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【令和8年法改正】「地域医療介護総合確保基金」が再編へ。救急現場を救う「新区分」の正しい使い方

    【令和8年法改正】「地域医療介護総合確保基金」が再編へ。救急現場を救う「新区分」の正しい使い方

    更新日:

    2026/5/15

    【令和8年法改正】「地域医療介護総合確保基金」が再編へ。救急現場を救う「新区分」の正しい使い方|メソッド

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    ※今回の記事は、厚生労働省 第125回 社会保障審議会医療部会(令和8年3月9日)資料1「医療機関の業務効率化・勤務環境改善に関する法改正について(検討中の内容)」配布資料一覧はこちら)の内容をもとに編集部が構成した記事です。

    救急部門の負担軽減と収益確保の両立に向けて

    医師の働き方改革が本格化するなか、多くの病院において、特に救急部門の勤務環境改善と人材確保が喫緊の経営課題となっています。

    昼夜を問わず救急患者を受け入れる現場では、常勤医に対する時間外労働の負担が重くのしかかっています。その一方で、単に労働時間の短縮だけを優先すれば、救急車の受け入れ制限を余儀なくされ、病院の重要な収益源を損なってしまうというジレンマが存在します。

    📌 編集部ピックアップ

    九州のある180床台の2次救急病院では、外部の救急専門医を導入した初年度に、日勤帯の救急応需率がほぼ100%に達し、月平均入院数12.8人(率75.8%)、年間約3600万円の増収を実現しました。同院の経営層は「導入費用はもはやコストではなく確実な投資だった」と振り返っています。勤務環境改善と収益確保の両立は、戦略次第で十分に実現可能です。

    体制整備に向けたシステム導入や、新たな人材を確保するための「原資」の捻出に頭を悩ませている経営層や事務長の方々は少なくありません。

    日々の過酷な業務の中で、いかにして勤務環境を改善しつつ、病院の収益基盤である救急の受け入れを維持・拡大していくのか。この複雑な課題を解決するための糸口として、国の支援制度を正しく理解し、有効に活用することがこれまで以上に求められています。

    地域医療介護総合確保基金の「新区分」とは

    まず結論から申し上げますと、2040年に向けて医療従事者を安定的に確保し、質が高く効率的な医療提供体制を構築するため、国による医療機関への支援制度が大きく見直されます。具体的には、地域医療介護総合確保基金の対象事業において、新たな区分が設けられる予定です。

    これまで地域医療介護総合確保基金の区分Ⅵ「勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備に関する事業」で支援されてきた取組に加え、令和8年度からは新たに「業務効率化・勤務環境改善に関する事業」が新区分として設けられる予定です(旧区分Ⅵも所要の法改正に伴い見直しが予定されています)。
    出典:第125回 社会保障審議会医療部会 資料1

    本制度改正に関する重要なポイントは以下の通りです。

    予算規模:令和8年度(R8年度)当初予算案として、647億円が計上されています(内訳として、国負担:医療分 647億円、公費全体では医療分 960億円という規模になります)。

    支援の対象となる取組例: 単なる労働時間削減にとどまらず、業務のDX化を通じた幅広い効率化が想定されています。たとえば、スマートフォンを活用した情報共有(チャット機能やビデオ通話など)、見守りカメラやスマートグラスを用いた看護業務の効率化、さらには音声入力や生成AIを活用した文書作成支援など、先進的な取り組みが対象として挙げられています。

    出典:令和8年3月9日 第125回社会保障審議会医療部会 資料1

    広義の「勤務環境改善」への投資

    今回の法改正と新区分の創設は、これからの病院経営に非常に大きな影響を与えます。最大のポイントは、従来の「労働時間の短縮」という狭義の目的から、より広範な「業務効率化・勤務環境全体の改善」に向けた投資が国から評価され、重点的に支援される形へと転換した点にあります。

