【セミナーレポート】2026年診療報酬改定と2040年の岐路|判断の「先送り」が招く経営リスクと、今求められる決断
更新日:
2026/4/24

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keyboard_arrow_rightこちらは2026年1月6日に配信されたセミナーレポートをベースに内容を一部編集させて頂いた記事です。
労働力不足と多死社会の到来:2040年に向けた生産年齢人口の減少により、現行の急性期病院のビジネスモデル維持は困難に。
機能分化とバックキャスティング:2026年改定で求められる機能転換に対応するため、未来から逆算して「捨てる機能」を決断するマネジメントが不可欠。
動画本編で得られる実践ノウハウ:自院が選ぶべき「将来の3類型」の定義と、決断を先送りしないための具体的な判断基準・タイミングを解説。
病院経営において、2024年の「医師の働き方改革」施行に続き、2026年の診療報酬改定が大きな転換点になると予測されています。特に急性期病院の院長や事務長にとって、医師・スタッフの採用難や救急受け入れの負担増といった課題は、日々深刻さを増しているのではないでしょうか。
本記事では、医療機関の組織マネジメント・経営戦略の専門家である建見 霞嗣(たけみ かずし)氏のセミナー『2026年保険改定への対応と2040年のその先へ』のレポートをもとに、今後の市場動向と、病院が取り組むべき経営判断の核心を解説します。
結論:2040年に向けて「労働力人口の減少」と「多死社会」が同時に進行し、従来の医療提供体制の維持が限界を迎えるためです。
解説: 国や厚生労働省の推計によれば、15〜64歳の生産年齢人口は減少の一途をたどり、すでに6,000万人を割り込む水準となっています。一方で、医療・福祉分野の就業者は増加を続けており、2025年時点で約922万人(全就業者の約7人に1人)に達しています。しかし、国全体の産業バランスを考慮すると、これ以上医療福祉にのみ人材を集中させることは事実上不可能です。
また、2040年にかけて国内の死亡数は増加傾向にあり、ピーク時には年間約170万人が死亡すると見込まれています。特に都市部では、75歳以上の救急搬送が36%増、85歳以上の訪問診療需要が62%増(いずれも2020年比)になると予測されています。
こうした背景から、2026年の診療報酬改定や政府の方針では、「高齢者救急の受け入れ体制強化」や「在宅医療へのシフト(機能分化)」がこれまで以上に強く推進される方向となっています。
結論:自院の役割を明確にすることで、限られた医療資源(人材・資金)を集中させ、持続可能な経営基盤を構築できることです。
解説: 一般的に、あらゆる疾患や救急要請にフルスペックで対応しようとすると、医師の時間外労働の増大や、看護師・介護職員へのタスクシフトによる現場の疲弊を招き、結果としてスタッフの退職(離職率の悪化)につながります。
セミナーでは、政府が求める「機能分化」の波にただ乗るのではなく、自院の強みと地域ニーズを見極めてマネジメントする重要性が指摘されています。たとえば、在宅へ移行した高齢者の緊急入院対応や、看取りのためのベッド運用などにリソースを集中させることで、地域のなかでのポジショニングが明確になります。
「当院は何をやり、何をやらないのか」が明確になれば、採用活動においても求める人物像のミスマッチが減り、結果的にスタッフの定着率向上や医師の働きやすさ(働き方改革の順守)という大きなメリットを享受できます。
結論:費用対効果を無視した無計画な「DX投資」と、単なる労働時間削減による「スタッフの給与・モチベーション低下」です。
解説: 多くの病院管理者が陥りやすいのが、「DX=人手不足を解消する魔法の杖」と過信してしまうことです。セミナー内でも語られた通り、現実には電子カルテの更新等で数十億円規模の投資が求められるケースがある一方、院内に「DXを適切に管理・運用できる人材」が不在であることが少なくありません。また、AIを活用したレセプト業務の効率化に期待を寄せる声もありますが、現在の複雑な診療報酬点数表の構造にAIを適応させるのは難易度が高く、結局は人間によるダブルチェックが必要となり、かえって人件費や管理コストが増加してしまう恐れすらあります。
働き方改革においても同様の失敗が起きています。単純に労働時間を削減した結果、医師の給与水準が低下し、アルバイト(外勤)で収入を補わざるを得なくなったり、最悪の場合は大学医局からの医師派遣が引き揚げられたりする事態が発生しています。現場の実態と乖離した表面的な制度対応は、かえって組織崩壊のリスクを高めます。
結論:2040年時点の自院の理想的な役割から逆算し、今「何を捨てるか」「いつ決断するか」を明確にする経営手法です。
解説: これからの病院経営では、目の前の課題を一つずつ解決していく積み上げ型のアプローチではなく、未来のゴールから逆算する「バックキャスティング」の思考が強く求められます。
セミナーにおいて建見氏は、病院の将来像は大きく以下の「3類型」のいずれかに収束すると提唱しています。
集約される側(基幹病院)
支える側(在宅・後方支援)
撤退・縮小する側
ここで最も重要なのは、「自院がどの類型になるか」を考えること以上に、「いつその方針を決定し、実行に移すか」というタイムリミットの設定です。維持する医療機能と捨てる機能の明確な線引き、DX投資の撤退ラインなど、管理者が"今"決断すべき要点が存在します。「現状維持(攻めない経営)」は、単にリスクと判断を先送りしているに過ぎないのです。
本記事では、2026年診療報酬改定の動向と2040年問題を見据えた、急性期病院の組織マネジメントや経営戦略の考え方について解説しました。労働力不足と医療需要の劇的な変化が避けられない中、決断の先送りは最大の経営リスクとなります。
では、具体的に「自院がどの類型を選ぶべきか」をどのように判断し、地域医療においてどのような「立ち位置」を確保していくべきなのでしょうか?
より詳細な判断基準や、DX推進における具体的な見極め方、そして経営者が今すぐ決めるべき「3つの事項」の全貌については、以下のセミナー見逃し配信ページで詳しく解説しています。自院の生き残りをかけた戦略立案のためにも、ぜひ動画本編をご視聴ください。
登壇者紹介
建見 霞嗣先生(ペンネーム)
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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