更新日:
2026/5/15

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keyboard_arrow_right※今回の記事は厚生労働省が発表している救急医療情報連携プラットフォームについてから一部を抜粋し編集した記事となっています。
日々地域医療の最前線に立たれる病院経営陣や人事ご担当者の皆様におかれましては、救急患者の受け入れ調整に苦慮される場面も多いのではないでしょうか。近年、救急搬送要請が全国的に増加し続ける中で、多くの総合病院が深刻な課題に直面しています。
消防庁が公表した「令和7年版 救急・救助の現況」(令和8年1月20日公表)によると、令和6年中の救急自動車による救急出動件数は771万8,380件(約772万件)と、前年から約8万件増加しました。さらに病院収容所要時間(119番通報を受けてから医師に引き継ぐまでに要した時間)の平均は約44.6分で、新型コロナ禍前の令和元年と比較して約5.1分延伸しています。搬送困難の慢性化を背景に、情報連携の仕組み化による効率化が急務となっています。
その最も大きな課題の一つが、「当直医のマンパワー不足」や「専門外の救急患者に対する受け入れ不安」に起因して、救急要請を断らざるを得ないケースが発生していることです。地域の基幹を担う病院にとって、救急の受け入れは地域医療へ貢献するための重要な使命です。しかし、受け入れ困難による機会損失は、同時に病床稼働率の低下や病院経営における収益低下を招く大きな要因となっています。
📌 編集部ピックアップ
ある救急専門医は「断る理由はいくらでも見つかる。でもその多くは臆測でしかない。一旦は受けてみる、受けた上で判断するのが地域の救急を担う病院の役割」と語っています。応需をためらわせる要因として「専門外・混雑・病床なし・複雑な患者背景・院内からの圧力」の5つが挙げられており、このうち院内からの圧力は経営層が方針を明確に示すことで解消できます。
厚生労働省が公表している「救急医療情報連携プラットフォームについて」では、現在各自治体が実施している「救急医療情報センター事業」の機能を、平時は新設の「救急医療情報連携プラットフォーム」へ、災害時は既存のEMISへ集約する方向性が示されています。完全集約のスケジュールは段階的に進められる見込みで、病院側はいずれの情報をどちらに入力・更新するかを早期に整理しておく必要があります。
具体的には以下のように情報の窓口が再編されます。

① 通常時事業の集約:救急医療情報連携プラットフォームへ
これまで随時更新されていた「診療科別医師の在否」「診療科別の手術及び処置の可否」「病室の空床状況(診療科別、男女別、集中治療室等の特殊病室及びその他)」などの情報収集事業、ならびに情報提供・相談事業は、新たな救急医療情報連携プラットフォームに機能集約されます。なお、救急医療情報センター運営委員会の開催については、引き続き継続される見通しです。
② 災害時事業の集約:EMISへ
有事の際における「医療施設状況」「患者転送要請」「医薬品等備蓄状況」「電気等の生活必需基盤の確保状況」「受入患者状況」などの災害時の情報収集及び提供事業は、EMIS(広域災害・救急医療情報システム)へと機能集約されます。
この再編によって、平時と有事の双方における情報連携の役割分担が明確になります。病院としては、どちらのシステムにどのような情報を登録・更新すべきかを把握した上で、院内体制を整備しておくことが重要です。
こうした行政主導のデジタル化やシステム集約が進む一方で、病院収容までの時間が延伸している根本的な背景には、救急隊が受け入れ先病院を見つけるまでの「照会回数の増加(搬送困難事案)」が存在します。
受け入れを打診される現場の医師たちは、既存の入院患者対応や日中の診療業務などで既に疲弊しています。そのため、経営陣が収益改善や地域貢献のために、現場の状況を鑑みず「救急を絶対に断らないように」と指示を出すだけでは、かえって危険です。医療安全上のリスクを高めるばかりか、医師の心身を追い詰め、最悪の場合は病院の根幹を支える常勤医の離職を引き起こしかねません。
システムがどれほど便利になっても、実際に患者を診察し対応する「人」の課題が解決されなければ、真の改善にはつながりません。「指示を出す」のではなく「受けられる環境をつくる」という発想の転換が、経営層に求められています。
それでは、収益確保と地域医療の責務を両立し、この難局を乗り越えるためにはどうすればよいのでしょうか。その答えの一つは、「救急受け入れに前向きで、確かなスキルを持った医師」を外部から確保し、常勤医の負担を物理的に軽減する仕組みを作ることです。
📌 編集部ピックアップ
ある千葉県の2次救急病院では、常勤医の高齢化により応需率が60%台に停滞していたところ、外部の若手救急専門医を輪番日の当直に導入したことで、応需率90%以上・病床稼働率が約9割まで改善したといいます。「外から入ってくる若い先生が断らずに受けてくれることで、院内全体の意識が変わった」という声が聞かれており、外部医師の活用が組織文化の変革にも波及した好例です。
ドクターズプライムワークのソリューションを活用することで、「断らない救急」を実践できる質の高い当直医や非常勤医師をスムーズに採用することができます。意欲的でスキルの高い医師が当直を担うことで、以下のような好循環が生まれます。
常勤医が十分な休息を取ることができ、本来の専門業務に専念できる環境が整う
外部の専門人材が対応することで、救急応需率が大幅に引き上げられる
救急からのスムーズな入院獲得につながり、病床稼働率の安定化が実現する
救急搬送要請の増加と、国を挙げたシステムの集約という変革期において、病院経営には柔軟かつ実効性のある対応が求められています。通常時は救急医療情報連携プラットフォームへ、災害時はEMISへと機能が集約される中、現場の負担を和らげつつ受け入れ体制を強化することが急務となっています。
どれほど優れたシステムが整備されても、受け入れ可否を判断し実際に診療を行うのは「人」です。常勤医を守りながらも収益基盤を盤石にするため、ドクターズプライムワークを通じた質の高い医師の確保を、貴院の持続可能な医療体制づくりと経営改善の第一歩としてご活用ください。
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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