更新日:
2026/5/15

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keyboard_arrow_right※本記事は厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 3. 急性期・高度急性期入院医療」および「同 7. 外来医療の機能分化・強化等」から、必要度の見直しと外来様式1の見直しを横断的に編集した記事です。
病院の施設基準等の要件を満たすためのデータ提出作業は、長らく現場の事務スタッフや医療従事者の皆様にとって大きな負担となってきました。特に事務長や経営企画部門の皆様におかれては、毎回の診療報酬改定のたびに複雑化する要件への対応に日々苦慮されていることと存じます。
それに加え、昨今の診療報酬改定では「実績に基づいたシビアな評価」が推進される傾向にあります。単に体制を整えるだけでなく、実際にどれだけの患者を受け入れ、どのような医療を提供したかという実績データが問われるなか、病院としてどう対応すべきか悩まれている経営層の方も多いのではないでしょうか。
この流れは一時的なものではなく、国が「正しい急性期医療を提供している病院を正当に評価する」という方向性を、改定のたびに強化してきた結果です。データを整えるだけで基準をクリアできた時代は終わりを迎えており、実態としての救急・急性期機能の強化こそが、今後の病院経営の根幹に据えるべきテーマとなっています。
こうした現場の課題に対し、次期改定では医療機関の業務負担軽減を目的とした調査項目の簡素化が行われます。しかしその一方で、データに基づく適切な評価を推進するため、診療実績を測る新たな調査項目が新設・見直されることになりました。

改めて前提を整理します。外来様式1とは、医療機関の外来機能や診療実績を国が客観的に評価・把握するために提出が求められるデータフォーマットのことです。
今回の見直しの要点は、単なる入力作業の削減にとどまりません。不要な作業が減る一方で、より本質的かつ経営に直結する「診療実績」データの提出が求められるようになった点に注意が必要です。簡素化によって生まれた余力を、実績向上のための現場改善に振り向けられるかどうかが、この改定で差がつくポイントになります。
📌 編集部ピックアップ
ある医療経営の専門家は「今回の保険改定は、対応すれば生き残れるという改定ではないはずです」と語っています。データ提出の効率化は入り口に過ぎず、「実績に裏付けられた急性期機能をいかに構築するか」という本質的な問いに向き合えているかどうかが、病院の将来を左右するといいます。
調査項目の見直しやデータ提出要件の厳格化が現場に与える影響は極めて大きくなります。重症患者の受け入れ数や救急応需率といった本質的なデータが精緻に取得され、それが病院の評価や診療報酬の算定可否に直結するようになります。
今回の改定で特に注目すべきは、「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の施設基準の見直し」です。改定後は、従来の「該当患者割合」に「救急患者応需係数」を加算した 「割合指数」 が施設基準の判定値として導入されます。救急患者応需係数は「病床あたり年間救急搬送受入件数 × 0.005」で算出され、上限は10%です(年間救急搬送受入件数は、対象病棟への入院割合で按分してから病床数で除します)。つまり救急搬送数の多い病棟ほど割合指数が押し上げられ、表面的な該当割合よりも有利に評価される設計です。
これにより、各入院料の算定要件は以下のように大幅に引き上げられます。
改定後の各入院料の 割合指数 の基準値(必要度Ⅱベース)は以下のとおりです。なお必要度Ⅰを用いる場合は、Ⅱよりも1ポイント高い基準が設定されます(例:急性期一般入院料1のⅠは基準①28%、基準②35%)。
・急性期一般入院料1:基準① 20% → 27%、基準② 27% → 34%
・急性期一般入院料2:21% → 27%
・急性期一般入院料3:18% → 23%
・急性期一般入院料4:15% → 19%
・急性期一般入院料5:11% → 14%
経過措置は令和8年9月30日まで設けられています。
出典: 令和8年度診療報酬改定 3. 急性期・高度急性期入院医療(厚労省PDF) / 重症度、医療・看護必要度の3つの見直しポイント(解説)
新しい基準では、救急搬送の受け入れ実績(救急患者応需係数)が割合指数に直接組み込まれるため、入力内容の工夫だけで基準をクリアすることは難しくなっています。表面的な対策から脱却し、実態としての救急受け入れ体制を強化することが、唯一の根本解決策となります。
📌 編集部ピックアップ
ある元厚労官僚の病院経営者は「来年度の予算編成の大きな目標を1500台に設定している。1500台に近い病院はこの数字を職員に刷り込んでいかないと今後厳しくなる」と語っています。救急搬送の実績が割合指数に直接反映される今回の改定では、数値目標を組織全体で共有し、受け入れ体制を計画的に強化していくことが急務といえます。
では、院長や事務長、経営企画の皆様が明日から取るべき具体的なアクションは何でしょうか。それは、根本的な「救急受け入れ体制の強化」に本腰を入れることです。
しかし、救急受け入れをむやみに増やせば、ただでさえ多忙な自院の常勤医師をさらに疲弊させてしまうというジレンマが生じます。医師の働き方改革が本格化するなか、マンパワーに頼る体制強化は現実的ではありません。
📌 編集部ピックアップ
ある関東圏の2次救急病院では、応需率が50%未満という深刻な状況から、外部医師活用・診療マニュアル整備・看護師専属化・振り分けルール化を同時推進したことで、年間受入数が約1.6倍にまで改善したといいます。「個人の頑張りから組織の仕組みへ」という転換が、救急患者応需係数の向上にも直結していました。
そこで有効な解決策となるのが、ドクターズプライムワークの活用です。救急科専門医や救急対応に優れた医師のスポット・定期非常勤の採用を支援する本サービスを活用することで、以下のような経営改善が期待できます。
自院の医師を疲弊させない体制構築:夜間・休日の救急対応を外部の優秀な医師に任せることで、常勤医の負担を大幅に軽減できます。
救急受け入れ実績の確実な向上:救急応需率が高まり、「救急患者応需係数」や「割合指数」の厳しい要件クリアに直結します。
次期改定にも耐えうる強靭な組織づくり:実績に裏付けられた正しいデータが蓄積されるため、将来の診療報酬改定でも高く評価される病院基盤を構築できます。
算定要件の引き上げは、決してピンチではありません。正しい救急医療を提供している病院が正当に評価される機会でもあります。これまで実績を積み上げてきた病院には追い風となり、実態が伴っていない病院には厳しい現実を突きつける改定です。
外来様式1等の調査項目の簡素化によって生まれた事務の余力を、救急受け入れ体制の強化という本質的な取り組みへと再投資できるかどうか——それが、この改定を境に経営格差が広がるポイントになります。自院の医師を守りながら経営データを最適化し、地域に選ばれる急性期病院を作り上げていくために、ぜひドクターズプライムワークをご活用ください。
より具体的な導入事例や、貴院の課題に合わせた救急体制の改善プランにご興味をお持ちの方は、ぜひ一度ドクターズプライムの資料請求や無料デモをご依頼ください。
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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