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【セミナーレポート】高齢者救急の増加で病床が回らない?急性期病院が取り組むべき「出口戦略」とタスクシフトとは

    【セミナーレポート】高齢者救急の増加で病床が回らない?急性期病院が取り組むべき「出口戦略」とタスクシフトとは

    更新日:

    2026/4/17

    【セミナーレポート】高齢者救急の増加で病床が回らない?急性期病院が取り組むべき「出口戦略」とタスクシフトとは|メソッド

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    こちらは2025年11月7日配信されたセミナーレポートをベースに内容を一部編集させて頂いた記事です。

    エグゼクティブサマリーレポート

    • 市場背景の要点:救急搬送される患者の高齢化が急激に進んでおり、在院日数の長期化によるDPC病床の回転率低下が深刻な経営課題となっています。

    • セミナー独自の解決アプローチ:JCHO中京病院が実践する、地域の多職種連携による「ACP(人生会議)の共有」と、救急救命士を活用した「下り搬送(転院搬送)」の仕組み化のヒントを紹介します。

    • 動画本編で得られる成果物:自院ですぐに参考にできる「独自のACPシート運用の考え方」や、タスクシフトを活用した転院搬送体制構築の「具体的な運用ノウハウ」を学べます。

    救急外来がひっ迫し、高齢患者の入院によって病床が埋まり、現場の医師や看護師が疲弊している……。現在、多くの急性期病院の院長や事務長がこうした悩みを抱えています。

    2024年の医師の働き方改革施行により、医療現場の負担軽減は待ったなしの状況ですが、そこに追い打ちをかけているのが「高齢者救急の激増」です。

    本記事では、JCHO中京病院の真弓俊彦副院長が登壇したセミナー「高齢者救急の対応策の提言から1年。中京病院が選択した高齢者救急対策の1手とは?」のレポートをお届けします。経営と現場を守るための次の一手を探している方は、ぜひ参考にしてください。

    高齢者救急の増加が急性期病院にもたらす経営課題とは?

    結論:現場スタッフの疲弊だけでなく、在院日数の長期化によるDPC収益の悪化という深刻な経営課題をもたらしています。

    総務省消防庁の最新データによると、全国の救急搬送人員のうち65歳以上の高齢者が占める割合は過半数を超え、年々増加の一途をたどっています。本セミナー内で真弓副院長も、「現在の救急搬送患者の約4割が65歳以上であり、さらにそのうちの25%が85歳以上を占めている」と、現場のリアルな数値を指摘しています。

    高齢者救急が病院経営に与える最大のリスクは「入院期間の長期化」です。通常であれば10日程度で退院できる疾患であっても、高齢者の場合は認知症やフレイルなどの併存症があることや、老老介護・独居といった複雑な社会的背景により、退院調整が難航します。

    その結果、入院が2週間〜1ヶ月と長引き、DPC(診断群分類別包括評価)の算定期間(入院期間II)を超過してしまい、病院の病床稼働率や収益性に大きな悪影響を及ぼしてしまうのです。

    高齢者救急の「出口戦略(下り搬送)」に取り組むメリットは?

    結論:救急受入件数を維持しながら病床回転率を向上させ、地域全体で最適な医療・介護を提供できる体制が整うことです。

    急性期病院が収益を維持するためには、救急の入り口(受入件数)を確保しつつ、出口(早期の退院・転院)をいかにスムーズにするかが重要です。

    一般的に、高度な急性期治療を終えた患者を地域の回復期・慢性期病院へと移す「下り搬送(転院搬送)」は、令和6年度の診療報酬改定でも「救急患者連携搬送料」が新設されるなど、国を挙げて推進されている取り組みです。

    セミナー内でも、自院の救急車を活用して状態が安定した高齢患者を速やかに後方支援病院へ転院させることで、病床のブロックを防ぎ、本来の機能である急性期・重症患者の受け入れスペースを確保するメリットが語られています。

    院長・事務長が陥りやすい高齢者救急対策の「失敗例」とは?

    結論:救急外来の医師や看護師など、「一部の現場スタッフの頑張り」だけで事態を解決しようとしてしまうことです。

    高齢者救急の問題は、病院内の救急部門だけで完結できるものではありません。真弓副院長は、「一部の人たちが頑張っても、高齢者救急は簡単には変えられない」と警鐘を鳴らします。

    よくある失敗として、急変して搬送されてきた高齢患者に対し、ご本人やご家族の「今後の医療(延命処置など)に対する意思」が確認できていないため、医療スタッフがどこまで積極的な治療を行うべきか現場で迷い、無用な混乱や負担を生んでしまうケースが挙げられます。

    また、退院調整においても、地域の訪問看護師やケアマネジャー、介護施設などのステークホルダーとの連携が平時から構築できていないと、結果的に患者を自院に抱え込むことになり、現場の疲労困憊を招いてしまいます。

    成功するためのポイントは?(タスクシフトとACP連携)

    結論:地域と連動した「ACP(人生会議)」の共有フロー構築と、救急救命士などを活用した「タスクシフト」による搬送体制の確立です。

    高齢者救急の課題を打破するカギは、大きく2つのアプローチに集約されます。

    1つ目は、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の適切な運用です。中京病院が位置する名古屋市南区では、関連部署と連携して独自の「ACPシート」を作成し、もしもの時に備えた意思決定のプロセスを地域で共有する取り組みを行っています。これにより、救急搬送時の医療スタッフの迷いを減らし、適切なケアへの移行をスムーズにしています。

    2つ目は、「救急救命士」を活用した大胆なタスクシフトです。医師や看護師の業務負担が限界を迎える中、中京病院では複数名の救急救命士を採用しています。彼らが転院搬送(下り搬送)の調整や実際の救急車への同乗を担うことで、医師は本来の治療に専念できるようになります。

    では、実際に「独自のACPシートにはどのような項目を盛り込めば現場で機能するのか?」、そして「救急救命士をどのように採用・配置し、具体的な転院搬送のフローをどう回しているのか?」

    その詳細なノウハウや、現場の具体的なBefore/Afterについては、本セミナーの動画内で真弓副院長が惜しみなく解説しています。

    続きは見逃し配信で視聴頂けます!

    高齢者救急の増加は、もはや一病院の努力だけで乗り切れるフェーズを越えています。地域全体を巻き込んだACPの共有と、多職種連携によるタスクシフト・下り搬送の仕組み化こそが、これからの急性期病院が生き残るための「最適手」となります。

    本記事でご紹介した中京病院の取り組みの「具体的な実践ステップ」や「現場で活用されている仕組みの裏側」については、以下のセミナー見逃し配信ページで全編を公開しております。

    自院の救急体制の見直しや、医師の働き方改革推進のヒントとして、ぜひ動画本編をご視聴ください。

    登壇者紹介

    独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院 副院長 真弓俊彦 先生

    名古屋大学医学部卒業。米国名門ジョンズホプキンス大学留学や産業医科大学教授を経て、現在はJCHO中京病院副院長としてICU・感染対策を統括する。救急・集中治療の権威であり、日本救急医学会では高齢者救急委員会の委員長を歴任。2024年には厚労省へ提言を行うなど、現場の「最後の砦」を守りながら国の医療政策にも深く関与。豊富な知見で地域医療を支え続けている。

    執筆・編集・監修

    執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
    「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

    監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
    聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

    参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

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