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利益確保の最適解。2026年WAM調査が示す「入院患者増」と、それを実現する救急強化策

    利益確保の最適解。2026年WAM調査が示す「入院患者増」と、それを実現する救急強化策

    更新日:

    2026/5/15

    利益確保の最適解。2026年WAM調査が示す「入院患者増」と、それを実現する救急強化策  |メソッド

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    ※今回の記事は独立行政法人福祉医療機構 経営サポートセンター リサーチグループが発表している病院経営動向調査の概要 2026年4月3日(金)発表から一部を抜粋し編集した記事となっています。

    昨今の病院経営における課題と「利益確保」の壁

    長引く物価高騰に加えて、光熱費や医療材料費の負担増、そして何より医療従事者の処遇改善に向けた人件費の増加が、病院経営を重く圧迫しています。多くの中小病院において利益率の低下が懸念される中、経営層の皆様は「いかにして収益を安定的に確保するか」という命題に日々向き合われていることと思います。

    コスト削減には限界があり、医療の質を維持しながら収益を伸ばすためには、トップライン(医業収益)そのものを引き上げる戦略が必要不可欠です。では、厳しい環境下でもしっかりと収益を確保できている病院は、具体的にどのようなポイントに注力しているのでしょうか。

    収益増加の絶対条件は「入院患者数の増加」【2026年最新データ】

    独立行政法人福祉医療機構(WAM)が発表した「病院経営動向調査(2026年3月調査)」では、医業収益が「増加見込み」と回答した病院(n=54)に対し、その主な理由を問うた結果、全ての区分で「入院患者数の増加」と回答した病院が過半数を占めました。

    独立行政法人福祉医療機構の「病院経営動向調査(2026年3月調査)」より、「5-2-1. 医業収益が増加見込みとなった主な理由」を示す帯グラフ。  画像下部には結論として、「全ての区分において、医業収益が増加見込みとなった主な理由として『入院患者数の増加』と回答した病院が過半数を占めた」と強調して記載されている。

    ・病院全体:66.7%(n=54)

    ・一般病院 200床以上:63.6%(n=11)

    ・一般病院 200床未満:55.2%(n=29)

    ・療養型病院:100.0%(n=8)

    ・精神科病院:83.3%(n=6)

    外来患者数や診療単価の増加といった要因を大きく引き離し、「入院患者数の増加」が収益改善の最も確実なドライバーであることが、最新の調査結果から裏付けられています。明日から向き合うべき最重要テーマは、「いかにして入院患者を安定的に獲得するか」という点に集約されます。

    📌 編集部ピックアップ

    ある中規模病院の副理事長はドクターズプライム編集部の取材に対して、「救急車受け入れを病床稼働率に結びつけなければ、経営改善に繋がっていかない」と語っています。この病院では政策誘導に沿った戦略として救急受け入れを強化した結果、搬送件数は3割以上増加し、入院率は45%から57%へと改善、経常収支は赤字から黒字へ転換しました。救急と病床稼働を連動させる運用設計こそが、収益ドライバーとしての入院患者増加を実現する現実解であるといえそうです。

    入院患者確保を阻む「救急受け入れ」の現場課題

    入院患者を増やすための最も有力で、かつ地域社会から求められているチャネルが「救急車の受け入れ(救急搬送の受け入れ)」です。救急から入院につながるケースは非常に多く、病床稼働率を維持するための生命線と言っても過言ではありません。

    しかし実際の医療現場では、さまざまな要因から救急搬送を断らざるを得ないケースが頻発しています。その背景には、以下のような切実な課題が隠されています。

    • 常勤医師の疲弊と負担増:日中の通常診療や手術に加え、夜間の救急当直までカバーすることで、医師の疲労は限界に達しています

    • 当直体制の脆弱さ:専門外の疾患に対する不安や、バックアップ体制の不足から、当直医が安全面を考慮して受け入れを躊躇してしまうことがあります

    • 機会損失の連鎖:救急隊からの要請を一度断ってしまうと、「あの病院は救急を受け入れてくれない」という認識が広まり、要請件数そのものが減少していくリスクがあります

