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常勤医の疲弊をどう防ぐ?新制度「重点医師偏在対策支援区域」の補助金と質の高い外部医師の確保策

    常勤医の疲弊をどう防ぐ?新制度「重点医師偏在対策支援区域」の補助金と質の高い外部医師の確保策

    更新日:

    2026/5/15

    常勤医の疲弊をどう防ぐ?新制度「重点医師偏在対策支援区域」の補助金と質の高い外部医師の確保策|メソッド

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    ※本記事は、「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」(令和6年12月25日 厚生労働省)第7回 地域医療構想及び医療計画等に関する検討会(令和7年11月14日)資料1「医師確保計画の見直しについて」医政局 令和8年度概算要求の概要を基に、ドクターズプライムワーク編集部が独自に編集したものです(具体的な事業名・補助単価・補助率は実施要綱の確定をもって変動の可能性があります)。


    救急現場の深刻な悩み:常勤医を疲弊させる休日当直の負担

    救急医療を担う総合病院において、土日や祝日の当直・日直を「誰が担うか」は、病院経営および人事における最も頭の痛い課題の一つではないでしょうか。

    医師の働き方改革関連法が施行される中、常勤医の長時間労働の是正は待ったなしの状況です。しかし、地域医療の要である救急の灯を消すわけにはいかず、限られた人数の常勤医で休日シフトを回し続けることで、現場の疲弊が蓄積しています。本来であれば外部から非常勤の医師を招聘したいところですが、採用にかかる予算の確保が重荷となり、抜本的な解決に踏み切れないケースも少なくありません。

    📌 編集部ピックアップ

    九州地方のある150床規模の病院では、医局に負担をかけない共存戦略を実践しています。当直・スポットを外部でカバーすることで医局との本流関係を維持し、稼働率90%超・地域2次救急の3割を担当。「負荷の高い業務を外部でカバーし、医局に無理な相談をせずに済み本流の関係性を維持できる」という声が寄せられています。

    新制度の要点:「代替医師確保支援事業」による資金面のサポート

    こうした課題の解決に向け、厚生労働省の「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」(令和6年12月25日公表)で打ち出されたのが「重点医師偏在対策支援区域」の設定と、それに伴う経済的インセンティブです。対策パッケージでは、当該区域内の一定の医療機関に対し『土日の代替医師確保等の医師の勤務・生活環境改善の支援』を、令和8年度から本格実施することとされています(具体的な事業名・要綱は令和8年度予算成立後に確定)。

    補助金の算定要件と基準額

    対象医療機関:重点医師偏在対策支援区域内にあり、都道府県の地域医療対策協議会および保険者協議会で支援対象として合意を得た医療機関

    対象経費:土日・祝日の代替医師を雇い上げるためにかかる経費

    基準額(検討段階で示されている単価案):派遣先医療機関に対する代替医師確保支援は『6万円×延日数(日直・宿直数)』、派遣元医療機関に対する支援は『6万1,000円×延日数』とされる方向で議論が進んでいます(出典:地域医療構想及び医療計画等に関する検討会の検討資料/業界誌報道)。正式単価は令和8年度予算成立後の実施要綱で確定する見通しのため、最新の都道府県告示をあわせてご確認ください。

    補助率:実施要綱の確定後に各都道府県から公表される予定(多くの場合、医師偏在対策に関連する事業は地域医療介護総合確保基金(国2/3・都道府県1/3)を活用して都道府県経由で実施される見込み。最新の取扱いは各都道府県の地域医療対策協議会・保険者協議会の決定をご確認ください)。

    このように、休日の救急当直を外部のアルバイト医師等に委託する際の費用が一部補填されるため、医療機関にとって資金面でのハードルが大きく下がります。

    出典:令和8年3月9日 第125回社会保障審議会医療部会 資料1 医師確保計画の見直し等に関する参考資料

    補助金活用がもたらす影響と、現場が直面する「新たな壁」

    本制度の適用対象となれば、病院側は「外部の医師を採用するための予算」を確保しやすくなります。経営的な負担が軽減されれば、常勤医の当直回数を減らし、しっかりと休息を取れる環境を整える第一歩を踏み出せるでしょう。

