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【セミナーレポート】救急を断る病院から断らない病院の変革!北里大学メディカルセンターのPDCAの全て

    【セミナーレポート】救急を断る病院から断らない病院の変革!北里大学メディカルセンターのPDCAの全て

    更新日:

    2026/4/17

    【セミナーレポート】救急を断る病院から断らない病院の変革!北里大学メディカルセンターのPDCAの全て|メソッド

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    こちらは2025年12月15日配信されたセミナーレポートをベースに内容を一部編集させて頂いた記事です。

    エグゼクティブサマリーレポート

    • 高齢化に伴う救急搬送の増加と「医師の働き方改革」により、従来型の救急体制は限界を迎えている。

    • 救急応需率50%未満から年間約4,800台の受け入れへとV字回復を遂げた、北里大学メディカルセンターの変革事例を解説。

    • 医師のタスクシフト(救急救命士の活用)、専属看護師の配置、BSC(バランスト・スコアカード)による目標管理の全貌は動画本編で公開。

    「救急要請を断らざるを得ない」「各科の持ち回り当直が限界にきている」といった悩みを抱える急性期病院の院長・事務長は少なくありません。2024年4月から本格化した医師の働き方改革と、年々増加する高齢者の救急搬送が相まって、現場の疲弊はピークに達しています。

    本記事では、北里大学メディカルセンター救急科 副部長の田村 智 先生が登壇したセミナー「救急を断る病院から断らない病院への変革!北里大学メディカルセンターのPDCAの全て」のレポートをもとに、救急応需率を劇的に改善するための組織マネジメントのヒントを解説します。

    なぜ今、救急外来のマネジメント見直しが必要なのか?

    • 結論: 高齢者救急の急増と「医師の働き方改革」により、従来の属人的・持ち回り型の救急当直体制が維持できなくなっているためです。

    • 解説: 総務省消防庁のデータによると、全国の救急自動車による搬送人員は増加傾向にあり、そのうち約6割を65歳以上の「高齢者」が占めています。さらに厚生労働省の推計では、2040年に向けて85歳以上の救急搬送は大幅に増加すると見込まれています。高齢者の救急では、肺炎や尿路感染症、骨折など複数の疾患を合併しているケースが多く、単一の専門医では対応が難しいという特徴があります。

    これに追い打ちをかけるのが、2024年4月から施行された「医師の働き方改革」です。時間外労働の上限規制(原則年960時間、特例でも年1,860時間等)が適用されたことで、各診療科の医師が日中の通常業務に加え、夜間休日の救急当直を無理にカバーすることは事実上不可能となりました。特に救急科は時間外労働が長くなりやすい傾向があり、業務の効率化と組織体制の根本的な見直しが急務となっています。

    救急受け入れ体制(応需率)を改善するメリットは?

    • 結論: 地域の医療ニーズに応えることで病院の経営基盤(収益性)が強化され、同時に現場スタッフのエンゲージメント向上につながります。

    • 解説: 一般的に、救急車の受け入れ台数は急性期病院の収益を支える重要な柱の一つです。受け入れを断り続けると、地域の救急隊からの信頼を失い、中長期的な経営に悪影響を及ぼします。

    セミナーに登壇した田村先生が赴任する前の北里大学メディカルセンターは、救急応需率が50%を切る「救急を断る病院」でした。しかし、体制の見直しを行った結果、赴任前の年間約2,000〜3,000台レベルから、直近(2024年実績)では約4,800台へと受け入れ台数が劇的に増加しました。応需率が向上することは、単に件数が増えるだけでなく、「自分たちの組織は地域に貢献し、成長している」という現場の成功体験となり、職種間のコミュニケーションやチーム医療の活性化にも直結します。

    院長・事務長が陥りやすい「救急体制の失敗例」とは?