    現場の医師たちは「決して断りたくて断っているわけではない」という葛藤を抱えています。しかし経営的な視点で見れば、救急車の受け入れを断ることは、そのまま「入院患者(=収益)の獲得機会の損失」に直結してしまいます。

    📌 編集部ピックアップ

    過去に配信されたセミナーで、ある救急科の専門医は「断る理由はいくらでも見つかる。でもその多くは臆測でしかない。一旦は受けてみる、受けた上で判断するっていうのが地域の救急を担う病院としての役割」と述べています。救急告示病院に対して救急専門医の数は大きく不足しており、応需をためらう背景には専門外・混雑・病床なし・複雑患者・院内圧力という構造的な5要因が存在します。現場の葛藤を放置せず、判断基準を仕組みとして整えることが、受け入れ体制の再構築に欠かせません。

    現場の負担をこれ以上増やすことなく、どうすれば無理のない救急受け入れ体制を構築できるかが、経営層に問われる手腕となります。

    救急応需率を向上させ、収益改善を実現する具体的なアクション

    入院患者増加による収益向上を図るためには、救急受け入れ体制の抜本的な強化が急務です。しかし、既存の常勤医師にお願いベースで負担を強いるようなアプローチでは、体制は長続きしません。

    そこで経営層が明日から取るべき具体的なアクションとしてご提案したいのが、外部のプロフェッショナルリソースを戦略的に活用し、「断らない救急」を外部の力で仕組み化するというアプローチです。

    ドクターズプライムを活用した3つの改善ステップ

    ドクターズプライムワークは、医師紹介事業ではなく、病院の救急応需率向上と収益改善にコミットするソリューションを提供しています。

    • ステップ1:機会損失の可視化と、意欲的な当直医の確保:まずは現状の「救急のお断り件数」から「それに伴う想定機会損失額」を算出・可視化します。その上で、独自の評価システムにより、救急受け入れに前向きでコミュニケーション能力に優れた医師のみを厳選してマッチングし、夜間・休日の取りこぼしを防ぎます

    • ステップ2:現場の負担軽減とモチベーション向上:外部の優秀な当直医が救急対応をカバーすることで、常勤医師は日中の診療に専念できるようになります。働き方改革の推進や、労働環境の改善による離職防止にも直結します

    • ステップ3:救急応需率の向上と病床稼働率の最大化:救急隊からの信頼が回復することで搬送件数が増加し、結果として入院患者数が安定的に増加します。これが、確実な医業収益の向上をもたらします

    📌 編集部ピックアップ

    ある2次救急病院では、外部救急専門医の導入により日勤帯の応需率がほぼ100%に達し、月平均の救急入院も2桁台まで積み上がり、初年度で数千万円規模の増収を実現しました。同院の事務部長は「導入費用はもはやコストではなく確実な投資だった」と振り返っており、現場スタッフからも「なんで受けたの?が消えた」という声が上がっているとのことです。外部リソースの活用は、単なる人員補充ではなく、院内の文化と収益構造を同時に変える打ち手として機能しているといえそうです。

    制度対応と収益強化は、役割を切り分けて同時進行させるという発想が、今回の改定期を乗り切る鍵になります。

    まとめ:地域医療への貢献と経営の安定は両立できる

    2026年3月の最新調査が示す通り、病院経営における最大の収益ドライバーは「入院患者数の増加」にあります。そしてそれを実現するための鍵が「救急受け入れ体制の強化」です。

    救急体制の充実は、経営の安定化をもたらすだけでなく、「地域住民の命を守る」という病院本来の使命を果たすことでもあります。現場の医師を守りながら、持続可能で力強い病院経営を実現するために、まずは外部リソースの活用も含めた新たな体制づくりについて、具体的なシミュレーションや情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

    執筆・編集・監修

    執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
    「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

    監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
    聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

    参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

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