更新日:
2026/4/17

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keyboard_arrow_right※今回の記事は厚生労働省が発表している令和8年度診療報酬改定説明資料等について内の03_令和8年度診療報酬改定の概要 3.急性期・高度急性期入院医療から一部を抜粋し編集した記事となっています。
2024年4月より医師の時間外労働の上限規制が適用され、全国の医療機関で「医師の働き方改革」に向けた労務管理の見直しが進められています。そのなかでも、救急医療や急性期医療を担う病院において、経営層や人事担当者の皆様を大いに悩ませているのが、夜間・休日の当直やオンコール体制の維持と、医師の十分な休息確保をいかに両立させるかという問題ではないでしょうか。
これまでの日本の救急・手術体制は、常勤医の強い使命感と献身的な働きによって支えられてきた側面があります。しかし、法規制への対応と医療安全の観点から、従来のままの運用で体制を維持することは難しくなりつつあります。
本記事では、厚生労働省の資料に基づき、特に現場への影響が大きい処置および手術に係る 「休日加算1」「時間外加算1」「深夜加算1」 の施設基準要件の見直しについて整理いたします。その上で、厳格化された要件が現場に与える影響を分析し、読者の皆様が取るべき具体的な対応策について検討してまいります。
厚生労働省の資料によりますと、医師の働き方改革をより一層推進する観点から、処置および手術に係る 「休日加算1」「時間外加算1」「深夜加算1」 の施設基準が見直されました。改定後の施設基準では、新たに チーム制 の導入が求められるとともに、当番明けの休息に関するルールなどが厳格化されています。

出典:厚生労働省 令和8年度診療報酬改定資料
主な変更点は以下の通りです。
休日、時間外又は深夜(休日等)において、2名以上 の緊急呼出し当番を担う医師を置くことが要件とされました。なお、当該診療科に配置されている医師の数が 5名未満 の場合は 1名以上 で要件を満たします。
夜勤時間帯に緊急呼出し当番を行った医師について、翌日を休日とすること が求められています。ただし、夜勤時間帯に当該医療機関内で実際の診療を行わなかった場合(実働が発生しなかった場合)は、翌日を休日としなくても差し支えありません。
夜勤時間帯に緊急呼出し当番を行う者については、特定対象医師(B水準、連携B水準又はC水準 が適用される医師)であるかどうかにかかわらず、特定対象医師に対するものと同様の 勤務間インターバル及び代償休息 を確保することが要件化されました。さらに、宿日直勤務中の労働について、宿日直勤務後の休息時間を確保するよう配慮することも求められています。
これらの実施内容については就業規則への記載を行い、その写しを地方厚生(支)局長へ届け出ることが定められています。
今回の見直しにおいて、特に現場へのインパクトが大きいと予想されるのが、「夜間時間帯に実働した当番医の翌日を休日とする」という厳格な要件です。これまで多くの病院では、夜間に緊急呼出しで手術や処置を行った医師が、翌日も通常の外来診療や予定手術をそのまま担うケースが少なくありませんでした。しかし、新制度下で加算を算定し続けるためには、この運用を見直し、確実に医師を休ませる体制を構築する必要があります。
📌 編集部ピックアップ
首都圏のある548床規模3次救急病院では、高齢者救急搬送が10年で3〜5割増加する中、入口・院内・出口の3層構造で対応する困難さに直面。救命救急士6名を院内配置することで受入率98%を維持しつつ、下り搬送をスムーズにするなど、タスクシフトと地域連携で応需体制を支えている。
現場における課題としては、以下のような影響が懸念されます。
夜間に稼働した医師を翌日確実に休ませることで、翌日の外来診療や予定手術を回すための人員にしわ寄せが及びます。
限られた人数のなかで「2名以上 の当番配置」と「翌日休日」のサイクルを回そうとすると、必然的に他の常勤医の当直・オンコール回数が増加し、かえって疲弊を招く恐れがあります。
要件に沿った労務管理体制が組めない場合、加算1の施設基準を満たせず、算定を取り下げざるを得なくなります。これは病院経営にとって大きな減収要因となります。
院内の常勤医だけで新たな施設基準に対応することが困難な場合、経営層や人事担当者の皆様に明日からの具体的なアクションとしてご検討いただきたいのが、「外部人材(アルバイト非常勤医師)の戦略的な活用」 です。
当直や緊急呼出し当番の枠、特に負担の大きい夜間・休日の枠を、外部の非常勤医師に委託することで、以下のような効果が期待できます。
夜間の救急・手術対応の一次受けや当番を外部人材に任せることで、常勤医は翌日の日中業務に専念できます。
外部人材をチームに組み込んで「2名以上 の当番体制」を構築することで、加算1の施設基準を安定して維持し、病院の収益低下を未然に防ぐことが可能になります。
📌 編集部ピックアップ
関東地方のある262床規模2次救急病院では、常勤医の高齢化と院内整備の限界で応需率が60%台に停滞していたが、ドクターズプライムワークの若手救急専門医を輪番日に導入したことで応需率90%以上・病床稼働率約9割に安定。「救急車が7、8台並んでしまう状況もございますが、1人でスムーズに対応していただけるため、安心して業務をお任せできています」との評価を得ている。
こうした救急・当直領域の課題解決において、ドクターズプライムワーク が提供するような専門的な医師採用ソリューションの活用が一つの糸口となります。ドクターズプライムでは、独自の審査基準を通過した質の高い救急科医師や専門医をマッチングしており、単なる「当直の穴埋め」にとどまらず、救急受入率の向上や現場の医療体制強化そのものをサポートしています。
処置・手術の「休日・時間外・深夜加算1」の要件見直しは、医師の健康を守る上で欠かせないステップであると同時に、病院経営にとっては体制の抜本的な変革を迫る大きな転換期でもあります。
まずは自院の現在の診療科ごとの人員状況と当直体制を客観的に分析し、就業規則の見直しを進めることが急務です。その上で、常勤医だけに無理を強いるのではなく、必要に応じて外部人材を適切に導入する体制を描いてみてください。
外部人材を「チーム医療を持続させるための重要なパートナー」として組織に組み込む視点が、地域医療の要としての役割と、健全な労務管理・病院経営を両立させる鍵となるはずです。
明日からの具体的な第一歩として、まずは「各科のオンコール実働状況の洗い出し」と、「外部人材活用に向けたコスト・効果の試算」から始めてみてはいかがでしょうか。
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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