更新日:
2026/4/24

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keyboard_arrow_rightこちらは2026年2月20日に配信されたセミナーレポートをベースに内容を一部編集させて頂いた記事です。
2040年問題の真実:医療・介護従事者が約96万人不足すると推計され、「患者」と「スタッフ」の二重の奪い合いが激化する。
解決のアプローチ:単なる広告やホームページ改修ではなく、自院の「バリュー(独自の価値)」と「ポジショニング(明確な立ち位置)」を再定義する本質的な医療マーケティングが必要。
動画本編で得られること:DPCデータを活用した具体的なポジショニング戦略の立て方や、利益を投資に回し、医師採用・定着の「好循環(フライホイール)」を生み出す実践的なステップを解説。
「医師や看護師の採用が年々難しくなっている」「地域の人口動態が変わり、将来の患者確保に不安がある」——このような悩みを抱える急性期病院の院長や事務長は多いのではないでしょうか。
本記事は、多摩大学大学院特任教授であり、医師・MBA・経済学博士の顔を持つ医療経営学者の真野俊樹先生をお招きしたセミナー「2040年を見据えた戦略的病院経営:医療マーケティングと組織変革の要諦」のレポートです。目前に迫る「2040年問題」が病院経営にもたらす真の危機と、それを乗り越えるための戦略的アプローチについて解説します。
結論:2040年問題により、病院は「減少・変化する患者の獲得」と「慢性的に不足する医療従事者の確保」という、二重の競争を強いられることになります。
解説: 日本の高齢化においてよく語られる「2025年問題」は、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になり、医療・介護の「需要が急増する」問題でした。しかし、その先にある「2040年問題」はフェーズが全く異なります。
2040年には、日本の高齢者人口がピーク(約3,900万人超)に達する一方で、生産年齢人口(現役世代)が急激に減少します。厚生労働省の関連機関の推計によれば、2040年には医療・福祉分野の就業者数が約96万人も不足すると予測されています。
つまり、これからの医療現場では、限られた働き手(医師、看護師、コメディカル)を他業界や他院と激しく奪い合うことになります。さらに、地域によっては高齢者の絶対数すらも減少に転じ始めるため、限られた患者を近隣の医療機関と奪い合う状況も生まれます。「患者が来ない」問題と「スタッフが集まらない」問題が同時に進行し、地方の病院を中心に、この危機はすでに現実のものとなりつつあります。
結論:患者と働き手の双方から「選ばれる理由」が明確になり、採用力と集患力が同時に向上する好循環を生み出せることです。
解説: このような人手不足と需要変化の荒波を生き抜くために、真野先生は「医療マーケティング」の導入を提唱しています。マーケティングと聞くと、ホームページを綺麗にすることや、看板広告を出すといったプロモーション活動を想像しがちですが、それは極めて狭義の解釈です。
本質的な医療マーケティングとは、「自院が患者や地域社会にとってどんな独自の価値(バリュー)を提供できるか」を定義し、「市場における明確な立ち位置(ポジショニング)」を確立することです。
「当院は地域で〇〇に最も強い病院である」という明確な旗印(ブランディング)があれば、それに共感する患者が集まりやすくなります。同時に、医師やスタッフにとっても「なぜこの病院で働くべきか」という動機付けが明確になり、採用競争力が飛躍的に高まるというメリットがあります。
結論:「とりあえず総合病院として何でも診る」という総花的な戦略を維持し、自院の強みが曖昧になってしまうことです。
解説: セミナー内で真野先生が指摘する、多くの病院が陥りがちな失敗は「何でもやります」というスタンスから抜け出せないことです。かつてのように人口が増加し、医師も潤沢に配置できた時代であれば、総合病院としてすべての診療科を網羅することは正解でした。
しかし、人的リソースが圧倒的に不足する2040年に向けて、すべてを網羅しようとするのは非現実的です。特徴のない「中途半端な病院」になってしまうと、競合との差別化ができず、患者からも働き手からも選ばれなくなってしまいます。
また、経営トップが「自院の進むべき方向性」を院内外に明確に発信していないことも大きな落とし穴です。ビジョンが不明確なままだと、優秀な医師は先行きに不安を感じて離職してしまい、人手不足による現場の疲弊がさらに進むという負のスパイラルに陥ってしまいます。
結論:客観的なデータを用いて自院と競合を分析し、「勝てる領域」にリソースを集中投資して「好循環(フライホイール)」を回すことです。
解説: では、具体的にどのように自院の立ち位置(ポジショニング)を確立し、人手不足の時代を勝ち抜けばよいのでしょうか。
セミナーでは、その第一歩として「地域の医療ニーズと他院の動向を、DPCデータ等を用いて客観的に把握すること」の重要性が語られています。データを分析することで、「どの疾患群の患者が自院に多く来ているか」「競合病院はどの分野に強いのか」が一目瞭然になります。
その上で、例えば「小児科や産婦人科は他院に任せ、自院は循環器科や整形外科に特化する」といった大胆な「選択と集中(役割分担)」を行うことが求められます。そして、特化した領域から得た利益を、最新の医療機器の導入や、コメディカルの増員、医師の待遇改善・外部リソース(非常勤医師など)の活用に「投資」します。これにより「働きやすい環境」が整備され、新たな医師が集まるという『好循環(フライホイール効果)』が回り始めます。
詳細は動画本編で詳しく解説していますが、この組織変革を成し遂げるための最大の鍵は「トップの覚悟ある決断」に他なりません。
本記事では、2040年問題がもたらす「患者と医療従事者の二重の奪い合い」という厳しい現実と、それを突破するための医療マーケティング(バリューとポジショニングの明確化)の重要性について解説しました。
生き残るためには、これまでの「何でも診る」体制から脱却し、強みを磨いて投資を集中させる戦略的なシフトが不可欠です。
より具体的なDPCデータの活用手順や、ドクターズプライムワークのような外部リソースを活用して「医師採用から始まる好循環(フライホイール)」を生み出す実践的なステップの詳細は、以下のセミナー見逃し配信ページで公開しています。ぜひご覧いただき、貴院の経営戦略にお役立てください。
登壇者紹介
真野 俊樹 先生
臨床医を経て、コーネル大研究員、製薬企業幹部、大和総研主任研究員を歴任。英国レスター大でMBA、京都大学で経済学博士号を取得。「医師・MBA・経済学者」の3つの顔を持ち、多摩大学大学院特任教授や中央大学ビジネススクール教授として教鞭を執る。医療現場のリアリティと経営理論を融合させた「医療マネジメント」の第一人者として、病院経営改革や政策提言、メディア出演など幅広く活躍中。
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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