更新日:
2026/5/15

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keyboard_arrow_right※今回の記事は厚生労働省が発表している令和8年度診療報酬改定 13. 重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション)から一部を抜粋し編集した記事となっています。
日本の高齢化が急速に進む中、慢性心不全の急性増悪による救急搬送と再入院が繰り返される「回転ドア現象」が、多くの総合病院で深刻な課題となっています。入退院を繰り返す心不全患者が増加することで、救急外来のベッドや医療スタッフのリソースが恒常的に逼迫し、現場の疲弊を招いているのが現状です。
救急部門の負担増大は、本来対応すべき重症患者への介入の遅れや、スタッフの離職リスク向上にも直結します。病院全体として質の高い医療を提供し続けるためには、この再入院のループをいかに断ち切り、救急現場の負荷を適正化するかが経営上の重要なテーマとなっています。
📌 編集部ピックアップ
ある3次救急病院では、高齢者の救急搬送が過去10年で3〜5割増加したことを報告しています。副院長は「高齢者救急の困難さは入口・院内・出口の3層構造になっている」と指摘し、受入率98%を維持しながらも、下り搬送先の確保など出口戦略の整備が不可欠であることを強調しています。心不全患者の再入院防止には、救急入口の体制強化だけでなく、地域連携を含めた包括的な対応が求められています。
こうした背景から、心不全治療による再入院予防を推進する観点から、急性心不全で入院した患者に対して早期から多職種による介入を実施し、退院後も必要な治療を地域で連携して実施した場合について、新たな評価が行われることとなりました。これが新設された「心不全再入院予防継続管理料」です。
具体的な点数と算定の仕組みは以下の通りです。

出典:令和8年度診療報酬改定 13. 重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション)
- 心不全再入院予防継続管理料1:1,000点(入院中1回に限り算定)
- 心不全再入院予防継続管理料2:6回目まで700点、7回目以降225点(1年を限度として月に1回・外来で算定)
- 心不全再入院予防継続管理料3:6回目まで400点、7回目以降225点(1年を限度として月に1回・外来で算定)
本加算(管理料1)を算定するための主な施設基準は以下の通りです。
一般病棟入院基本料(7対1または10対1)、特定機能病院入院基本料(一般病棟)、または専門病院入院基本料の届出
心不全再入院予防チームの設置:心不全指導の経験を3年以上(医師は5年以上)有する常勤の医師、看護師又は保健師、管理栄養士で構成(いずれかは研修修了者が望ましい)
常勤の薬剤師及び理学療法士の配置 ・心大血管疾患リハビリテーション料に係る届出
院内職員、ならびに管理料3を算定する保険医療機関等を対象とした研修会を年に各1回以上実施
また、算定要件として、ガイドラインに基づいた心機能評価やリスク評価を実施することに加え、算定要件として、ガイドラインに基づく心機能評価・原疾患の精査・リスク評価・必要な治療を実施することに加え、当該入院中に『早期離床・リハビリテーション加算 又は 心大血管疾患リハビリテーション料』のいずれかを算定し、かつ『入院栄養食事指導料 又は 薬剤管理指導料』のいずれか1つを算定していることが求められます。チームは心不全のリスク要因に関する評価を行い、その結果に基づき指導計画を作成する必要があります。
(厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 13. 医学管理・リハビリテーション」P.1)。」
この新しい管理料は病院経営において大きな収益機会となりますが、現場への影響やハードルも決して低くありません。加算を取得するためには、ガイドラインに基づく厳密な評価や指導、そして多職種チームによる綿密な介入が不可欠です。
特に最初の接点となる救急外来において、搬送された心不全患者に対して適切な初期対応を行い、そのまま病棟や多職種チームへとシームレスに連携できなければ、算定要件を満たすことが難しくなります。救急現場が日々の対応に追われ、情報共有や介入計画の策定に十分な時間を割けなければ、せっかくの新設点数を算定できず収益機会を逃すだけでなく、患者の再入院ループを断ち切るという根本的な目的も達成できません。
📌 編集部ピックアップ
ある中規模病院で救急体制を立て直した医師は、「人を増やす前にそもそも効率的に動いているか考え直す」ことの重要性を指摘しています。同院では5年で1.9倍成長後に退職代行が多発する危機に直面しましたが、部門横断での業務改善により10〜20秒単位の効率化を積み重ね、入院数を10%増加させながらスタッフ満足度も向上させました。多職種連携を機能させるには、まず現場のオペレーション最適化が前提となります。
心不全患者の再入院を防ぎつつ、新設の管理料を適切に算定するためには、経営層が「救急現場の余力創出」に投資することが明日から取るべき具体的なアクションとなります。救急搬送時の初期対応に余裕を持たせ、医師が多職種と連携する時間を意図的に生み出す体制構築が急務です。
そこで有効なソリューションとなるのが、ドクターズプライムのサービスを通じた質の高い救急専任医師の確保です。ドクターズプライムを活用し、救急対応に習熟した医師を安定的に確保することで、救急現場のオペレーションが劇的に改善します。
救急医が初期診療を確実かつ迅速に行うことで、主治医や「心不全再入院予防チーム」がガイドラインに沿った治療計画の立案や患者指導に専念できる環境が整います。結果として、救急現場の疲弊を防ぎながら「心不全再入院予防継続管理料」の確実な算定へと繋がり、再入院率の低下という医療の質向上と、病院全体の収益改善の両立を実現することが可能です。
令和8年度改定で新設された「心不全再入院予防継続管理料」は、増え続ける心不全患者への対応と病院経営の安定化を両立させる重要な鍵となります。しかし、その算定には救急現場から病棟に至るまでのシームレスな多職種連携が欠かせません。
救急領域の負担を軽減し、多職種連携のための「時間と心の余白」を創出するために、ドクターズプライムによる救急現場の体制強化をぜひご検討ください。現場に寄り添いながら医療の質と経営基盤を底上げする、具体的な一歩を踏み出す契機としていただければ幸いです。
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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