【令和8年診療報酬改定】身体的拘束「1日20点減算」の回避へ!救急・急性期病棟における基準達成と人員体制の最適化
更新日:
2026/4/17

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keyboard_arrow_right※今回の記事は厚生労働省が発表している令和8年度診療報酬改定 6.入院(共通事項)から一部を抜粋し編集した記事となっています。
救急搬送直後の患者さんや急性期病棟では、ルート抜去や転倒などを防ぎ、安全を確保するために、やむを得ず身体的拘束を選択せざるを得ないケースが少なくありません。多くの医療従事者が、患者さんの安全確保と尊厳の狭間で日々ジレンマを抱えています。
しかし、国は「身体的拘束の最小化」を強く推進する方向へ舵を切っています。令和8年度の診療報酬改定では、この方針がさらに強化され、病院経営に直結するペナルティのリスクが高まりました。現場の負担と経営への影響を最小限に抑えつつ、新たな制度に適切に対応していくことが急務となっています。
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中部地方のある500床規模の3次救急病院では、救急搬送の約6割を高齢者が占める状況が続いています。同院の副院長は「高齢者救急の困難さは入口・院内・出口の3層構造」と指摘し、この複雑な医療ニーズに対応するため救命救急士6名を院内配置することで、安全確保と業務効率化の両立を図っています。
結論から申し上げますと、令和8年度の診療報酬改定により、身体的拘束の最小化において、従来の「体制に係る基準」に加え、新たに「実績等に係る基準」が設けられました。これに伴い、体制基準を満たしていても、新設された実績等の基準を満たせない場合は、入院基本料等から「1日につき20点減算」されるという厳しいペナルティが課されることになります。さらに、体制基準と実績基準の両方を満たせない場合は、従来通り40点減算となります。

減算を回避するためには、以下の「実績等に係る基準」のいずれかを満たす必要があります。
身体的拘束の実施割合が1割5分以下であること。
身体的拘束の原則廃止に向け、以下の全ての取組を継続して行っていること。
委員会を3か月に1回以上開催し、身体的拘束の実施状況を踏まえて最小化に向けた具体的な取組を検討する。
身体的拘束が行われている病棟では、身体的拘束最小化チームによる巡回や、病棟内の複数人の職員の協働により、解除や代替策の導入に向けた具体的な検討を行う。
入院患者に関わる職員を対象として、身体的拘束最小化に関する研修(拘束の代替策等を含む)を年に2回以上実施する。
また、医療機関内において身体的拘束を行わないような組織風土の醸成に努めることが明記され、チームが作成する指針には、薬物の適正使用等に係る内容を必ず盛り込むこととされました。さらに定期研修においても、拘束の代替手段に関する内容に加え、患者の尊厳の保持の重要性に関する内容を含めることが望ましいとされています。


これらの基準変更は、医療現場にどのような影響を与えるのでしょうか。
減算を防ぐためには、初期診療時における適切な鎮静コントロールや、病棟での見守り体制の強化、多職種連携による頻回なカンファレンスや巡回が欠かせません。しかし、ただでさえギリギリの人員で回している救急や急性期の現場において、定期的な委員会開催や研修、詳細な実施状況の記録といったこれ以上の業務負荷の増大は、常勤医や看護師のさらなる疲弊を招く恐れがあります。
「実績づくり」のために現場の負担が増し、結果として貴重な医療スタッフの離職につながってしまえば、病院経営にとっても致命的なダメージとなりかねません。
厳格化された基準をクリアしつつ、現場の疲弊を防ぐためには、常勤医に「時間的ゆとり」を生み出すタスク・シフトが不可欠です。そこで有効なのが、救急・急性期領域における人員体制の最適化です。
具体的には、ドクターズプライムワークを活用し、質の高い救急専任医師(非常勤)を確保するアプローチをご提案します。救急車対応やER業務などの初期対応を信頼できる非常勤医師に委託することで、常勤医は病棟管理や、まさに今求められている身体的拘束最小化に向けた多職種チームの稼働、委員会の運営などに注力できる環境が整います。
専門業務の切り分け:非常勤医師が初期の救急対応を担うことで、常勤スタッフが病棟環境の改善や記録業務に専念できます。
チーム医療の活性化:時間的余裕が生まれた常勤医が中心となり、看護師や多職種と協働して代替策の検討や病棟巡回を効果的に実施できます。
経営ロスの防止:基準未達による減算リスクを確実に回避し、同時にスタッフの離職防止による採用コストの抑制にもつながります。
令和8年度診療報酬改定による身体的拘束の「1日につき20点減算」のペナルティは、病院経営に大きなインパクトをもたらします。これを現場のマンパワーや努力だけに行き当たりばったりで頼るのではなく、ドクターズプライムワークを活用した非常勤医師へのタスク・シフトなど、組織全体での柔軟な体制構築が必要不可欠です。
患者さんの尊厳をしっかりと守り、スタッフが心身ともに働きやすい環境を整えながら、経営を安定させるための戦略的なアクションを、ぜひ今日からご検討いただければ幸いです。
執筆・編集・監修
執筆・編集:ドクターズプライムワーク編集部
「救急車のたらい回しをゼロにする」をビジョンに、100病院を超える支援実績を持つ救急改善プラットフォーム「ドクターズプライムワーク」を運営しています。現状を可視化する「データ分析」と、病院が主体となって医師を確保できる「採用プラットフォーム」を一体で提供し、「自分らしく選べる医療をすべての人に」届けるための基盤を構築しています。 当編集部では、医療機関の変革に伴走する中で得られた現場特有の課題や解決のヒントを整理し、病院運営の質を高める有益な情報を発信しています。
監修:田 真茂(株式会社ドクターズプライム 代表取締役・医師)
聖路加国際病院救命救急センターで当直帯責任者を務めた後、2017年に株式会社ドクターズプライムを創業。詳細プロフィールは、会社紹介ページの監修・運営者情報をご覧ください。
参考情報:厚生労働省、消防庁、中医協、四病協資料、自社実績データ
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