更新日:
2026/4/17

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keyboard_arrow_rightこちらは2025年12月9日配信されたセミナーレポートをベースに内容を一部編集させて頂いた記事です。
人口減少・高齢化社会における病院経営の構造的リスク:固定費(人件費)の高騰と損益分岐点の上昇により、従来の経営手法では限界が来ている現状を解説します。
「政策誘導」に乗るという発想:診療報酬制度の意図を読み解き、国が求める「高齢者救急」と「在宅医療」にリソースを集中させる戦略の重要性を提示します。
動画本編で得られる知見:半年で1億円の増収効果を生み出した「救急応需率向上」と「算定漏れ防止」の具体的な実践プロセスを公開しています。
物価高騰や賃上げによる固定費の増加、そして止まらない人口減少。多くの地域医療機関が、かつてない厳しい経営環境に直面しています。「病床稼働率が上がらない」「医師・看護師の確保が難しい」「診療報酬改定への対応に追われている」——こうした悩みを抱える院長、事務長は少なくありません。
本記事では、消化器外科医としての臨床経験と、厚生労働省での官僚経験(診療報酬改定等に従事)、そして現在の病院経営という3つの視点を持つ一戸和成先生(芳珠記念病院 副理事長)のセミナー内容をレポートします。元官僚だからこそ語れる「国の政策誘導に乗る」という視点から、経営再建の鉄則を紐解きます。
結論:病院経営は典型的な「固定費ビジネス」であり、人口減少局面では損益分岐点が上昇しやすく、ハイリスクな構造にあります。
解説:病院経営において、費用の大半を占めるのは医師や看護師などの人件費(固定費)です。製造業のように受注に合わせて変動費を調整することが難しく、患者数に関わらず一定のコストが発生し続けます。
厚生労働省の人口動態統計(※1)によると、2023年の出生数は約72万人と過去最少を更新し、死亡数は約157万人と過去最多となりました。年間で約85万人、つまり地方の県が一つ消滅する規模で人口が減少しているのが日本の現状です。 一戸先生はこのマクロ環境を踏まえ、「固定費が高止まりする中で患者数(需要)が減れば、損益分岐点は右にシフトし、利益確保は困難になる」と警鐘を鳴らします。だからこそ、単なるコスト削減ではなく、制度を理解した上での戦略的な収益確保が不可欠なのです。
※1 出典:厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)の概況」病院経営は「ハイリスク・ハイリターン」の構造
病院は人件費という膨大な固定費を抱えており、損益分岐点が高いビジネスモデルです。近年の物価高騰や賃金上昇により、損益分岐点はさらに上昇しており、「少しの空床」が致命的な赤字に直結する状況にあります。逆に言えば、救急からの入院を増やすことで、利益は飛躍的に向上するポテンシャルを持っています。
結論:これらが国が診療報酬制度を通じて誘導している「政策の柱」であり、ここに対応することで収益性と社会貢献性の両立が可能になるからです。
解説:元厚労官僚である一戸先生は、国が直面している課題(高齢化による救急搬送の増加、看取り場所の不足)に対し、病院が解決策を提示することこそが経営安定の鍵であると説きます。いわゆる「政策誘導」です。
具体的には以下の2点です。
高齢者救急の積極的な受け入れ:軽症・中等症であっても、断らない救急を実践することで、地域からの信頼と診療報酬上の加算(救急医療管理加算等)を獲得する。
在宅医療(訪問診療)の推進:通院困難な高齢者を支え、入院から在宅、そして看取りまでを一気通貫で提供する体制を構築する。
芳珠記念病院では、これらを徹底することで、前年比で救急車の受入台数を約40%増加させ、入院率も向上させることに成功しました。
結論:現場任せにすることで発生する「届出漏れ」や「算定漏れ」が、年間数千万円規模の機会損失を生んでいるケースがあります。
解説:「診療報酬の詳細は医事課に任せている」という経営陣は少なくありません。しかし、一戸先生は「現場スタッフは日々の業務に忙殺され、複雑な点数表を深く研究する時間がない」と指摘します。
特に多いのが以下のパターンです。
届出漏れ:人員配置や施設基準を満たしているにも関わらず、適切な届出を行っていないために上位の点数が取れていない。
算定漏れ:実際には実施している医療行為や指導管理に対して、算定要件の理解不足から請求を行っていない。
一戸先生の事例では、経営陣が医事課と膝詰めで点数表を見直し、適切な人員配置を行うことで、届出の見直しだけで年間約4,500万円の増収効果を見込みました。経営トップ自身が制度を理解し、現場と対話することの重要性が浮き彫りになっています。
結論:医師の働き方改革を意識した「分業体制」の構築と、外部リソースの戦略的な活用が鍵となります。
解説:救急の受け入れ増や在宅医療の開始は、現場の医師や看護師にさらなる負荷をかけることになりかねません。そこで重要になるのが、「医師の疲弊を防ぎながら稼働率を上げる仕組み」です。
一戸先生が実践した改革の一例として、以下のようなアプローチが挙げられます。
救急応需の分業:夜間や休日の救急対応に、自院の医師だけでなく外部の非常勤医師(ドクターズプライムワーク等)を効果的に活用し、応需率を向上させる。
在宅医療の分業:昼間の訪問診療と、夜間のオンコール対応を明確に分ける体制を構築する。
単に「頑張る」のではなく、仕組みで解決することが、持続可能な病院経営には不可欠です。では、具体的にどのようなシフト体制を組み、どのようにスタッフの意識改革を行ったのでしょうか?
急速な人口減少社会において、病院経営は「待ち」の姿勢では立ち行きません。国の政策意図(政策誘導)を正確に理解し、診療報酬制度を味方につけることこそが、地域医療を守り抜くための最強の戦略となります。
本セミナー動画では、一戸先生が実際に取り組まれた「半年で1億円の増収効果を生んだ具体的な施策」や「救急・在宅医療における分業体制の作り方」について、より詳細なデータと共に解説しています。
「具体的な成功事例を知りたい」「自院の算定漏れをチェックする視点が欲しい」とお考えの院長・事務長は、ぜひ以下の見逃し配信動画をご覧ください。
登壇者紹介
医療法人社団和楽仁 芳珠記念病院 副理事長 一戸 和成 先生
元厚労省医系技官にして、病院経営再建のスペシャリスト。外科医を経て入省後、DPC制度導入や診療報酬改定を統括し「制度を作る側」と「使う側」双方の視点を併せ持つ。退官後は公立病院や民間企業の部門責任者として現場に入り、不採算部門の改革や人材確保を断行。現在は芳珠記念病院副理事長などを務める。「政策の裏側」と「経営の現実」、その双方を知り尽くした視点から、改定の波を経営再建のチャンスに変えるための「鉄則」を紐解きます。
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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