更新日:
2026/4/17

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keyboard_arrow_right※今回の記事は厚生労働省が発表している令和8年度診療報酬改定 5. 入院(DPC/PDPS)から一部を抜粋し編集した記事となっています。
昨今の急性期病院を取り巻く環境は、「高度な医療提供体制の維持」と「医師の働き方改革」という二つの大きな命題に直面しています。
特に、地域における急性期医療の要となる病院においては、重症患者を断らずに受け入れることが社会的な使命であると同時に、病院経営の基盤となる収益確保の要でもあります。
しかし、限られた常勤医のリソースで高度な医療体制を維持することは容易ではありません。特定の専門医への業務集中や、度重なるオンコールによる疲弊は、離職や救急受け入れの制限という形で、徐々に病院の屋台骨を揺るがしつつあります。
本記事では、最新の診療報酬改定(DPC機能評価係数Ⅱ)の要点を読み解きながら、経営層が「明日から何をすべきか」という具体的なアクションについて解説いたします。
まず、機能評価係数Ⅱの「地域医療係数」における重要な制度変更の要点を整理します。今回の改定では、社会や地域の実情に応じて求められる機能をより適正に評価する観点から、明確な見直しが行われました。
DPC標準病院群において、従来の評価区分に加えて、新たに「がん」「脳卒中」「心筋梗塞等の心血管疾患」「周産期」の4領域が定量評価の対象として明記されました。

特に救急医療の要となる脳卒中および心血管疾患領域において、以下の実績がより具体的にポイント(P)として評価されます。

出典:厚生労働省 令和8年度診療報酬改定資料-5. 入院(DPC/PDPS)
脳卒中: t-PA療法の実施(0.25P)や、「A205-2 超急性期脳卒中加算」の算定実績や血管内治療の実施(最大1P)が評価の対象となります。
心筋梗塞等の心血管疾患:予定外入院であり、かつ手術に係る時間外対応加算・休日加算・深夜加算が算定され、入院2日目までに経皮的冠動脈形成術等を実施した症例の実績が評価(0.5P)されます。
つまり、「いついかなる時でも、重篤な急性期疾患を受け入れ、迅速に専門的な処置を行う体制」が、これまで以上にDPC制度において定量的に高く評価される仕組みとなっています。
📌 編集部ピックアップ
2026年度改定について、ある中核病院の副理事長は「今回の改定は医療機関の選別を加速する改定だ」と指摘しています。急性期病院B要件には救急搬送年間1500台以上、全身麻酔500件以上が求められており、「救急車受け入れを病床稼働率に結びつけなければ、経営改善に繋がっていかない」と強調されています。
これらの制度変更が現場に与える影響は非常に直接的です。専門性の高い急性期疾患の受け入れ実績を積むことが、病院全体のDPC単価(機能評価係数Ⅱ)を押し上げる構造がより鮮明になりました。これは病院経営において大きな収益増のチャンスです。
しかし、現場の実態に目を向けると、深刻な課題が浮かび上がります。夜間や休日に発生する緊急のカテーテル治療やt-PA投与といった高度な対応は、循環器内科医や脳神経外科医など、一部の専門医に負担が極端に集中しやすい性質を持っています。
24時間365日の受け入れ体制維持(オンコール待機など)を常勤の専門医だけで回そうとすれば、翌日の通常業務(予定手術や外来)への支障が生じ、最悪の場合は医師の燃え尽き症候群(バーンアウト)や離職を招きかねません。その結果、「体制を維持できず、救急車を断らざるを得ない」状況に陥れば、本来得られるはずの体制評価指数や定量評価指数を取りこぼし、病院全体の収益低下という致命的なリスクに直結してしまいます。
📌 編集部ピックアップ
ある地方の急性期病院では、救急応需率向上のために外部の救急専門医を導入したところ、日中帯の応需率がほぼ100%に達し、月平均入院12.8人(入院率75.8%)を達成、初年度で年間約3600万円の増収を実現しました。経営層は「導入費用はもはやコストではなく確実な投資だった」と評価しています。
では、経営層や人事担当者は、このジレンマに対して明日から何を実行すべきでしょうか。最も有効かつ即効性のあるアプローチは、「専門医が本来の専門治療(カテーテルやオペなど)に専念できる体制づくり」です。そのためには、夜間の初期対応、トリアージ、そして入院患者の急変対応を担う優秀な「救急・病棟管理担当医」を外部から確保し、常勤医の負担を分散させることが不可欠となります。
そこでおすすめしたいのが、ドクターズプライムワークの活用です。ドクターズプライムワークを通じて、夜間や休日のスポット勤務・定期非常勤の医師を確保することで、以下のようなハイブリッドな人員配置が実現します。
初期対応の切り分け:
救急搬送のファーストタッチを非常勤の救急担当医が担うことで、真に専門的な処置が必要なケースのみ専門医をコールバックする体制を構築できます。
オンコール負担の劇的な軽減:
病棟急変への一次対応を任せることで、専門医は「呼ばれるかもしれない」という精神的ストレスから解放され、十分な休息を取ることができます。
機会損失の防止:
安定した当直体制が敷かれることで、救急車の受け入れ拒否を防ぎ、前述した「時間外対応加算」や各種実績要件の確実な算定へとつなげます。
📌 編集部ピックアップ
東京のある二次救急病院では、救急専門医の副院長が着任後、「断らない」宣言を徹底し、ファーストタッチ担当医制度を導入したところ、1年で救急搬送台数が約3倍に増加しました。同副院長は「1人専任のファーストタッチ担当を置くのがかなり再現性が高い」と指摘し、他の支援病院でも4倍増を達成した実績があります。
機能評価係数Ⅱの改定により、急性期病院は「どれだけ質の高い専門医療を、時間外問わず提供できるか」が厳しく問われる時代となりました。この評価をしっかりと収益に変えていくためには、現場の医師の自己犠牲に頼るのではなく、経営主導による戦略的な人員配置が不可欠です。
ドクターズプライムワークを活用した外部人材の登用は、単なる「人手不足の穴埋め」ではありません。自院の誇る専門医のパフォーマンスを最大化し、同時に病院のDPC単価を引き上げるための「戦略的投資」です。
ぜひ明日からの経営会議や人事戦略において、非常勤医を活用した新たな救急・病棟管理体制の構築をご検討ください。それが、患者様の命を救う地域医療の維持と、盤石な病院経営の両立につながる確かな第一歩となります。
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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