    しかし、資金面の問題がクリアになったからといって、すぐに救急体制が安定するわけではありません。実際に制度を活用しようとした際、現場では次のような新たな課題に直面することが予想されます。

    「質の高い救急対応ができる医師」をどう探すか:休日の救急外来を安心して任せられる、適切なスキルと経験を持った医師を自力で探し出し、確実にシフトを埋めるのは容易ではありません。

    救急車の応需率低下リスク:せっかく外部の医師を採用できても、「専門外だから」と救急車の受け入れを断られてしまっては、地域への貢献も、病院の救急収益の確保も難しくなってしまいます。

    安定的な体制構築の難しさ:単発のアルバイト医師で場当たり的にシフトを埋めるだけでは、中長期的な体制の安定にはつながりません。

    つまり、補助金はあくまで手段であり、それを活かして「質の高い救急対応ができる医師を確実に確保する仕組み」を持たなければ、根本的な課題解決には至らないのです。

    📌 編集部ピックアップ

    関東地方のある約260床の病院では、常勤医高齢化・院内整備の限界で応需率が60%台に停滞していました。外部から若手救急専門医を輪番日に導入した結果、応需率90%以上・病床稼働率約9割に安定。「救急車が7、8台並んでしまう状況もございますが、1人でスムーズに対応していただけるため、安心して業務をお任せできています」という成果が報告されています。

    救急体制の最適化へ:明日から取るべき具体的なアクション

    では、経営層や人事担当者の皆様は、明日から具体的にどのようなアクションを起こせばよいのでしょうか。

    制度の適用可否の確認と予算化

    まずは、自院が重点医師偏在対策支援区域の対象となるか、また地域医療対策協議会等での合意形成に向けた要件を満たせるかを確認してください。その上で、補助金(基準額:延日数×60,000円)を前提とした代替医師確保の予算を経営計画に組み込む準備を始めましょう。

    「ドクターズプライムワーク」を活用した最適マッチングの導入

    予算の目途が立った後、最も重要になるのが「誰をどのように採用するか」です。自力での採用活動には限界があるため、救急領域の改善に特化した「ドクターズプライム」のソリューションを活用することをお勧めします。

    「救急車を断らない」質の高い非常勤医師を確保:ドクターズプライムでは、独自の審査により、救急対応への意欲とスキルが高い非常勤医師を厳選してマッチングします。これにより、外部委託時における応需率低下のリスクを防ぎます。編集部ピックアップ

    📌 編集部ピックアップ

    福岡県の約180床の病院では、外部救急専門医導入で日勤帯応需率をほぼ100%まで引き上げ、月平均入院12.8人(率75.8%)・年3600万円増を初年度で達成しました。キャンセル率も28.1%から21%へ改善。「導入費用はもはやコストではなく確実な投資だった」「なんで受けたの?が消えた」という評価を得ています。

    常勤医の負担軽減と救急収益の最大化:外部の優秀な非常勤医師が休日の救急車を積極的に受け入れることで、常勤医の疲弊を防ぐだけでなく、病院全体の救急搬送受け入れ件数が増加し、収益の向上にも直結します。

    採用工数の削減:安定的なシフト編成を支援するため、毎月の調整にかかる事務長や人事担当者の労力を大幅に削減し、より本質的な経営課題に注力できる環境を作ります。

    まとめ:制度変化を先取りした持続可能な組織づくりを

    救急医療の最前線で働く常勤医を守ることは、病院の存続と地域医療を守り抜くために不可欠です。今回本格化する「代替医師確保支援事業」は、休日の当直負担という長年の課題を解決するための強力な後押しとなります。

    補助金制度を正しく理解して外部医師の採用予算を確保した上で、ドクターズプライムを活用した「救急車を断らない、質の高い非常勤医師を安定的にマッチングする仕組み」を導入すること。この両輪を回すことで、常勤医の負担軽減と救急収益の最大化を両立してみてはいかがでしょうか。まずは自院の対象要件の確認から、具体的な検討を始めてみてください。

    執筆・編集・監修

    執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
    「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

    監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
    聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

    参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

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