    ①基金の新区分創設に加え、②業務効率化・勤務環境改善に積極的・計画的に取り組む病院を厚生労働大臣が認定する仕組み、③都道府県の医療勤務環境改善支援センターの機能強化、④医療法・健保法上の責務化(管理者・保険医療機関ともに業務効率化に「努める」旨)の4本柱で構成されています。とくに②の認定取得は、採用市場での差別化や住民からの評価にも直結します。

    特に、業務過多に陥りやすい救急現場においては、この制度変更が大きな追い風となります。マンパワーの不足を、ICTツールや最新機器の導入といったハード・ソフト両面から補うアプローチが、国の方針と合致するからです。

    これからの病院経営においては、制度の趣旨を正しく理解し、自院の課題(特に過酷な救急現場の改善)に適合した事業計画を立案できるかどうかが問われます。基金や補助金を有効に活用して継続的な投資を行える病院と、そうでない病院との間で、競争力や優秀な医療従事者の採用・定着率に大きな差が生じてくることが予想されます。

    出典:第125回 社会保障審議会医療部会 資料1

    基金を活用した具体的なアクションと外部人材活用のすすめ

    では、本基金の動向を踏まえ、具体的にどのようにして救急部門の改善を進めればよいのでしょうか。読者の皆様に推奨したい具体的なアクションは以下の2点です。

    第一に、地域医療介護総合確保基金の新たな枠組みを活用し、院内のICT化や設備整備(ハード・ソフト面)を速やかに進めることです。これにより、現場の事務作業や無駄な情報伝達の時間を削減し、医師が本来の医療行為に専念できる環境を整えます。

    第二に、システム導入と並行して「救急当直の外部人材活用」による抜本的な負担軽減策を実行することです。システムによる業務効率化だけでは、夜間休日の当直業務そのものをなくすことはできず、根本的な人材不足の解消には至りません。

    📌 編集部ピックアップ

    関東のある330床台の病院では、応需率50%未満から外部救急医の活用とマニュアル整備、看護師の専属化などの取り組みを組み合わせることで、年間救急受入台数が約1.6倍の4800台へと増加し、応需率は70%超に到達しました。

    また東京のある99床の2次救急病院では、救急専門医の副院長着任と「断らない宣言」の徹底により、2年間で救急台数が約1.9倍の7500台に達成。効率化と人材配置の両輪による改革が、確実な成果を生んでいます。

    そこで有効なのが、ドクターズプライムを活用した質の高い救急医の確保です。ドクターズプライムを通じて即戦力となる医師を安定的に配置することで、以下の効果が期待できます。

    常勤医の時間外労働削減:夜間・休日の救急対応を外部の専門人材に任せることで、院内の常勤医がしっかりと休息を取れる体制を構築できます。

    救急車受け入れ台数の増加(収益向上): 救急対応のマンパワーが強化されることで、これまで断らざるを得なかった救急要請にも応えられるようになり、結果として病院全体の収益向上に直結します。

    国の支援制度で設備投資の原資を確保しつつ、外部人材の活用によって人的リソースを補完する。この両輪を回すことが、救急領域の経営課題を解決する最短ルートとなります。具体的な導入ステップや成功事例については、ぜひドクターズプライムのソリューション資料をダウンロードしてご確認ください。

    まとめ:持続可能な救急医療体制の構築を目指して

    医師の働き方改革への対応は、病院にとって単なるコストの増加や業務の制限ではありません。むしろ、最新の支援制度を活用して病院の組織体制を筋肉質に変革するための、絶好の投資機会と捉えることができます。

    法改正によって新設される地域医療介護総合確保基金の「業務効率化・勤務環境改善に関する事業」を的確に活用し、ドクターズプライムのような外部リソースを適切に組み合わせることで、常勤医の負担軽減と病院収益の向上は十分に両立可能です。まずは自院の現状の課題を改めて整理し、本基金の活用に向けた情報収集と、具体的な改善計画の策定に向けた第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

    執筆・編集・監修

    執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
    「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

    監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
    聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

    参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

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