与します。
結論:現場への「掛け声」だけで体制を整えず、医師個人の熱意に依存しすぎてしまうことにあります。
解説:多くの病院で「救急を増やそう」という目標が掲げられますが、現場の看護師や医師からすれば「これ以上忙しくなるのは困る」という反発が生まれるのは自然なことです。藤川先生が着任した当時も、病院全体に「発熱があるから、内科がないから断っても仕方ない」という空気が蔓延していました。
特に多いのが以下のパターンです。
届出漏れ:人員配置や施設基準を満たしているにも関わらず、適切な届出を行っていないために上位の点数が取れていない。
算定漏れ:実際には実施している医療行為や指導管理に対して、算定要件の理解不足から請求を行っていない。
失敗する共通点は、「断る理由(バリア)」を取り除く仕組みを作らずに、精神論だけで進めてしまう点です。例えば、「内科が見られないから」という理由で一律に断るルールを放置したままでは、現場の行動は変わりません。
結論:「断らない」という覚悟の宣言と、日勤帯からのスモールステップ、そして自院の「強みと弱み」を明確にした役割分担が不可欠です。
解説:春山記念病院がV字回復を成し遂げた背景には、単なる精神論ではない戦略的なステップがありました。
日勤帯の「100%応需」からの着手 いきなり24時間体制を構築するのではなく、まずはマンパワーのある日勤帯から確実に受ける実績を作り、救急隊に「今の春山は違う」という印象を植え付けました。
「ファーストタッチ」への特化 「最後まで自院で完遂しなければならない」という思い込みを捨て、まずは診断をつけるファーストタッチに集中。自院で対応困難な症例は、診断がついた状態で他院へ相談するという「循環」の仕組みを構築しました。
非専門領域をカバーするチーム構築 外科に強みを持つ同院が、内科系の症例をどう捌いたのか。そこには、非常勤医師の活用や、Dr.'s Prime Workのような外部サービスを戦略的に組み込み、特定の医師に負担が集中しない体制づくりがありました。
しかし、最も重要なのは、スタッフに「この先生は本気だ」と思わせ、協力体制を築くための独自のコミュニケーション術にあります。現場の「諦め」を「協力」に変えた具体的な声掛けとは何だったのか?
救急改善は、単なる数字の積み上げではなく、病院全体の文化を変えるプロジェクトです。春山記念病院が39床の急性期病床で年間7,500件もの救急を受け入れられるようになったのは、決して魔法があったわけではありません。
医師の覚悟をどう組織に伝播させるか
限られた病床で患者を回すための具体的な動線設計
外国人患者や未収金リスクといった現場の懸念をどう解消したか
より具体的な実践ステップや、他院の成功事例(Before/After)の詳細は、以下のセミナー見逃し配信ページで公開しています。自院の改革を加速させたい院長・事務長の方は、ぜひこの機会にご視聴ください。
登壇者紹介
春山記念病院 副院長 藤川 翼 先生
東京都出身、東京医科大学卒業。大学病院の救命救急センターで8年間最前線を守り、災害医療の精鋭「東京DMAT」では隊員を指導するインストラクター資格も持つ実力派。
2024年より春山記念病院副院長に就任し、現在は計3つの病院で救急現場を支えるなどオファーが絶えない。趣味は裏千家の茶道。「静と動」を併せ持つ精神で地域医療を牽引する、次世代のリーダーである。
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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