    • 結論: 「担当する当直医個人のスキルに依存する(丸投げ)」という属人的な運用と、「頑張って受け入れよう」という精神論のみのマネジメントです。

    • 解説: セミナーの中で、救急を断ってしまう要因として以下の3つの課題が挙げられました。

    1. 担当医師のスキルセット不足:救急専従医が不在で各科の医師が持ち回りで当直をする場合、「自分の専門外の疾患(外傷など)は診られない」と断るケースが発生します。

    2. 働き方改革とタスクの偏り:医師の労働時間が制限される中、オーダー入力から初期対応、カルテ記載まで全ての業務を医師が抱え込んでいる状態では、物理的に対応件数を増やせません。

    3. 高齢者救急における「押し付け合い」:複数の疾患を持つ高齢患者が搬送された際、明確な受け入れルールがないと「どの科が主治医になるか」で揉め、結果的にたらい回しや受け入れ拒否に繋がります。

    これらを放置したまま、現場に「断らないように」と指示を出しても、疲弊と不満を生むだけで改善には至りません。

    成功するためのポイントは?

    • 結論: 「誰でも対応できる仕組み化」「他職種への大胆なタスクシフト」、そして「目標の可視化」の3つが成功の鍵です。

    • 解説: 北里大学メディカルセンターでは、属人的な対応からの脱却を図るため、複数の画期的な施策を講じました。

    第一に、専門外の医師でも対応できるよう、脳卒中や高齢者の骨折など、頻出する疾患について「初期対応のフロー(マニュアル)」を整備しました。また、時間外の輪番日には「ドクターズプライム」等の外部医師リソースを活用し、確実に受け入れられる体制を担保しています。

    第二に、医師の負担を減らすためのタスクシフトです。近年、病院内での業務範囲が拡大している「救急救命士」を新たに採用し、検査オーダーの代行や事前のカルテ記載補助などを任せることで、医師が診断・治療に専念できる環境を作りました。さらに、救急外来に専属の看護師を配置し、職種横断的なチーム医療を構築しています。

    第三に、組織全体で同じ方向を向くために「BSC(バランスト・スコアカード)」という目標管理手法を導入しました。これにより、財務視点だけでなく、顧客(患者)視点や業務プロセスの改善視点などを可視化し、現場の自発的な改善を促しています。

    しかし、「具体的にどのようなマニュアルを作成すれば機能するのか?」「救急救命士や看護師へ、どのように業務を切り出せば軋轢を生まないのか?」「BSCのKPIとして、どのような項目を設定したのか?」といった、実行におけるリアルなノウハウこそが、変革を成功させる最大の肝となります。

    続きは見逃し配信で視聴頂けます!

    救急応需率の改善は、「医師の頑張り」に依存する時代から「組織の仕組みづくり」で乗り切る時代へと変化しています。医師の働き方改革を順守しつつ、高齢化する地域の救急ニーズに応えるためには、多職種連携と精緻なマネジメントが不可欠です。

    本記事でご紹介した北里大学メディカルセンターの取り組みは、多くの病院で応用可能な実践的アプローチです。「救急救命士を効果的に活用する具体的な業務分担」や、「現場のモチベーションを高めるBSCの運用方法」、そして「実際の成功事例(Before/After)」の詳細については、以下のセミナー見逃し配信ページで余すところなく公開しています。

    ぜひ動画本編をご視聴いただき、貴院の組織改革にお役立てください。

    登壇者紹介

    北里大学メディカルセンター 救急科副部長 田村智 先生

    東京大学理学部と新潟大学医学部を卒業という経歴を持ち、「理学」と「医学」のバックグラウンドを併せ持つ。脳神経外科医として新潟大学医歯学総合病院、山形県立中央病院、秋田赤十字病院で勤務。その後、北里大学病院にて救命救急の現場に従事。現在は、脳神経外科・救急科・脳血管内治療のトリプル専門医として活躍されています。脳卒中から救急医療まで、幅広い視野と医学博士の知見を併せ持つスペシャリストです。

    執筆・編集・監修

    執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
    「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。

    監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
    聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。

    参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ 

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